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エーペレスとの再会
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「ほぅ・・・」
海の見える見晴らしの良い高台に上がり、そこからの光景を目に映したオミトは思わずため息をついていた。
ルーデルの地には無い海、そして都市といえるほどに建物が密集し、賑わいを見せる港町。オミトが感じたことのない圧倒的な感動が彼の胸を打っていた。
話には聞いていたが、まさかこれほどとは・・・ルーデル領とは違いが大きすぎてオミトは腰を抜かしそうになった。
「オミトさんはここで知人の方に会うんでしたっけ?残念だけどオミトさんとはここで一旦お別れになっちゃうんですね・・・」
ライラが残念そうに目を伏せて言った。
「あぁそうだ。(道に迷わないかだけが心配だが)」
エーペレスからは彼女が居住地としているソーアの部隊の詰め所の住所が書かれた手紙が来ていたのでそれを持ってはいるが、それでも迷わずにたどり着く自信がオミトにはいまいち無かった。
「あ、そうだ。私、オミトさんに命を助けられてますから、ここで少しでもいいから恩を返させてほしいんです。ご飯をご馳走させてください」
「そうか、すまないな」
ライラの申し出をオミトは快く受け入れた。
これまで行動を共にし、押しの強いライラがこう言い出したら聞かないことをオミトは理解していたからだ。ここに来るまでも同じことを言われ、何度か食事を馳走になっていた。断り切れないのならば最初からもう受け入れよう、オミトはそう考えるようになったのである。
ライラが選んだ店は、テラスから海が見渡せる絶景のカフェだった。人気店のようだが、どうやらたまたま空いていたらしく二人はすんなり座ることが出来た。
「このガイドブックによるとこのお店はカフェだけど、料理も美味しいみたいなんですよね」
「ほぉ」
ライラの言葉に自然とオミトの表情が緩む。あまり表に出しているつもりはないが、オミトにとって未開の地での食事は彼にとって数少ない娯楽の一つとなりつつあった。そしてライラは短い付き合いながらもオミトのそんな性格に気付いていた。だから彼を食事に誘ったのである。
ルーデル領は海がなく、また陸路も道が整備し切れていないため、入ってくる食材に限りがあるのである。故に、これまであまり多種の食材に出会ったことがなかった。ルーデル領と出てマルセイユ領に来るまでのこれまでの旅でも、オミトは見たことのない食材に何度か出合い感動していた。
「お待たせいたしました」
注文した品をウエイトレスが持ってくると、オミトは目を輝かせた。ロブスターを使った料理。オミトがこれまで満足に見たことがない、海産物料理である。
「いただきます」
オミトは早速料理に手を付ける。口に運んだ端から「うまい」「うまい」とそれだけ口にするようになった。
ライラはそんなオミトを楽しそうに見ている。
「ふふ、オミトさん口元にソースがついていますよ」
「・・・なんと」
あくまで家令でしかないが、それでも当主の恥になってはならぬとテーブルマナーを最低限は心得ていたつもりだったオミトだったが、慣れないながらも美味な料理に舌鼓をうっていてつい油断してしまっていた。
オミトは恥ずかしそうに口元を自分で拭おうとするが、その前にライラが身を乗り出してオミトの口元を拭ってあげた。
「あ、あぁ・・・すまないね・・・」
気恥ずかしくてたじたじになるオミト。
だがそんなオミトは次の瞬間に体が硬直するのであった。
「へぇ、オミト・・・しばらく見ないうちにすっかりイイ人を見つけていたみたいね。知らなかったわ」
オミトが声をした方へ体を向けると、そこにははるばる会いにきた相手・・・エーペレスがいたのであった。
海の見える見晴らしの良い高台に上がり、そこからの光景を目に映したオミトは思わずため息をついていた。
ルーデルの地には無い海、そして都市といえるほどに建物が密集し、賑わいを見せる港町。オミトが感じたことのない圧倒的な感動が彼の胸を打っていた。
話には聞いていたが、まさかこれほどとは・・・ルーデル領とは違いが大きすぎてオミトは腰を抜かしそうになった。
「オミトさんはここで知人の方に会うんでしたっけ?残念だけどオミトさんとはここで一旦お別れになっちゃうんですね・・・」
ライラが残念そうに目を伏せて言った。
「あぁそうだ。(道に迷わないかだけが心配だが)」
エーペレスからは彼女が居住地としているソーアの部隊の詰め所の住所が書かれた手紙が来ていたのでそれを持ってはいるが、それでも迷わずにたどり着く自信がオミトにはいまいち無かった。
「あ、そうだ。私、オミトさんに命を助けられてますから、ここで少しでもいいから恩を返させてほしいんです。ご飯をご馳走させてください」
「そうか、すまないな」
ライラの申し出をオミトは快く受け入れた。
これまで行動を共にし、押しの強いライラがこう言い出したら聞かないことをオミトは理解していたからだ。ここに来るまでも同じことを言われ、何度か食事を馳走になっていた。断り切れないのならば最初からもう受け入れよう、オミトはそう考えるようになったのである。
ライラが選んだ店は、テラスから海が見渡せる絶景のカフェだった。人気店のようだが、どうやらたまたま空いていたらしく二人はすんなり座ることが出来た。
「このガイドブックによるとこのお店はカフェだけど、料理も美味しいみたいなんですよね」
「ほぉ」
ライラの言葉に自然とオミトの表情が緩む。あまり表に出しているつもりはないが、オミトにとって未開の地での食事は彼にとって数少ない娯楽の一つとなりつつあった。そしてライラは短い付き合いながらもオミトのそんな性格に気付いていた。だから彼を食事に誘ったのである。
ルーデル領は海がなく、また陸路も道が整備し切れていないため、入ってくる食材に限りがあるのである。故に、これまであまり多種の食材に出会ったことがなかった。ルーデル領と出てマルセイユ領に来るまでのこれまでの旅でも、オミトは見たことのない食材に何度か出合い感動していた。
「お待たせいたしました」
注文した品をウエイトレスが持ってくると、オミトは目を輝かせた。ロブスターを使った料理。オミトがこれまで満足に見たことがない、海産物料理である。
「いただきます」
オミトは早速料理に手を付ける。口に運んだ端から「うまい」「うまい」とそれだけ口にするようになった。
ライラはそんなオミトを楽しそうに見ている。
「ふふ、オミトさん口元にソースがついていますよ」
「・・・なんと」
あくまで家令でしかないが、それでも当主の恥になってはならぬとテーブルマナーを最低限は心得ていたつもりだったオミトだったが、慣れないながらも美味な料理に舌鼓をうっていてつい油断してしまっていた。
オミトは恥ずかしそうに口元を自分で拭おうとするが、その前にライラが身を乗り出してオミトの口元を拭ってあげた。
「あ、あぁ・・・すまないね・・・」
気恥ずかしくてたじたじになるオミト。
だがそんなオミトは次の瞬間に体が硬直するのであった。
「へぇ、オミト・・・しばらく見ないうちにすっかりイイ人を見つけていたみたいね。知らなかったわ」
オミトが声をした方へ体を向けると、そこにははるばる会いにきた相手・・・エーペレスがいたのであった。
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