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歴史的大敗
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「や、やめろ!助けてく・・・ぎゃああ!!」
さっきまで一緒に戦っていたはずの仲間に斬られて絶命するリュート隊の騎士達。
オークとの戦いで戦死したと思われていたが、しばらくしてから突然起き上がって仲間を襲いだした騎士達は、何を話しかけても返事をせず、オークと一緒になってただただリュート隊に襲い掛かってくるようになっていた。
そう、彼らとオークはアンデッドになっていた。これはアンデッドリーダーが先んじてばら撒いていた死人の種によるものだった。
死人の種は脳さえ形を留めていれば死体にも感染するが、感染からアンデッドとして変化するまでの時間は生者のそれよりも断然早い。
だからアンデッド達と遭遇する前に倒したオークがアンデッドとして復活し、そのオークに殺された騎士達も短い時間の中でアンデッドに変化していたのだ。
「こいつら普通じゃないこいつは・・・があああ!」
「こ、これはゾンビですk・・・ぐああ!」
騎士達も異常に気付きながらもその数を減らしていく。
チェスターはアンデッドについてある程度の知識はあったが、相手がそうであると気付くのに遅れたのが致命的だった。既に15人以上がアンデッド化したオークや騎士達に殺されていた。
「どういうわけかオークも裏切った騎士達もアンデッド化している!頭だ!頭を狙え!!」
それでもチェスターは今からでもと的確な指示を出した。
さっきまで仲間だった元騎士を攻撃するのは気が咎めるが、やるしかないのだ。
しかし、リュート隊の動きは鈍かった。
オークに対してはうまく対処しているのだが、元騎士相手となると途端に動きが悪くなる。そうしているうちに次々と元騎士に斬られていってしまっていた。
「何をしている!頭を狙えと言っているだろう!!」
チェスターは叫んだが、それでもリュート隊の動きはよくならない。
「そ、そうは言っても・・・」
完全に戸惑っているのだ。さっきまでともに戦い、話をしてきた相手を殺さねばならないことに。それも残酷なやり方で。
チェスター自身はそれなりに覚悟を決めているが、全員がそうではないのだ。
単純な戦闘であればそこそこやれた。だが、経験と覚悟の無さがここに来て大きな障害となった。
多くのリュート隊がまごまごしているうちに、何人もの騎士が死んだ。
リュート隊の数は半数を切ったところで、ようやく覚悟を決め出した騎士が増え、少しずつ押し返す。
元は騎士だがアンデッドになると動きは格段に落ちた。不死身の肉体といえど動きさえ見切れば頭を切り落とすことはそう難しくなかった。
見た目には仲間であった騎士と騎士とが殺しあう地獄の光景を見て、リュートは茫然とした。この地獄の最前列にいながらにして、彼にはいまだに実感がないのだった。
「夢だ・・・これは夢だ」
ぶつぶつとリュートが呟く。
自分が誇りにしていたばかりのリュート隊が無惨にも消えていく。
他でもない仲間の手によって死んでいく。
どうしてこうなったのだ?
自分の晴れ舞台になるはずではなかったのか?
馬鹿にしている騎士団を見返すチャンスではなかったのか?
ではこの現実はなんだ?
自問自答する中、リュートの後方で雄叫びが聞こえた。
ルーデル騎士団が駆け付けたようだ。
ルーデル騎士団はアンデッド化したオークと元騎士ごとアンデッドリーダーを討伐した。
リュート隊は生存者が元の数の五分の二・・・60名が戦死という凄惨たる有様であった。
さっきまで一緒に戦っていたはずの仲間に斬られて絶命するリュート隊の騎士達。
オークとの戦いで戦死したと思われていたが、しばらくしてから突然起き上がって仲間を襲いだした騎士達は、何を話しかけても返事をせず、オークと一緒になってただただリュート隊に襲い掛かってくるようになっていた。
そう、彼らとオークはアンデッドになっていた。これはアンデッドリーダーが先んじてばら撒いていた死人の種によるものだった。
死人の種は脳さえ形を留めていれば死体にも感染するが、感染からアンデッドとして変化するまでの時間は生者のそれよりも断然早い。
だからアンデッド達と遭遇する前に倒したオークがアンデッドとして復活し、そのオークに殺された騎士達も短い時間の中でアンデッドに変化していたのだ。
「こいつら普通じゃないこいつは・・・があああ!」
「こ、これはゾンビですk・・・ぐああ!」
騎士達も異常に気付きながらもその数を減らしていく。
チェスターはアンデッドについてある程度の知識はあったが、相手がそうであると気付くのに遅れたのが致命的だった。既に15人以上がアンデッド化したオークや騎士達に殺されていた。
「どういうわけかオークも裏切った騎士達もアンデッド化している!頭だ!頭を狙え!!」
それでもチェスターは今からでもと的確な指示を出した。
さっきまで仲間だった元騎士を攻撃するのは気が咎めるが、やるしかないのだ。
しかし、リュート隊の動きは鈍かった。
オークに対してはうまく対処しているのだが、元騎士相手となると途端に動きが悪くなる。そうしているうちに次々と元騎士に斬られていってしまっていた。
「何をしている!頭を狙えと言っているだろう!!」
チェスターは叫んだが、それでもリュート隊の動きはよくならない。
「そ、そうは言っても・・・」
完全に戸惑っているのだ。さっきまでともに戦い、話をしてきた相手を殺さねばならないことに。それも残酷なやり方で。
チェスター自身はそれなりに覚悟を決めているが、全員がそうではないのだ。
単純な戦闘であればそこそこやれた。だが、経験と覚悟の無さがここに来て大きな障害となった。
多くのリュート隊がまごまごしているうちに、何人もの騎士が死んだ。
リュート隊の数は半数を切ったところで、ようやく覚悟を決め出した騎士が増え、少しずつ押し返す。
元は騎士だがアンデッドになると動きは格段に落ちた。不死身の肉体といえど動きさえ見切れば頭を切り落とすことはそう難しくなかった。
見た目には仲間であった騎士と騎士とが殺しあう地獄の光景を見て、リュートは茫然とした。この地獄の最前列にいながらにして、彼にはいまだに実感がないのだった。
「夢だ・・・これは夢だ」
ぶつぶつとリュートが呟く。
自分が誇りにしていたばかりのリュート隊が無惨にも消えていく。
他でもない仲間の手によって死んでいく。
どうしてこうなったのだ?
自分の晴れ舞台になるはずではなかったのか?
馬鹿にしている騎士団を見返すチャンスではなかったのか?
ではこの現実はなんだ?
自問自答する中、リュートの後方で雄叫びが聞こえた。
ルーデル騎士団が駆け付けたようだ。
ルーデル騎士団はアンデッド化したオークと元騎士ごとアンデッドリーダーを討伐した。
リュート隊は生存者が元の数の五分の二・・・60名が戦死という凄惨たる有様であった。
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