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ランドールの闇
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あぁ、この話・・・早く終わらせないといけないのに、異様に気になってそれが出来ない。
オミトはそんなもどかしさを感じながらも、ライラの話に夢中になっていた。死人の種についてはオミトは生物兵器程度の認識しかなかったため、ライラの話には興味津々になってしまったのである。
それに、これからのことを考えるに知識はあるにこしたことはない。そうやってオミトは無理矢理に自分を納得させていた。
「死人の種を使っての研究によって霊薬を作ることに成功していて、それによって富を築いた初代王がランドールを建国した。死人の種から魔力の抽出をすることに成功し、その魔力を人間に移し魔法使いを大勢誕生させたことによって強大な魔力国家として誕生した・・・まぁ、いろいろと説はあります」
「・・・なんだ、戯言レベルか」
「実は何故かランドール建国時代の歴史って資料が残ってないんですよ。だからいろいろと憶測が飛び交っているんです。でも、ランドールが国力の割に何故か異様に魔法分野に強いのも確かなんです」
「だからと言って・・・」
確かにランドールは他国に比べて魔法使いのレベルもその数も抜きん出ていた。
キアラ・ルーベルトが世界最高の魔法使いとして名を轟かせているが、ランドールには彼女以外にも世界レベルで優秀な魔法使いは多く存在する。そしてそういう強力な魔法使いを輩出する家も多い。
ライラの言う通りランドールは国力そのものは大したことはないのだが、魔法分野なら他の国を圧倒しているのは間違いなかった。
「しかしランドールの歴史は確かに建国当時の物は残っていないと聞く・・・そこは不自然だな。どの国にもありそうなものなのに。いろいろな憶測が出るのも仕方がないのか」
オミトはルーデル家に仕えだしたときからランドールの歴史くらいは頭に入れて置こうと調べたことがあった。
だが誰に聞いてもわからない上に、一冊の本すらそれを記しているものは存在しないことに当時は疑問を抱いた。
「こうは考えられませんか?ランドールの建国や発展には、死人の種によるものが大きかった。しかし、アルス教団の断罪を受けた、もしくは受けそうになり、その歴史ごと死人の種の存在と研究成果を隠蔽した。なのでランドールには建国当時の資料が存在しない、あるいは王家が秘匿している」
「いや・・・まさか」
馬鹿な、そう言おうとしてオミトの口は動かなかった。
「けど死人の種が関わっているからこそ、今だランドールは魔法分野に置いて圧倒的優位に立っている。あるいは研究は今でも極秘裏に続けているのかもしれない。だって死人の種の生産地と言える場所がランドールにあるんですよ?もし死人の種に本当に価値があったとしたら、それを放置しておくなんて考えられますか?」
勢いに乗るライラに対し、オミトは何も言えなかった。
国家事業として死人の種の研究が極秘裏に行われているというのなら、ルーデルでのことも、荷馬車のことも、全てに説明がつくからである。
この国は今自分が思っている以上に危ういのではないかとオミトは考える。
もしショウが戻って来られる日が来るとして、そのときこの国はまだ存在出来ているのだろうか?
もしかしたら、戻ってこないほうが幸せな状態になってしまっているのでは。
どこにいるかもわからぬ遠くでよろしくやっているだろうショウに対し、オミトは思いをはせた。
オミトはそんなもどかしさを感じながらも、ライラの話に夢中になっていた。死人の種についてはオミトは生物兵器程度の認識しかなかったため、ライラの話には興味津々になってしまったのである。
それに、これからのことを考えるに知識はあるにこしたことはない。そうやってオミトは無理矢理に自分を納得させていた。
「死人の種を使っての研究によって霊薬を作ることに成功していて、それによって富を築いた初代王がランドールを建国した。死人の種から魔力の抽出をすることに成功し、その魔力を人間に移し魔法使いを大勢誕生させたことによって強大な魔力国家として誕生した・・・まぁ、いろいろと説はあります」
「・・・なんだ、戯言レベルか」
「実は何故かランドール建国時代の歴史って資料が残ってないんですよ。だからいろいろと憶測が飛び交っているんです。でも、ランドールが国力の割に何故か異様に魔法分野に強いのも確かなんです」
「だからと言って・・・」
確かにランドールは他国に比べて魔法使いのレベルもその数も抜きん出ていた。
キアラ・ルーベルトが世界最高の魔法使いとして名を轟かせているが、ランドールには彼女以外にも世界レベルで優秀な魔法使いは多く存在する。そしてそういう強力な魔法使いを輩出する家も多い。
ライラの言う通りランドールは国力そのものは大したことはないのだが、魔法分野なら他の国を圧倒しているのは間違いなかった。
「しかしランドールの歴史は確かに建国当時の物は残っていないと聞く・・・そこは不自然だな。どの国にもありそうなものなのに。いろいろな憶測が出るのも仕方がないのか」
オミトはルーデル家に仕えだしたときからランドールの歴史くらいは頭に入れて置こうと調べたことがあった。
だが誰に聞いてもわからない上に、一冊の本すらそれを記しているものは存在しないことに当時は疑問を抱いた。
「こうは考えられませんか?ランドールの建国や発展には、死人の種によるものが大きかった。しかし、アルス教団の断罪を受けた、もしくは受けそうになり、その歴史ごと死人の種の存在と研究成果を隠蔽した。なのでランドールには建国当時の資料が存在しない、あるいは王家が秘匿している」
「いや・・・まさか」
馬鹿な、そう言おうとしてオミトの口は動かなかった。
「けど死人の種が関わっているからこそ、今だランドールは魔法分野に置いて圧倒的優位に立っている。あるいは研究は今でも極秘裏に続けているのかもしれない。だって死人の種の生産地と言える場所がランドールにあるんですよ?もし死人の種に本当に価値があったとしたら、それを放置しておくなんて考えられますか?」
勢いに乗るライラに対し、オミトは何も言えなかった。
国家事業として死人の種の研究が極秘裏に行われているというのなら、ルーデルでのことも、荷馬車のことも、全てに説明がつくからである。
この国は今自分が思っている以上に危ういのではないかとオミトは考える。
もしショウが戻って来られる日が来るとして、そのときこの国はまだ存在出来ているのだろうか?
もしかしたら、戻ってこないほうが幸せな状態になってしまっているのでは。
どこにいるかもわからぬ遠くでよろしくやっているだろうショウに対し、オミトは思いをはせた。
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