国外追放者、聖女の護衛となって祖国に舞い戻る

はにわ

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刺激が欲しい

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シャルルの部屋の前で、しばらく呆然としていた。

考えてみれば、本人からは男だと言われた事は無い。

シャルルは男性に付ける名前だが、女性に付けては駄目だという法は無い、多分。

僕と言う一人称だって、王都では使ってる女性も見たことがある。
俺とか、ワシとか使ってる女性だっていた。

17歳でスリムな身体付きだが、女性だと分かればなぜ男だと思っていたのかと、自分を殴りたくなる。

ちゃんと丸みをおびた優しい身体だったのだ。

ふたつの膨らみはささやかだったが。

いや、膨らみの事は忘れよう。

これ以上突き詰めて考えては不味い事だった。

そう、彼女は女性だった。

可愛いと思っていた弟が、女性、、、妹だった?

妹、、、本当に妹?

俺はうずくまって、頭を抱えるのだった。




もう二度と顔を見せてくれないかと思ったが、夜には部屋から出てきてくれた。

「シャルル!
さっきはごめん。
俺が勝手に男の子だと思い込んでた。
君は一度も性別の話はしなかったのに。」

「別に男でも良い。
その方がお互い都合が良いでしょう。」

「都合が良い?
なんでだ?」

「同性の方が気兼ねしないでしょう。
こんな所に住んでいるんだから、男に思われていた方が安心だし。」

「シャルル、やっぱり俺と一緒に行こう。
女の子ならば、余計に一人では置いておけない。」

「ほうっておいて。
あなたは通りすがりの、ただの他人。
もう、私に係わらないで。」

シャルル、、、。




気まずい雰囲気のまま、そろろ旅に出なければならない時期がやってきた。

祖母殿はまだ帰らない。

このまま本当に、彼女をひとりで置いて行くのだろうか。

俺には彼女を説得する事が出来ない。

とても、無力だった。



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