国外追放者、聖女の護衛となって祖国に舞い戻る

はにわ

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それを贈る意味

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「欲しそうにしていたから、まぁプレゼントだ」


これを男から女に送ると二人は永遠に結ばれるーーー
余計なデタラメを付け足したがために一度は買ってやる気を削がれたものだが、それでもアミルカはこのペンダントが気に入っているように見えた。だから最後に何か一つくらい贈り物くらいしてもいいかと考えたとき、俺にはこれしか思いつかなかった。
正直無神経な贈り物であることは承知していた。デタラメな言い伝えとは別に、ペンダントを贈ることには特別な意味がある。これをプレゼントとして贈っておきながら、深い意味はありませんでしたは通らない。

そう・・・俺はアミルカに愛情もしくはそれに近い感情を抱いている。
付き合いは短いが、散々ローザ達に煽られてそのことに気が付いた。ランドールの戻ればぶっ殺されるのを覚悟でソーアにはこの事を打ち明けるつもりだが、今このときは・・・俺はアミルカのことを一人の女として大切にしたいと考えている。


「本当にこんなものを贈っていいの?」

「・・・ああ」


「ごめん、ちょっと野暮だったね。ねぇ、つけてくれる?」


そう言ってアミルカは俺に背を向けた。
気恥ずかしくて少し顔を逸らしながら、俺はペンダントを着けてやった。


「言っておくけど、ランドールでこれを男が贈ればどうとかって言い伝えってのはデタラメだからな?俺は詳しいん」


ドン


照れ隠しに口走った俺を遮るかのように、突然アミルカが抱き着いてきた。
全く予想していなかった出来事に俺も戸惑ってしまう。
流石にキアラはこんなことして来なかったしな・・・などと考えてしまうのはいけないことだろうか。


「ありがとう・・・」


顔を俺の胸に埋めるアミルカの表情は見えない。絞り出すような声が聞こえるだけだ。
俺の腰に回されたアミルカの腕が強く俺の体を締め付ける。


「ありがとう。大切にする・・・」


決してアミルカは顔を見せようとしない。だが礼を言うその声は震えているし、胸元に僅かに湿り気を感じるからもしかして泣いているのだろうか。だがそれを確かめるのは野暮というものだろう。俺はなすがままにされることにした。

どのくらいの時間だろうか、しばし俺達はそのままでいたが、やがてアミルカの方から体を離した。

顔と目を真っ赤にして、ぐちゃぐちゃになったアミルカがそこにいる。


「ありがとう。大好き」


何度目かの礼を述べた後、アミルカはまた距離を縮めてきたかと思うと俺の首に腕を回してきた。俺はそんな彼女を抱き留める。

そしてーー俺達は口づけをした。






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