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残り僅かな自由

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思わず何か言いそうになった俺だったが、それでも堪え、アミルカの話を全部聞くことにした。


「えー・・・と」


アミルカは守秘義務に抵触しない範囲でどう話したものか、それを考えているように見える。
守秘義務については俺も現在進行形で経験していることなので気持ちはわかる。もしかしたら俺と同じように魔法による制約をかけられているのかもしれない。
制約がある中で、大事な話を俺に伝えようとしてくれている。申し訳ない気持ちと同時に、そうまでして俺に話そうとしてくれているということが嬉しかった。


「元々私はこの町にいつまでこうして自由にいられるかわからない身だったんだけど・・・」


それっぽいことはローザから聞いている。


「それがついに終わるかもしれない・・・そんな感じかな」


アミルカは小さく溜め息をつく。その表情は僅かに絶望の色を見せていた。
ーーーではなく、恐らくはほとんど決まっているのだろう。


「もう会えないのか?」


「ううん、会えるかもしれないけど、その頻度は減る可能性が高いし、二人だけでってわけにはいかないかもしれない。こうしてショウと飲めるのも、次はいつになるか・・・」




俺は「そうか」とだけ言った。それしか言えなかった。
付き合いは短いはずなのに、アミルカとこうしていられることがなくなるかもしれないと思うと、妙に寂しさを感じる。
ただどうやら話からするとこの町には残るようだ。そして、恐らくたまにではあるが会うことができる。ただ、そこには恐らく俺の知らない誰かが付きそうことになる・・・そんな感じだろうか。
こうして二人で飲んで楽しむことはできないかもしれないーーー少なくとも、アミルカはほぼ絶望的と考えているようだった。
そして、それをつらく感じている。

今度強い制約をアミルカは受けることになるということだろうが、それでは一体彼女は何者なんだろう。
気にはなったが、それは恐らく嫌でもこれからわかることだ。それについては今彼女に聞こうとは思わなかった。
それよりも今は聞かなければならないことが他にある。







「いつなんだ」


「えっ?」


「いつまでは自由でいられるんだ?」


沈黙が二人を包んでいたが、気が付けば俺はアミルカにそう問いかけていた。



「どうかな・・・順当にいけば2週間くらい・・・かな」


「そうか」


2週間か。多少誤差が出たとしても、思ったよりは時間があるのかもしれない。


「なぁ、その2週間でもしやり足りないことがあるのならやってみないか。俺で良ければ協力するぞ」


なんとなく勢いで、俺はアミルカにそう言った。
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