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唐突過ぎる救世主

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「待ちなよ。話は聞かせてもらったよ」


針の筵の俺に救いの手を差し伸べたのは、いつの間にか部屋の入口にいたローザだった。
今日は急展開が多いな。もう慣れたけど、それでも聞かなきゃいけないことだから聞いた。


「なんでここにいる?」


「ふふ、私は何でも知っているのさ」


やけに艶のある声でローザがそう答えた。うーん、微妙に答えになってない。

ローザはアミルカのほうを向いた。


「人には他人に話せない秘密の一つや二つはあるものさ。ショウにだってそれはある。ショウが不義理で女を待たせるような男に見えるのかい?」


ローザがそう言うと、アミルカは「まぁ・・・それは」と口をもにょもにょさせる。
ドロシーも押し黙った。

ローザの言葉があってこそとはいえ、それでもある程度は俺という人間は信頼されてたっぽい。
さっき疑っていたけどね!


「というか、冒険者なんてやってるやつなんてそれこそ事情持ちばっかりだと思うけどね」


冒険者を食い詰め者みたいな言い方してしまっているが、まぁ確かに事情があるやつが多いのは確かだ。
俺だって事情を持っている。別にそうだからといって冒険者やっているやけじゃないから偶然だけど。


「アナタ達にだって知られたくないことはあるでしょ。それと同じよ」


そう言ってローザはチラリとアミルカに視線を向けた。
アミルカは何やら神妙な面持ちで「そうか、そうだね」と頷く。

良くわからないが、アミルカにも何かあるんだろう。


「なら、この話はここで終わりでいいわね?」


そう締めくくるローザの言葉に、俺を含む3人が頷いた。
今回は助かったか!
どうしてここにいるのかは結局明らかになってないけど、とりあえず有難いのは事実だ。
何かお礼をしたいところだ。


「じゃあ、これからは私がショウと話があるから、二人はお引き取り願えるかしら?」


「「「は?」」」


ローザの言葉に、彼女以外の3人の反応がかぶった。
急展開からの急展開でそこからさらに急展開かよ。
突然修羅場
に割って入ったかと思ったら、今度は自分が用があるからと邪魔者を追い出す。このエルフ中々に横暴だ。


「あ、じゃあ私はこれで・・・」


元々フラれたことの気まずさがあるはずのドロシーは、やはりここぞとばかりに部屋を出ていった。
残るはアミルカ。


「ショウ、じゃあ私は宿屋のロビーでローザを待ってるけど」


「ああ」


どうやらアミルカも部屋を出ていくようだ。


「ローザに何かされそうになったら、すぐに『きゃああ』って声を上げて助けを呼んで。かけつけるから!」


「えっ?」


なにそれ?逆じゃない?


「変なことしちゃだめよローザ!」


ローザにそう言いつけて、アミルカも部屋を出て行った。

俺とローザが部屋に二人きりになる。
え・・・?なに?何かされるの?
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