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研究の成果
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実験の失敗以来、ダグラスはブレアの身を案じ、子作りに対しては慎重だった。だが、ブレアたっての強い願いで押され、結果として無事キアラが産まれることとなった。
思えばこのときブレアは何かを察していたのだろうかとダグラスは振り返ることがある。
それはさておき、ダグラスはキアラの誕生を大いに喜んだ。体を弱らせたブレアが無事だった出産を終えた奇跡に打ち震えた。
キアラが生まれるとルーベルト公はこれに大変喜び、溺愛する。
彼とダグラスとの関係は冷え切ったものではあったが、孫のキアラには惜しみなく愛情を注いだ。
ダグラスは実験の失敗によりブレアの体を痛めさせたことによって失望させた負い目を感じ、その状況を受け入れ、自身と父との関係を理由にキアラとの接触を制限するようなことはしなかった。
それが何年も続き、キアラが成長するにつれ、ダグラスと父との関係は再度軟化の兆しを見せた。
ダグラスは変わらず魔法研究所に勤めてはいたが、実験の失敗以以来人体強化の研究からは離れた。製薬の研究に集中し、特に目立った成果を出すことなく昼行灯としてすっかり以前のような華々しさもない立場になっていたが、『妙な野心に駆られて家族を危険に晒すような男』でなくなったダグラスをルーベルト公は再評価したのかもしれない。
ある日、キアラについて衝撃の事実が発覚した。
なんと魔力適正が母ブレアのそれを大きく突き放すどころか、人類史上初と言えるレベルに高いことがわかったのである。
また、魔力適正だけでなく頭も良かった。齢7にして高度な魔術所の内容を理解し、そして魔法を実践してみせたのである。それは理論は理解しつつも、適正がないことによりダグラスが発動できなかった魔法であった。
「これは・・・もしや実験の成果では」
万が一の可能性を考え、ダグラスはブレアの他に強化実験の被験者となった者について調査を開始した。
すると、ブレア以外にも一人だけ実験後に子を身ごもった者がいたことが発覚。そして、その子も到底キアラには及ばないものの、尋常ではない魔力適正を持っていることがわかったのである。
ダグラスの実験は完全なる失敗ではなかったのではないか。
実験した当人にこそ効果はほとんど出ないが、女性ならその子に実験の成果・・・魔力強化の効果が出るようになるのではないかという仮説が打ち立てられた。そしてそれは母体が魔力の適正の高い者であればあるほど、より魔力適正の高い子が生まれるのではないかと。
だが、ダグラスはブレアの体を痛める結果となった危険極まりなく非人道的なこの実験を再開するつもりはなかった。
すくなくともこのときは、そうであった。
思えばこのときブレアは何かを察していたのだろうかとダグラスは振り返ることがある。
それはさておき、ダグラスはキアラの誕生を大いに喜んだ。体を弱らせたブレアが無事だった出産を終えた奇跡に打ち震えた。
キアラが生まれるとルーベルト公はこれに大変喜び、溺愛する。
彼とダグラスとの関係は冷え切ったものではあったが、孫のキアラには惜しみなく愛情を注いだ。
ダグラスは実験の失敗によりブレアの体を痛めさせたことによって失望させた負い目を感じ、その状況を受け入れ、自身と父との関係を理由にキアラとの接触を制限するようなことはしなかった。
それが何年も続き、キアラが成長するにつれ、ダグラスと父との関係は再度軟化の兆しを見せた。
ダグラスは変わらず魔法研究所に勤めてはいたが、実験の失敗以以来人体強化の研究からは離れた。製薬の研究に集中し、特に目立った成果を出すことなく昼行灯としてすっかり以前のような華々しさもない立場になっていたが、『妙な野心に駆られて家族を危険に晒すような男』でなくなったダグラスをルーベルト公は再評価したのかもしれない。
ある日、キアラについて衝撃の事実が発覚した。
なんと魔力適正が母ブレアのそれを大きく突き放すどころか、人類史上初と言えるレベルに高いことがわかったのである。
また、魔力適正だけでなく頭も良かった。齢7にして高度な魔術所の内容を理解し、そして魔法を実践してみせたのである。それは理論は理解しつつも、適正がないことによりダグラスが発動できなかった魔法であった。
「これは・・・もしや実験の成果では」
万が一の可能性を考え、ダグラスはブレアの他に強化実験の被験者となった者について調査を開始した。
すると、ブレア以外にも一人だけ実験後に子を身ごもった者がいたことが発覚。そして、その子も到底キアラには及ばないものの、尋常ではない魔力適正を持っていることがわかったのである。
ダグラスの実験は完全なる失敗ではなかったのではないか。
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だが、ダグラスはブレアの体を痛める結果となった危険極まりなく非人道的なこの実験を再開するつもりはなかった。
すくなくともこのときは、そうであった。
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