450 / 471
突入、そして決着
しおりを挟む
「来たか・・・ここで決着をつけてやる」
ブラフォード達の姿が見えたのは、夕暮れ時だった。薄暗くはあるが、それでも十分にブラフォードの顔を確認することが出来た。
オミトは自らの得物であるコテツに手をかけながらも、殺気を殺し、ただただそのタイミングを待った。
ブラフォードがアジトの扉を開き、中に入るのを見届けると、オミトは片手をサッと上げ合図をした。
アジトへの突入の合図だ。
シュッ!
オミト率いる精鋭の弓隊が矢を放つ。
アジトを遠巻きに見張っているブラフォードの手の見張り達が一人、また一人と倒れていった。
「行くぞ!」
オミトの言葉に呼応して、騎士達が動き出す。
弓隊の攻撃で撃ち漏らした見張り達を次から次へと斬り伏せ、あっと言う間にアジト周囲にいた見張り達は全員絶命した。
中に入ったブラフォード達には一人として報告に向かってはいないはずなので、また動きが察知されないうちに奇襲が成功したことにオミトは胸を撫でおろす。
ちなみにオミトは得物に手をかけてはいるが、まだ抜いてはいない。彼はスタミナがないため、ここぞというときのために温存しているのだ。本当に必要な局面になったときに動けないでは意味がない。
そのために騎士団長のタルカスが推した精鋭の騎士達を連れてきたのだ。
「よし・・・行くぞっ」
突入の準備が整い、戦闘の騎士が慎重にアジトの入口の扉を開ける。
中の様子を確認次第、素早く騎士達はアジトへなだれ込んでいった。最後に続くのはオミトとドロシー、そして背後を警戒する騎士だ。
「な、なんだお前達は!?」
オミト達の奇襲は察知されていなかったようで、アジトの中は突如現れた外敵に混乱し、ろくに抵抗も出来ずに無力化されていく。
このまま完全制圧になるかと思いきや、それでも最後には気を持ち直したブラフォードの騎士達による抵抗があったが、結局場を制したのはオミト率いる突入隊だった。
「はっ・・・やれやれ・・・まさか本当にこんな日が来るなんて思わなかった」
オミト達の突入を許し、ついには剣を突きつけられることになったブラフォードは降参とばかりに手を上げ、溜め息をついて言った。
「ありました!呪術の行っていたと思われる現場が見つかりました!」
制圧した後、護衛騎士とともにアジトを捜索していたドロシーの言葉の聞いて、オミトは胸を撫でおろす。
大した犠牲もなく、オミトはついにブラフォードを取り押さえることが出来たことに、思わず深いため息を漏らす。
やるべき大きなことを成し遂げることが出来た・・・感無量であった。
だが、本当に大変な出来事があるのはこれからだった。
ブラフォード達の姿が見えたのは、夕暮れ時だった。薄暗くはあるが、それでも十分にブラフォードの顔を確認することが出来た。
オミトは自らの得物であるコテツに手をかけながらも、殺気を殺し、ただただそのタイミングを待った。
ブラフォードがアジトの扉を開き、中に入るのを見届けると、オミトは片手をサッと上げ合図をした。
アジトへの突入の合図だ。
シュッ!
オミト率いる精鋭の弓隊が矢を放つ。
アジトを遠巻きに見張っているブラフォードの手の見張り達が一人、また一人と倒れていった。
「行くぞ!」
オミトの言葉に呼応して、騎士達が動き出す。
弓隊の攻撃で撃ち漏らした見張り達を次から次へと斬り伏せ、あっと言う間にアジト周囲にいた見張り達は全員絶命した。
中に入ったブラフォード達には一人として報告に向かってはいないはずなので、また動きが察知されないうちに奇襲が成功したことにオミトは胸を撫でおろす。
ちなみにオミトは得物に手をかけてはいるが、まだ抜いてはいない。彼はスタミナがないため、ここぞというときのために温存しているのだ。本当に必要な局面になったときに動けないでは意味がない。
そのために騎士団長のタルカスが推した精鋭の騎士達を連れてきたのだ。
「よし・・・行くぞっ」
突入の準備が整い、戦闘の騎士が慎重にアジトの入口の扉を開ける。
中の様子を確認次第、素早く騎士達はアジトへなだれ込んでいった。最後に続くのはオミトとドロシー、そして背後を警戒する騎士だ。
「な、なんだお前達は!?」
オミト達の奇襲は察知されていなかったようで、アジトの中は突如現れた外敵に混乱し、ろくに抵抗も出来ずに無力化されていく。
このまま完全制圧になるかと思いきや、それでも最後には気を持ち直したブラフォードの騎士達による抵抗があったが、結局場を制したのはオミト率いる突入隊だった。
「はっ・・・やれやれ・・・まさか本当にこんな日が来るなんて思わなかった」
オミト達の突入を許し、ついには剣を突きつけられることになったブラフォードは降参とばかりに手を上げ、溜め息をついて言った。
「ありました!呪術の行っていたと思われる現場が見つかりました!」
制圧した後、護衛騎士とともにアジトを捜索していたドロシーの言葉の聞いて、オミトは胸を撫でおろす。
大した犠牲もなく、オミトはついにブラフォードを取り押さえることが出来たことに、思わず深いため息を漏らす。
やるべき大きなことを成し遂げることが出来た・・・感無量であった。
だが、本当に大変な出来事があるのはこれからだった。
11
お気に入りに追加
658
あなたにおすすめの小説
スキルを極めろ!
アルテミス
ファンタジー
第12回ファンタジー大賞 奨励賞受賞作
何処にでもいる大学生が異世界に召喚されて、スキルを極める!
神様からはスキルレベルの限界を調査して欲しいと言われ、思わず乗ってしまった。
不老で時間制限のないlv上げ。果たしてどこまでやれるのか。
異世界でジンとして生きていく。
Sランク冒険者の受付嬢
おすし
ファンタジー
王都の中心街にある冒険者ギルド《ラウト・ハーヴ》は、王国最大のギルドで登録冒険者数も依頼数もNo.1と実績のあるギルドだ。
だがそんなギルドには1つの噂があった。それは、『あのギルドにはとてつもなく強い受付嬢』がいる、と。
そんな噂を耳にしてギルドに行けば、受付には1人の綺麗な銀髪をもつ受付嬢がいてー。
「こんにちは、ご用件は何でしょうか?」
その受付嬢は、今日もギルドで静かに仕事をこなしているようです。
これは、最強冒険者でもあるギルドの受付嬢の物語。
※ほのぼので、日常:バトル=2:1くらいにするつもりです。
※前のやつの改訂版です
※一章あたり約10話です。文字数は1話につき1500〜2500くらい。
雑用係の回復術士、【魔力無限】なのに専属ギルドから戦力外通告を受けて追放される〜ケモ耳少女とエルフでダンジョン攻略始めたら『伝説』になった〜
霞杏檎
ファンタジー
祝【コミカライズ決定】!!
「使えん者はいらん……よって、正式にお前には戦力外通告を申し立てる。即刻、このギルドから立ち去って貰おう!! 」
回復術士なのにギルド内で雑用係に成り下がっていたフールは自身が専属で働いていたギルドから、何も活躍がないと言う理由で戦力外通告を受けて、追放されてしまう。
フールは回復術士でありながら自己主張の低さ、そして『単体回復魔法しか使えない』と言う能力上の理由からギルドメンバーからは舐められ、S級ギルドパーティのリーダーであるダレンからも馬鹿にされる存在だった。
しかし、奴らは知らない、フールが【魔力無限】の能力を持っていることを……
途方に暮れている道中で見つけたダンジョン。そこで傷ついた”ケモ耳銀髪美少女”セシリアを助けたことによって彼女はフールの能力を知ることになる。
フールに助けてもらったセシリアはフールの事を気に入り、パーティの前衛として共に冒険することを決めるのであった。
フールとセシリアは共にダンジョン攻略をしながら自由に生きていくことを始めた一方で、フールのダンジョン攻略の噂を聞いたギルドをはじめ、ダレンはフールを引き戻そうとするが、フールの意思が変わることはなかった……
これは雑用係に成り下がった【最強】回復術士フールと"ケモ耳美少女"達が『伝説』のパーティだと語られるまでを描いた冒険の物語である!
(160話で完結予定)
元タイトル
「雑用係の回復術士、【魔力無限】なのに専属ギルドから戦力外通告を受けて追放される〜でも、ケモ耳少女とエルフでダンジョン攻略始めたら『伝説』になった。噂を聞いたギルドが戻ってこいと言ってるがお断りします〜」
ボッチの少女は、精霊の加護をもらいました
星名 七緒
ファンタジー
身寄りのない少女が、異世界に飛ばされてしまいます。異世界でいろいろな人と出会い、料理を通して交流していくお話です。異世界で幸せを探して、がんばって生きていきます。
クラス転移から逃げ出したイジメられっ子、女神に頼まれ渋々異世界転移するが職業[逃亡者]が無能だと処刑される
こたろう文庫
ファンタジー
日頃からいじめにあっていた影宮 灰人は授業中に突如現れた転移陣によってクラスごと転移されそうになるが、咄嗟の機転により転移を一人だけ回避することに成功する。しかし女神の説得?により結局異世界転移するが、転移先の国王から職業[逃亡者]が無能という理由にて処刑されることになる
初執筆作品になりますので日本語などおかしい部分があるかと思いますが、温かい目で読んで頂き、少しでも面白いと思って頂ければ幸いです。
なろう・カクヨム・アルファポリスにて公開しています
こちらの作品も宜しければお願いします
[イラついた俺は強奪スキルで神からスキルを奪うことにしました。神の力で学園最強に・・・]
治療院の聖者様 ~パーティーを追放されたけど、俺は治療院の仕事で忙しいので今さら戻ってこいと言われてももう遅いです~
大山 たろう
ファンタジー
「ロード、君はこのパーティーに相応しくない」
唐突に主人公:ロードはパーティーを追放された。
そして生計を立てるために、ロードは治療院で働くことになった。
「なんで無詠唱でそれだけの回復ができるの!」
「これぐらいできないと怒鳴られましたから......」
一方、ロードが追放されたパーティーは、だんだんと崩壊していくのだった。
これは、一人の少年が幸せを送り、幸せを探す話である。
※小説家になろう様でも連載しております。
2021/02/12日、完結しました。
はずれスキル『本日一粒万倍日』で金も魔法も作物もなんでも一万倍 ~はぐれサラリーマンのスキル頼みな異世界満喫日記~
緋色優希
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて異世界へやってきたサラリーマン麦野一穂(むぎのかずほ)。得たスキルは屑(ランクレス)スキルの『本日一粒万倍日』。あまりの内容に爆笑され、同じように召喚に巻き込まれてきた連中にも馬鹿にされ、一人だけ何一つ持たされず荒城にそのまま置き去りにされた。ある物と言えば、水の樽といくらかの焼き締めパン。どうする事もできずに途方に暮れたが、スキルを唱えたら水樽が一万個に増えてしまった。また城で見つけた、たった一枚の銀貨も、なんと銀貨一万枚になった。どうやら、あれこれと一万倍にしてくれる不思議なスキルらしい。こんな世界で王様の助けもなく、たった一人どうやって生きたらいいのか。だが開き直った彼は『住めば都』とばかりに、スキル頼みでこの異世界での生活を思いっきり楽しむ事に決めたのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる