国外追放者、聖女の護衛となって祖国に舞い戻る

はにわ

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嫌な頼まれごと

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「じゃあアニキ、俺達は先に出てますんで・・・」


ザイル達はチラチラ俺を見ながら会議室を出て行った。
話長くなるのかな。久しぶりにザイル達と飯でもと思っていたのだが。




「悪いな残ってもらって」


会議室には俺とギルドマスター、そしてロクフェルが残った。
一体何の用だろうか。まるで見当が付かない。


「まぁ座ってくれ」


ギルドマスターは俺に座るように促し、事務員を呼んで茶を持ってくるように頼んでいた。あ、これ長くなるやつだ。


「まぁそんな嫌そうな顔をするなよ」


露骨に俺は顔に出してしまっていたらしい。
ギルドマスターとかにこうして話を持ち掛けられて、面倒事がなかった試しがないから仕方がない。今だって本当はすぐにだって帰りたい気持ちでいっぱいだ。


「ショウ、お前にちょっと頼み事があるってだけの話なんだ」


ほら来た!
こんなこと言われて嫌な顔をしないやつはいないだろう。


「今度から聖騎士団と冒険者との共同戦線で死人の種の摘発を行うと言ったよな?これからは今まで以上に規模の大きいクエストになるわけだ」


俺は今度こそ意識して思いっきり渋面を作り出してやったが、ギルドマスターは無視して話を続けている。ロクフェルは何が楽しいやらうっすら笑ってただこちらを見ていた。


「そこで、冒険者サイドにもリーダーを決めておいて、有事の際はリーダーが指揮を執って冒険者を取りまとめる必要も出てくるだろう。有事の時なんて無いほうが良いに決まっているが」


そこまで言ってチラッとギルドアスターは俺を見た。
おい待て、なんとなく言うことがわかってしまったぞ。


「ショウ、お前にそのリーダーをやってもらいたいんだ。他に頼めるやつがいねぇ」


想像通りの嫌なお願い事をされ、俺は頭を抱えそうになった。
冒険者というのは我の強い人間が多い。その中でもうまくとりまとまったのがパーティーだが、そのパーティーが複数に集まっているのを更にまとめるとなるとかなりの大仕事になる。というか頑張ったところでまとまってくれるのかも怪しい。はっきり言ってやりたくない仕事だった。

しかし疑問がわいてくる。


「どうして俺なんだ?」


俺よりも冒険者として経験を積み、現段階でパーティーのリーダーを務めている人間は今日来たやつの中で他にもいた。どう考えても俺が最適任だとは思えない。


「荒くれ者を手元に慣らすことが出来るとしたら、君しかいないと思ってね」


そこで初めてロクフェルが口を開いた。


「実績はあるだろう?ルーデルの騎士団は、今日顔合わせをした冒険者たちよりずっとじゃじゃ馬だったと記憶している。あれをまとめてみせていたショウ・ルーデル、君にしか頼めない」
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