国外追放者、聖女の護衛となって祖国に舞い戻る

はにわ

文字の大きさ
上 下
39 / 471

女優の葛藤

しおりを挟む
14日目

 ヒミコ、おはよう。さて、今日は西の平原のボスの猪:ガイア・レイア・バロゥフと戦いに行こう。その前にご飯を食べよう。使う食材は『ジャガイモ』のみ。ジャガイモを薄くスライスし、油をたくさん入れたフライパンの中でパリパリのなるまで揚げていく。挙がったジャガイモにシオの実、コショウの実をつぶした物を振りかけて完成。
---------------------
ポテトチップス
ランク1
カテゴリー:【料理】
耐久度:60
品質:標準品質
効果:満腹度+10%
   アタック+1
解説:パリパリっとしたジャガイモの味が絶品
----------------------
 おお、効果にステータスアップがついた。これが【料理】スキルの効果か。どうやらこのステータスアップ:料理バフは一種類しか付けられない。しかし満腹度は回復するし料理バフについては選択可能だそうだ。

 さてガイア・レイア・バロゥフ対策のためにあるスキルをレベル上げして挑戦だ。


「見つけた」

 西の平原のアプリの樹のいる場所でガイア・レイア・バロゥフがアプリの実を食べていた。装備よし、場所探しも良し、作戦準備も良し。さあ行こうか、ヒミコ。

 僕はまだ気づいていないガイア・レイア・バロゥフに向けて矢を構える。まずは普通の攻撃でダメージが入るか確認だ。

シュッ

 僕の放った矢はガイア・レイア・バロゥフに当たるがわずかなダメージエフェクトだけで。そしてガイア・レイア・バロゥフはアプリの実を食べるのをやめ、こちらに意識を向けた。

「ブォォォォ」
「よしまずは例の場所まで逃げながらどんな攻撃が通用するか見るよ」
「コン!」

 ガイア・レイア・バロゥフは僕らの方向にすごいスピードで突っ込んできた。僕はある場所へ向けて必死に走ったが、どうやらガイア・レイア・バロゥフのスピードの方が速く少しずつ近づいて来た。

 ガイア・レイア・バロゥフは追尾機能が高く、走りながら少しずつ方向を変えてもすぐに修正してきた。なのである一定の距離までガイア・レイア・バロゥフが近付いて来たらその場で振り返りガイア・レイア・バロゥフと相対します。
 
そして【ステップ】込みの全力横飛びでガイア・レイア・バロゥフの突進を回避します。ガイア・レイア・バロゥフの突進には衝撃波を周りに与えるため、完全に回避が出来ずダメージをくらいますが、ガイア・レイア・バロゥフが僕を抜き去ると急ブレーキした後、方向転換し再度突進をしてきます。この急ブレーキをした時に自分が使える火、風、土、光の魔法を使い攻撃してみた。どうやらどの属性の魔法も効いているようだ。

 といってもわずかのダメージなため、すかさず突進してくる。このまま急ブレーキの隙をついて攻撃すれば勝てそうな気がするが、おそらくグレータ―ポイズンスパイダーみたいに形態変化が合るかもしれないから、今のうちにいろいろ試しておこう。

 僕は魔法で攻撃するのを辞めて回避に専念してある場所に誘導する。

(よし、ここ!)

作戦第1弾発動。僕がガイア・レイア・バロゥフの突進をよけるとガイア・レイア・バロゥフは急ブレーキを踏みつつ方向を変えようとするがその足元の地面がなくなった。そしてガイア・レイア・バロゥフはそのまま穴に落ちていった。

 今回の落とし穴は土魔法を使ってガイア・レイア・バロゥフの背丈の二倍はあるように掘った。さてこのまま落ちたままならいいんだが。しかしうまくはいかなかった。落とし穴に近づこうとしたときいきなり落とし穴の地面が浮き上がりガイア・レイア・バロゥフが穴から出てきた。ガイア・レイア・バロゥフの身体にはわずかに魔力が巡っていた。

(わお、魔法使えるんだね。だったら最後の作戦のために場所の移動だ)

 僕はまたガイア・レイア・バロゥフを引き連れ今度は森の中を走り出す。ガイア・レイア・バロゥフは木々を粉砕しながら僕を追ってくる。そして5分後着いたのは周辺に緑の生えていない岩場だ。

(よし、ついた。さあ、作戦第2弾:真っ向勝負だ。行くよヒミコ)

 そう、作戦第2弾・・・というか作戦ではないけどここからはガイア・レイア・バロゥフとの真っ向勝負だ。ここなら火も使えるから火も気も全力で戦える。まずはこれ。
 
 僕は【マジックバック】から1本のやくひんを取り出す。そしてガイア・レイア・バロゥフの突進を躱すと投げつける。薬品はガイア・レイア・バロゥフに当たるとガラスが割れ中身の紫色の液体がガイア・レイア・バロゥフに降りかかる。

 ガイア・レイア・バロゥフは気にせずに突進してくるが先ほどよりは動きが鈍くなっている。どうやら『低級毒ポーション』の効果で毒状態になったようだ。僕は動きが鈍くなったガイア・レイア・バロゥフに向かって大毒蜘蛛のナイフを構え

「【ダブルスラッシュ】」

 ガイア・レイア・バロゥフの突進を躱した僕は【ダブルスラッシュ】を叩きこむ。なかなかいいダメージが入った。ガイア・レイア・バロゥフは少しよろけると僕に向かって巨大な牙を振り回す。僕は【ステップ】で距離を取り躱すとすかさずヒミコが【狐火】でガイア・レイア・バロゥフを攻撃する。

 ガイア・レイア・バロゥフは余りの威力でたたらを踏み後退すると周囲に魔法陣が生まれ多数の岩の塊が形成された。その岩の塊は僕とヒミコを襲ってくるため急いで避けた。しかし避けた反動で動けなくなっている僕に向かってガイア・レイア・バロゥフは突進してきた。

(さすがに避けれない)

ドンッ

 僕はガイア・レイア・バロゥフの直撃を受け吹きとばされた。しかし直前に大毒蜘蛛の盾を構えたためダメージは削れたが、今ので400近くのダメージを受けた。さっきの落とし穴で思ったけどやっぱり魔法使ってくるんだ。だったら最後の作戦を発動しよう。

 僕は岩場を背にしてガイア・レイア・バロゥフから距離を取る。今までの突進の威力と急ブレーキの距離から考えてこのあたりだろう。僕に向けて突進してくるガイア・レイア・バロゥフを僕は【ステップ】で回避する。上空へ向けて。【ステップ】+ジャンプでガイア・レイア・バロゥフを飛び越えるとガイア・レイア・バロゥフはそのまま壁に激突した。そして

「ブオオオオォ」

 その巨大な牙が壁に突き刺さり抜けないでいた。

 よしっ、やっぱり突き刺さったな、その牙。

「【ダブルスラッシュ】」
「【強打】」
「【強蹴】」
「【正拳突き】」

 僕とヒミコはガイア・レイア・バロゥフの様子を見ながら脚の踏みつけに気を付け土の装甲や毛皮がない腹に向けて攻撃を加える。そして牙が外れそうになると腹から飛び出て距離を取った。

 ガイア・レイア・バロゥフはどうにか壁から牙を抜くとこちらをにらみ込んでくる。その牙には全体的にひびがはいっている。あの牙の感じあと一回が限度かな。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

勇者に全部取られたけど幸せ確定の俺は「ざまぁ」なんてしない!

石のやっさん
ファンタジー
皆さまの応援のお陰でなんと【書籍化】しました。 応援本当に有難うございました。 イラストはサクミチ様で、アイシャにアリス他美少女キャラクターが絵になりましたのでそれを見るだけでも面白いかも知れません。 書籍化に伴い、旧タイトル「パーティーを追放された挙句、幼馴染も全部取られたけど「ざまぁ」なんてしない!だって俺の方が幸せ確定だからな!」 から新タイトル「勇者に全部取られたけど幸せ確定の俺は「ざまぁ」なんてしない!」にタイトルが変更になりました。 書籍化に伴いまして設定や内容が一部変わっています。 WEB版と異なった世界が楽しめるかも知れません。 この作品を愛して下さった方、長きにわたり、私を応援をし続けて下さった方...本当に感謝です。 本当にありがとうございました。 【以下あらすじ】 パーティーでお荷物扱いされていた魔法戦士のケインは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもないことを悟った彼は、一人さった... ここから、彼は何をするのか? 何もしないで普通に生活するだけだ「ざまぁ」なんて必要ない、ただ生活するだけで幸せなんだ...俺にとって勇者パーティーも幼馴染も離れるだけで幸せになれるんだから... 第13回ファンタジー小説大賞奨励賞受賞作品。 何と!『現在3巻まで書籍化されています』 そして書籍も堂々完結...ケインとは何者か此処で正体が解ります。 応援、本当にありがとうございました!

スキル間違いの『双剣士』~一族の恥だと追放されたが、追放先でスキルが覚醒。気が付いたら最強双剣士に~

きょろ
ファンタジー
この世界では5歳になる全ての者に『スキル』が与えられる――。 洗礼の儀によってスキル『片手剣』を手にしたグリム・レオハートは、王国で最も有名な名家の長男。 レオハート家は代々、女神様より剣の才能を与えられる事が多い剣聖一族であり、グリムの父は王国最強と謳われる程の剣聖であった。 しかし、そんなレオハート家の長男にも関わらずグリムは全く剣の才能が伸びなかった。 スキルを手にしてから早5年――。 「貴様は一族の恥だ。最早息子でも何でもない」 突如そう父に告げられたグリムは、家族からも王国からも追放され、人が寄り付かない辺境の森へと飛ばされてしまった。 森のモンスターに襲われ絶対絶命の危機に陥ったグリム。ふと辺りを見ると、そこには過去に辺境の森に飛ばされたであろう者達の骨が沢山散らばっていた。 それを見つけたグリムは全てを諦め、最後に潔く己の墓を建てたのだった。 「どうせならこの森で1番派手にしようか――」 そこから更に8年――。 18歳になったグリムは何故か辺境の森で最強の『双剣士』となっていた。 「やべ、また力込め過ぎた……。双剣じゃやっぱ強すぎるな。こりゃ1本は飾りで十分だ」 最強となったグリムの所へ、ある日1体の珍しいモンスターが現れた。 そして、このモンスターとの出会いがグレイの運命を大きく動かす事となる――。

治療院の聖者様 ~パーティーを追放されたけど、俺は治療院の仕事で忙しいので今さら戻ってこいと言われてももう遅いです~

大山 たろう
ファンタジー
「ロード、君はこのパーティーに相応しくない」  唐突に主人公:ロードはパーティーを追放された。  そして生計を立てるために、ロードは治療院で働くことになった。 「なんで無詠唱でそれだけの回復ができるの!」 「これぐらいできないと怒鳴られましたから......」  一方、ロードが追放されたパーティーは、だんだんと崩壊していくのだった。  これは、一人の少年が幸せを送り、幸せを探す話である。 ※小説家になろう様でも連載しております。 2021/02/12日、完結しました。

レベルが上がらずパーティから捨てられましたが、実は成長曲線が「勇者」でした

桐山じゃろ
ファンタジー
同い年の幼馴染で作ったパーティの中で、ラウトだけがレベル10から上がらなくなってしまった。パーティリーダーのセルパンはラウトに頼り切っている現状に気づかないまま、レベルが低いという理由だけでラウトをパーティから追放する。しかしその後、仲間のひとりはラウトについてきてくれたし、弱い魔物を倒しただけでレベルが上がり始めた。やがてラウトは精霊に寵愛されし最強の勇者となる。一方でラウトを捨てた元仲間たちは自業自得によるざまぁに遭ったりします。※小説家になろう、カクヨムにも同じものを公開しています。

さんざん馬鹿にされてきた最弱精霊使いですが、剣一本で魔物を倒し続けたらパートナーが最強の『大精霊』に進化したので逆襲を始めます。

ヒツキノドカ
ファンタジー
 誰もがパートナーの精霊を持つウィスティリア王国。  そこでは精霊によって人生が決まり、また身分の高いものほど強い精霊を宿すといわれている。  しかし第二王子シグは最弱の精霊を宿して生まれたために王家を追放されてしまう。  身分を剥奪されたシグは冒険者になり、剣一本で魔物を倒して生計を立てるようになる。しかしそこでも精霊の弱さから見下された。ひどい時は他の冒険者に襲われこともあった。  そんな生活がしばらく続いたある日――今までの苦労が報われ精霊が進化。  姿は美しい白髪の少女に。  伝説の大精霊となり、『天候にまつわる全属性使用可』という規格外の能力を得たクゥは、「今まで育ててくれた恩返しがしたい!」と懐きまくってくる。  最強の相棒を手に入れたシグは、今まで自分を見下してきた人間たちを見返すことを決意するのだった。 ーーーーーー ーーー 閲覧、お気に入り登録、感想等いつもありがとうございます。とても励みになります! ※2020.6.8お陰様でHOTランキングに載ることができました。ご愛読感謝!

【完結】魔王を倒してスキルを失ったら「用済み」と国を追放された勇者、数年後に里帰りしてみると既に祖国が滅んでいた

きなこもちこ
ファンタジー
🌟某小説投稿サイトにて月間3位(異ファン)獲得しました! 「勇者カナタよ、お前はもう用済みだ。この国から追放する」 魔王討伐後一年振りに目を覚ますと、突然王にそう告げられた。 魔王を倒したことで、俺は「勇者」のスキルを失っていた。 信頼していたパーティメンバーには蔑まれ、二度と国の土を踏まないように察知魔法までかけられた。 悔しさをバネに隣国で再起すること十数年……俺は結婚して妻子を持ち、大臣にまで昇り詰めた。 かつてのパーティメンバー達に「スキルが無くても幸せになった姿」を見せるため、里帰りした俺は……祖国の惨状を目にすることになる。 ※ハピエン・善人しか書いたことのない作者が、「追放」をテーマにして実験的に書いてみた作品です。普段の作風とは異なります。 ※小説家になろう、カクヨムさんで同一名義にて掲載予定です

最難関ダンジョンをクリアした成功報酬は勇者パーティーの裏切りでした

新緑あらた
ファンタジー
最難関であるS級ダンジョン最深部の隠し部屋。金銀財宝を前に告げられた言葉は労いでも喜びでもなく、解雇通告だった。 「もうオマエはいらん」 勇者アレクサンダー、癒し手エリーゼ、赤魔道士フェルノに、自身の黒髪黒目を忌避しないことから期待していた俺は大きなショックを受ける。 ヤツらは俺の外見を受け入れていたわけじゃない。ただ仲間と思っていなかっただけ、眼中になかっただけなのだ。 転生者は曾祖父だけどチートは隔世遺伝した「俺」にも受け継がれています。 勇者達は大富豪スタートで貧民窟の住人がゴールです(笑)

ハズレスキル【分解】が超絶当たりだった件~仲間たちから捨てられたけど、拾ったゴミスキルを優良スキルに作り変えて何でも解決する~

名無し
ファンタジー
お前の代わりなんざいくらでもいる。パーティーリーダーからそう宣告され、あっさり捨てられた主人公フォード。彼のスキル【分解】は、所有物を瞬時にバラバラにして持ち運びやすくする程度の効果だと思われていたが、なんとスキルにも適用されるもので、【分解】したスキルなら幾らでも所有できるというチートスキルであった。捨てられているゴミスキルを【分解】することで有用なスキルに作り変えていくうち、彼はなんでも解決屋を開くことを思いつき、底辺冒険者から成り上がっていく。

処理中です...