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「は・・・な・・・!?」
自分の体に走る激痛に、サーラは顔を歪める。
これまで自身が味わったことのない限度を超えた苦痛に、普段は冷静沈着なサーラの頭は混乱をきたしていた。
「この・・・」
まずはこの激痛の元から離れようと、サーラは力を入れて新人隊員を突き離そうとする。しかし、サーラのそれを超えるほどの力で新人隊員はサーラにしがみ付き、突き立てた刃物を離そうとしない。
「貴方っ!一体何のつもりよ!?」
体から剥がそうと力を込めるサーラを、新人隊員は更にもう一度別に持っていたナイフで突き刺した。
「ぎゃっ・・・!」
致命傷となる箇所ではないが、再び襲ってきた激痛に口から悲鳴が漏れる。
「貴様!」
ここでようやく事態を把握した部下がサーラに組み付いている新人隊員に向けて、腰に下げていたサーベルで斬りかかる。
それを瞬時に察した新人隊員は、サーラと距離を取り、ようやくサーラの体が自由になった。
「貴方、こんなことをしてただで済むと思っているの!?」
我に返ったサーラが恫喝すると、新人隊員は鬼のような形相になりながら、ヒステリックに叫んだ。
「煩い!お前を殺して、私はソーア隊長に許しを乞うんだ!もうそれしかないんだ!!」
先ほどまでサーラを刺していたナイフを突きつけ、涙を流しながら新人隊員は言い放つ。
サーラによる精神的な圧迫、そこにきて突如起きた大反撃のハプニング・・・
プライドも仁義も捨ててまで金を手にしたというのに、唐突に訪れた命の危機に瀕してしまった新人隊員の頭は、既に自分ではどうにもならぬほどのパニックに陥っていた。
「・・・はっ」
今更許しを乞うたところで、犠牲者の出てしまった今となっては無駄だろう。まずソーアが許すはずもない。
そんなこともわからぬほど幼稚で自分勝手な考え方しか出来ぬ愚か者を、サーラは冷めた目で見て、嘲笑った。
「そんな風に後悔するくらいなら、最初からやらなければ良かったのよ。今更後悔して私の首を取ろうなんて、本当しょうもない愚図だこと」
「うるさい!!」
頭に血が上っている新人隊員は、持っている刃物を再びサーラに突き立てようと近寄る。そのときだった。
「危ない!」
サーラの部下が叫んだ。
その瞬間、サーラの視界が光に包まれる。
ドォォォォン
凄まじい震動と轟音。
どうやら爆炎系の攻撃魔法が船を直撃したのだと察する。魔法障壁を張ってあるので沈んでこそいないが、目隠しの役目をしていた周囲の武装船は悉く炎上し、海の藻屑となろうとしていた。
「あっ・・・」
魔法障壁のかかっていない脱出用の小型船が炎上しているのがサーラの目に入った。
「この・・・!」
本来とっくに脱出出来ていたところを、新人隊員の反逆により邪魔されてしまった形となった。
魔法直撃の衝撃で甲板に倒れ込んでいる彼女をサーラが睨みつけているとき、船首の方から声が聞こえた。
「見つけた」
声の主はキアラ・ルーベルトであった。
自分の体に走る激痛に、サーラは顔を歪める。
これまで自身が味わったことのない限度を超えた苦痛に、普段は冷静沈着なサーラの頭は混乱をきたしていた。
「この・・・」
まずはこの激痛の元から離れようと、サーラは力を入れて新人隊員を突き離そうとする。しかし、サーラのそれを超えるほどの力で新人隊員はサーラにしがみ付き、突き立てた刃物を離そうとしない。
「貴方っ!一体何のつもりよ!?」
体から剥がそうと力を込めるサーラを、新人隊員は更にもう一度別に持っていたナイフで突き刺した。
「ぎゃっ・・・!」
致命傷となる箇所ではないが、再び襲ってきた激痛に口から悲鳴が漏れる。
「貴様!」
ここでようやく事態を把握した部下がサーラに組み付いている新人隊員に向けて、腰に下げていたサーベルで斬りかかる。
それを瞬時に察した新人隊員は、サーラと距離を取り、ようやくサーラの体が自由になった。
「貴方、こんなことをしてただで済むと思っているの!?」
我に返ったサーラが恫喝すると、新人隊員は鬼のような形相になりながら、ヒステリックに叫んだ。
「煩い!お前を殺して、私はソーア隊長に許しを乞うんだ!もうそれしかないんだ!!」
先ほどまでサーラを刺していたナイフを突きつけ、涙を流しながら新人隊員は言い放つ。
サーラによる精神的な圧迫、そこにきて突如起きた大反撃のハプニング・・・
プライドも仁義も捨ててまで金を手にしたというのに、唐突に訪れた命の危機に瀕してしまった新人隊員の頭は、既に自分ではどうにもならぬほどのパニックに陥っていた。
「・・・はっ」
今更許しを乞うたところで、犠牲者の出てしまった今となっては無駄だろう。まずソーアが許すはずもない。
そんなこともわからぬほど幼稚で自分勝手な考え方しか出来ぬ愚か者を、サーラは冷めた目で見て、嘲笑った。
「そんな風に後悔するくらいなら、最初からやらなければ良かったのよ。今更後悔して私の首を取ろうなんて、本当しょうもない愚図だこと」
「うるさい!!」
頭に血が上っている新人隊員は、持っている刃物を再びサーラに突き立てようと近寄る。そのときだった。
「危ない!」
サーラの部下が叫んだ。
その瞬間、サーラの視界が光に包まれる。
ドォォォォン
凄まじい震動と轟音。
どうやら爆炎系の攻撃魔法が船を直撃したのだと察する。魔法障壁を張ってあるので沈んでこそいないが、目隠しの役目をしていた周囲の武装船は悉く炎上し、海の藻屑となろうとしていた。
「あっ・・・」
魔法障壁のかかっていない脱出用の小型船が炎上しているのがサーラの目に入った。
「この・・・!」
本来とっくに脱出出来ていたところを、新人隊員の反逆により邪魔されてしまった形となった。
魔法直撃の衝撃で甲板に倒れ込んでいる彼女をサーラが睨みつけているとき、船首の方から声が聞こえた。
「見つけた」
声の主はキアラ・ルーベルトであった。
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