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燃え尽きたぜ
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ランドールから視点を変え、ショウ視点となります。
ーーーーー
「お疲れさん。今日はもう特にないからこれで上がっていいよ」
ブレリアに渡り、冒険者として登録して世話になるようになってから数か月・・・
繁忙期には週に何度も顔を合わせていただけあって、すっかり俺は冒険者ギルドの受付の誰とも気軽に話せるようになっていた。
今回はまたいつもの通り、死人の種を密輸していた隊商の取り締まりについての報告書をギルドに提出しに来たのだが、俺の今日の仕事は受付が言った通り、これで終わりである。今からフリーとなり、飲みに行こうが散歩に行こうが自由となっている。
ちなみに昨日は取り締まりの仕事があったが、明日からは特に予定は何も入っていない。
突然入ることもあるが、最近はそういうこともほとんどなくなった。
ここのところ、俺達の取り締まりの仕事は本当に落ち着いてきていた。
取り締まりはアルス教の騎士団が主体で行うもので、俺達冒険者はあくまでそのサポートをするということになっていたのだが、最近密輸団の動きは落ち着いてきており、取り締まりが騎士団だけで手が回るようになったのだ。
「・・・紅茶をくれ」
俺はギルドに併設されている酒場のカウンターに腰をかけ、紅茶を注文した。
この国の紅茶は流通段階で茶葉の管理がでたらめであることもあり、はっきり言って市井に出回っているものは概ねまずい。稀に良質な茶葉を引き当てることもあるが、大体な粗悪な茶葉とのブレンドになってしまっているので美味しいはずもない。
だが、ブレリアに来て慣れてしまったせいか、俺はこの不味い紅茶すら飲めるようになってきた。不味いなら不味いでどう不味いか、その日々の違いを楽しむくらいには毒されている。
ブレリアというのはいろいろ大雑把というかおおらかというか、大体が「まぁこんなものでいいでしょ」みたいに適当にしてしまっているところがある。
以前の俺なら顔を顰めただろうが、ここ最近の俺はむしろそれに迎合してきたというか、もうそれで良いとさえ思うようになっていた。
もしかしたら、元々の性格として杓子定規で何もかもがガチガチに決められるよりも、なんでもフワッとなぁなぁで決められたほうが俺に合っているのかもしれない。
「ふ・・・不味い」
カウンターに出された紅茶を飲んで、俺は何故か満足そうにそう呟いていた。
茶葉の品質が悪いのも原因だが、煎れ方も出鱈目だ。しかし、出鱈目故にこの不味さを味わえるのも今回限りだと思うとこの最低のはずの紅茶もいとおしいとさえ感じる。
「ご馳走様・・・」
別れを惜しむように、ゆっくりと最後の一滴まで飲み干すと、俺はカップをカウンターに置いた。
「なんだいショウ・・・こんなところで昼間っから茶なんて飲みやがって。暇なのか?」
カウンター越しに立つバーテンが呆れた顔をして俺に言った。
そう、今の俺は繁忙期の反動が一気に来たのか、燃え尽き症候群のようになっていた。
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「お疲れさん。今日はもう特にないからこれで上がっていいよ」
ブレリアに渡り、冒険者として登録して世話になるようになってから数か月・・・
繁忙期には週に何度も顔を合わせていただけあって、すっかり俺は冒険者ギルドの受付の誰とも気軽に話せるようになっていた。
今回はまたいつもの通り、死人の種を密輸していた隊商の取り締まりについての報告書をギルドに提出しに来たのだが、俺の今日の仕事は受付が言った通り、これで終わりである。今からフリーとなり、飲みに行こうが散歩に行こうが自由となっている。
ちなみに昨日は取り締まりの仕事があったが、明日からは特に予定は何も入っていない。
突然入ることもあるが、最近はそういうこともほとんどなくなった。
ここのところ、俺達の取り締まりの仕事は本当に落ち着いてきていた。
取り締まりはアルス教の騎士団が主体で行うもので、俺達冒険者はあくまでそのサポートをするということになっていたのだが、最近密輸団の動きは落ち着いてきており、取り締まりが騎士団だけで手が回るようになったのだ。
「・・・紅茶をくれ」
俺はギルドに併設されている酒場のカウンターに腰をかけ、紅茶を注文した。
この国の紅茶は流通段階で茶葉の管理がでたらめであることもあり、はっきり言って市井に出回っているものは概ねまずい。稀に良質な茶葉を引き当てることもあるが、大体な粗悪な茶葉とのブレンドになってしまっているので美味しいはずもない。
だが、ブレリアに来て慣れてしまったせいか、俺はこの不味い紅茶すら飲めるようになってきた。不味いなら不味いでどう不味いか、その日々の違いを楽しむくらいには毒されている。
ブレリアというのはいろいろ大雑把というかおおらかというか、大体が「まぁこんなものでいいでしょ」みたいに適当にしてしまっているところがある。
以前の俺なら顔を顰めただろうが、ここ最近の俺はむしろそれに迎合してきたというか、もうそれで良いとさえ思うようになっていた。
もしかしたら、元々の性格として杓子定規で何もかもがガチガチに決められるよりも、なんでもフワッとなぁなぁで決められたほうが俺に合っているのかもしれない。
「ふ・・・不味い」
カウンターに出された紅茶を飲んで、俺は何故か満足そうにそう呟いていた。
茶葉の品質が悪いのも原因だが、煎れ方も出鱈目だ。しかし、出鱈目故にこの不味さを味わえるのも今回限りだと思うとこの最低のはずの紅茶もいとおしいとさえ感じる。
「ご馳走様・・・」
別れを惜しむように、ゆっくりと最後の一滴まで飲み干すと、俺はカップをカウンターに置いた。
「なんだいショウ・・・こんなところで昼間っから茶なんて飲みやがって。暇なのか?」
カウンター越しに立つバーテンが呆れた顔をして俺に言った。
そう、今の俺は繁忙期の反動が一気に来たのか、燃え尽き症候群のようになっていた。
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