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痩せたアミルカ

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「もう・・・どうしていきなり前触れもなくやってくるのよ。わかっていればもう少しきちんと準備するのに」


最初に俺達が部屋に突入してから一時間ほど、アミルカは先ほどの質素な部屋儀ではなく、以前普通に町で会っていたときと同じ外行きの服装になってから、ようやく俺達を迎え入れた。そして俺に向かって恨みがましい視線をぶつけてくる。今回は俺が完膚なきまでに悪いので申し訳ない気持ちでいっぱいだった。


「アミルカがだらしなくしているのが悪いんでしょう?ショウが折角貴方に会いたいというから私が案内してあげたのに、恥をかかされた気分だわ」


部屋に入ってきたことを責めてくるアミルカに対し、ローザはふんぞり返ってそんなことを言っている。


「もう一度言うけど、何度もノックはしたのよ。それを読書に夢中になって気が付かなかったアミルカが悪いんじゃない。これがもしショウじゃなくて違うお客様だったらどうしたのよ?」


腕組みしながら説教するように言うローザに対し、アミルカは「うぅ」と唸って俯いた。
実際のところローザはノックなんてしていないのだが、それでもローザの言う「聖女としての心構え」に反することをしているという自覚があるのか、アミルカはなんとも悔しそうに地面に目を向けていた。
俺は「黙っていて」とローザにお願いされていたので、迷いつつも彼女の言う通り口を挟まないでいた。

・・・まぁ、聖女様というのが聖騎士団でも地位のある立ち位置であるようなので、本当ならノックして返事がないとしても部屋の扉を開けてはいけないのだろうが。
それがまかり通るのはアミルカとローザの関係あってこそなんだろう。

しかし、それにしてもアミルカを見ると前より痩せたように見える。
元より細い部類の体形だったのだが、今はより一層痩せ、不健康であるようにすら見える印象だ。
それほど忙しい状況なのだろうか。


俺がアミルカを見ていると、ここでローザが突然パンと手を打って話題を変えた。


「さて、お説教はここまでにして・・・アミルカはたまにはショウと気晴らしに町でも歩いてきなさい」


「「えっ」」


俺とアミルカが同時に声を上げる。


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