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突入、そして決着

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「来たか・・・ここで決着をつけてやる」


ブラフォード達の姿が見えたのは、夕暮れ時だった。薄暗くはあるが、それでも十分にブラフォードの顔を確認することが出来た。
オミトは自らの得物であるコテツに手をかけながらも、殺気を殺し、ただただそのタイミングを待った。
ブラフォードがアジトの扉を開き、中に入るのを見届けると、オミトは片手をサッと上げ合図をした。

アジトへの突入の合図だ。


シュッ!


オミト率いる精鋭の弓隊が矢を放つ。
アジトを遠巻きに見張っているブラフォードの手の見張り達が一人、また一人と倒れていった。


「行くぞ!」


オミトの言葉に呼応して、騎士達が動き出す。
弓隊の攻撃で撃ち漏らした見張り達を次から次へと斬り伏せ、あっと言う間にアジト周囲にいた見張り達は全員絶命した。
中に入ったブラフォード達には一人として報告に向かってはいないはずなので、また動きが察知されないうちに奇襲が成功したことにオミトは胸を撫でおろす。
ちなみにオミトは得物に手をかけてはいるが、まだ抜いてはいない。彼はスタミナがないため、ここぞというときのために温存しているのだ。本当に必要な局面になったときに動けないでは意味がない。
そのために騎士団長のタルカスが推した精鋭の騎士達を連れてきたのだ。


「よし・・・行くぞっ」


突入の準備が整い、戦闘の騎士が慎重にアジトの入口の扉を開ける。
中の様子を確認次第、素早く騎士達はアジトへなだれ込んでいった。最後に続くのはオミトとドロシー、そして背後を警戒する騎士だ。


「な、なんだお前達は!?」


オミト達の奇襲は察知されていなかったようで、アジトの中は突如現れた外敵に混乱し、ろくに抵抗も出来ずに無力化されていく。
このまま完全制圧になるかと思いきや、それでも最後には気を持ち直したブラフォードの騎士達による抵抗があったが、結局場を制したのはオミト率いる突入隊だった。


「はっ・・・やれやれ・・・まさか本当にこんな日が来るなんて思わなかった」


オミト達の突入を許し、ついには剣を突きつけられることになったブラフォードは降参とばかりに手を上げ、溜め息をついて言った。


「ありました!呪術の行っていたと思われる現場が見つかりました!」


制圧した後、護衛騎士とともにアジトを捜索していたドロシーの言葉の聞いて、オミトは胸を撫でおろす。
大した犠牲もなく、オミトはついにブラフォードを取り押さえることが出来たことに、思わず深いため息を漏らす。
やるべき大きなことを成し遂げることが出来た・・・感無量であった。


だが、本当に大変な出来事があるのはこれからだった。
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