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ロクフェルとお食事
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「・・・まさかのまさかだな」
思いも寄らぬタイミングで、俺はロクフェルから食事の誘いを受けることになったわけだが、彼が指定した場はギルド併設の酒場・・・にある個室であった。普段俺らが使っている広間から少し離れたところにあり、分厚い扉で隔てられながら入口はガードマンが立つ。防音などプライバシーやセキュリティに配慮されたいかにも「特別客」が使う部屋といった感じだ。
調度品も良いものが使われており、俺がルーデルにいた時より高価なものが使われているのが一目でわかった。
・・・こんなん思ってばっかりだな。ルーデル家ももう少し良いものを使うようにすればよかったか?
「ギルドがこんな商売もしていたなんてな」
給仕の所作を見ればかつてランドールでもたまに使っていたレストランを思い出す。
まごうことなき一流店であることはすぐにわかった。
「ギルド故に大切な話をすることもあるからね、この部屋は遮音を含めあらゆる魔術障壁が組まれているから、どんな高位な魔術とて盗聴も透視も簡単には出来ない。VIP達の会合に使われたりもする部屋さ。当然、シェフも専属の者がついている」
つまりはギルド併設のいつもの酒場にありながらにして別の店というわけだ。
そしてロクフェルがこんなところに誘う以上、それなりに重要な話をするつもりであるということを察する。
「料理はお任せでいいかい?」とのロクフェルからの質問に頷くと、それから料理が運ばれてくるまで彼は終始無言だった。食事が来てから話しを始めるつもりらしい。
「まず最初に結論を言おう。死人の種の密輸が終わらない最大の原因は、アルス教団にある」
料理が運ばれてくると、ロクフェルは開口一番こう切り出した。
思わず俺は前菜につけていた手を止める。
「正確にはアルス教団内にいる一派にある、だがな」
そう言ってロクフェルは前菜をもりもり食って一気に空にしてしまう。豪快な食べっぷりだった。
あまりの話の内容に、俺はロクフェルがわざわざこの場を話をする理由がわかった。こんな話、聖騎士団の一夜城でも出来るかどうか怪しい。誰かに聞かれれば、それだけで一瞬で自らの立場を危うくする危険な内容だった。
「だから、君たち冒険者は死人の種騒動に聖騎士団を巻き込んでしまったーーー そんな風に考えないでもらいたい。逆に、教団のいざこざに君たちを巻き込んでしまったというのが正しいのだから。・・・まぁ、こんなこと君だけの中に留めておいて欲しい話なんだがね」
これだけでも驚愕の内容だが、次の言葉が更に俺を驚愕させた。
「もっともこのまま続けば、冒険者どころか、国・・・いや世界を巻き込む話になるが」
思いも寄らぬタイミングで、俺はロクフェルから食事の誘いを受けることになったわけだが、彼が指定した場はギルド併設の酒場・・・にある個室であった。普段俺らが使っている広間から少し離れたところにあり、分厚い扉で隔てられながら入口はガードマンが立つ。防音などプライバシーやセキュリティに配慮されたいかにも「特別客」が使う部屋といった感じだ。
調度品も良いものが使われており、俺がルーデルにいた時より高価なものが使われているのが一目でわかった。
・・・こんなん思ってばっかりだな。ルーデル家ももう少し良いものを使うようにすればよかったか?
「ギルドがこんな商売もしていたなんてな」
給仕の所作を見ればかつてランドールでもたまに使っていたレストランを思い出す。
まごうことなき一流店であることはすぐにわかった。
「ギルド故に大切な話をすることもあるからね、この部屋は遮音を含めあらゆる魔術障壁が組まれているから、どんな高位な魔術とて盗聴も透視も簡単には出来ない。VIP達の会合に使われたりもする部屋さ。当然、シェフも専属の者がついている」
つまりはギルド併設のいつもの酒場にありながらにして別の店というわけだ。
そしてロクフェルがこんなところに誘う以上、それなりに重要な話をするつもりであるということを察する。
「料理はお任せでいいかい?」とのロクフェルからの質問に頷くと、それから料理が運ばれてくるまで彼は終始無言だった。食事が来てから話しを始めるつもりらしい。
「まず最初に結論を言おう。死人の種の密輸が終わらない最大の原因は、アルス教団にある」
料理が運ばれてくると、ロクフェルは開口一番こう切り出した。
思わず俺は前菜につけていた手を止める。
「正確にはアルス教団内にいる一派にある、だがな」
そう言ってロクフェルは前菜をもりもり食って一気に空にしてしまう。豪快な食べっぷりだった。
あまりの話の内容に、俺はロクフェルがわざわざこの場を話をする理由がわかった。こんな話、聖騎士団の一夜城でも出来るかどうか怪しい。誰かに聞かれれば、それだけで一瞬で自らの立場を危うくする危険な内容だった。
「だから、君たち冒険者は死人の種騒動に聖騎士団を巻き込んでしまったーーー そんな風に考えないでもらいたい。逆に、教団のいざこざに君たちを巻き込んでしまったというのが正しいのだから。・・・まぁ、こんなこと君だけの中に留めておいて欲しい話なんだがね」
これだけでも驚愕の内容だが、次の言葉が更に俺を驚愕させた。
「もっともこのまま続けば、冒険者どころか、国・・・いや世界を巻き込む話になるが」
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