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夢の終わり

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「・・・はぁ」


ここ最近の癖でつい早く目が覚めたものの、起き上がることもせずに俺はただ溜め息をついて天井を眺めていた。
どれだけそうして待っていたって昨日までやってきていた客人は来ない。二度寝してやろうかと思うが目が冴えてしまってそんな気にもならない。


お久しぶりです。ちょっと?浮気かましてしまったショウです。

二週間に及ぶアミルカとの時間が終わり、今日は社会復帰一日目である。これからまた日々働かなければならない。


「ふぅ」


らしくない。
どうにも気が抜けてしまい、何かの拍子に口から勝手に溜め息が漏れ出る。長い長い休みを終えた気だるさとはまた違う、なんとも言えない喪失感が俺にはあった。
未練だな、これは。今となってはどうしようもないことなのに。これはしばらく引きずる・・・

そんなこんなを考えながらぼけっとしていると、突然部屋のドアがノックされた。
まさか・・・?とそこにいるはずもない少女の名前が頭を過ぎりそうになったが、ドアの向こうから聞こえてきたのは俺を現実に引き戻す野太い声だった。


「アニキ、おはようございます」


久々に聞くザイルがそこにいた。





ーーーーー




「アニキ、今日はギルドが顔を出してほしいと言ってます。例の極秘依頼の件だとか」


ここ二週間のことについてはもしかしたらローザにでも話を聞いているのだろうか、久々に顔を合わせたはずのザイル達は誰も特に何も俺に聞いてこようとはしなかった。まるでその二週間が存在しなかったかのように、それ以前の自然な態度で彼らは俺に接してきた。
それについては正直あまり話たくなかったので少し有難い。


「そういえば・・・アルス教から聖騎士様が来るとかいうのも、そろそろだったか?」


ザイル達がそうしてくれるなら、あえて俺から話を振ることもない。俺も同じように接することにした。


「まさに今日呼ばれるのはそのことみたいですよ。丁度昨日到着して、今日極秘依頼請負中の冒険者と初めての顔合わせになるみたいです」


なんとタイミングの良いことか。
まさかローザが操作したんじゃあるまいな?と思うほどだ。
何にせよ、アミルカとのことが終わってすぐさまお仕事というのはそれはそれで気がまぎれるから有難い。


「顔合わせねぇ・・・聖騎士様ってのはどんなんなのかね」


アルス教の教会にはキアラに連れ添ったのも含め何度も行ったことはあるが、聖騎士というのは見たことがない。噂によるとかなりの手練れじゃないと下級騎士にすらなれないのだとか。まぁ世界に名だたるアルス教の看板を護る聖騎士が弱いのでは沽券に関わるからだろうが。


こうして俺達はギルドに出向き、聖騎士達との対面を果たすことになるのだが、そこでひと悶着が起きるとはこの時の俺は思ってもみなかった。
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