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考えるアミルカ

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最初にアミルカを見たときから、俺には一つの違和感がずっとあった。
それは、アミルカに元気が無いということだ。
俺にとってアミルカは、いつもどこからそんなに元気が湧いてくるのだろう?と思ってしまうくらい元気な女の子だった。はつらつとしていて、何となく近くにいるだけで元気をもらってしまう・・・そんな人だ。

しかしさっきまでぼーっとしていた彼女は、まるでいつもの元気の無い・・・いまだ見たことのないアミルカだった。


「ごめん、ちょっとぼーっとしちゃってさ」


なんだか気まずそうにそう言って笑うアミルカは、それでも俺の顔を見た瞬間にいくらか元気が戻ってきたようだった。知り合いに元気のないところを見せたくないのだろうか。


「久しぶりだな。こんところ俺も忙しくてよ」


あまりに多忙でギルドで会うことすらなかった。
間借りしてる宿屋の女将さん曰く、俺が留守の間に何度かアミルカが訪ねてきたことがあるらしい。
俺は極秘依頼の真っ最中だったのだが、アミルカを含めた誰にもそれを部外者に話すわけにいかなかったので、事情を知らぬ彼女にしてみれば俺はただ留守にしていたように見えただろう。
ローザに出来るだけ一緒にいて欲しいなんてことを頼まれたが、それを実行出来ていなかったので俺は申し訳なく思っていた。


「何度か来てくれたみてぇだな。いろいろ取り込んでたんだ。悪かった」


「ううん、忙しかったなら仕方ないよ」


留守にしていたことを謝ると、アミルカは首を横に振った。根掘り葉掘り聞かずに納得してくれたのはありがたかった。


「・・・アミルカはどうした?考え事があるのか」


見て見ぬしようかと思ったが、どことなく元気の無いアミルカが気がかりになり、俺はつい放っておけなくて聞いてしまった。
いつも見ているだけで元気を分け与えてくれる女の子の表情を、曇らせている原因があるとしたら聞いてやりたい。


「え?あー・・・」


質問されたアミルカは一瞬目を見開いて、そして視線を逸らして曖昧にしたげに言葉を探しているように見える。

まずい・・・思わず言ってしまったとはいえ、ちょっとお節介が過ぎたかと俺は後悔した。
悩んでいるときに誰かにそれを聞いて欲しい人もいれば、聞いてきてほしくない、放っておいてほしい人もいる。アミルカが後者だとすれば、無遠慮な真似をしてしまったかもしれん・・・


「あー、うん、そうねぇ・・・」


アミルカは何だか一人で考えているようだ。
適当にはぐらかすための方便を考えているのかもしれない。


「別に無理に」
「じゃあ、ちょっと酒場に付き合ってよ!」




別に無理に言わなくてもいいぞ、と言おうとしたらアミルカが遮るように言った。

思わぬ展開になってしまった。
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