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閑話 情熱の赤い花 中編
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ソーアは一瞬怯んだが、真っすぐに自分を見据えてくるシーラを見返した。
良く見ると口角が僅かに上がっているか?と思う程度の無表情。シーラはもちろん、ソーアの他の兄妹もこれが常であった。澄み渡る水のように穏やかで温厚な人たち・・・それがマルセイユ家に対し多くの人間が抱く印象だ。穏やかに笑みを浮かべ、あまり感情を激しく表に出さないアーヴィガや、無表情がちなキアラと似ていると思えば似ている。
だが、家族であるソーアにはわかる。今のシーラはそう表に出さないだけで、微妙な言葉のニュアンスからも僅かな表情の違いからも彼女は怒っていると理解できている。
「母上。失礼ながら、何のことやら私には心当たりがありません」
しかし、言葉の通り心当たりのないソーアははっきりとそう言った。
シーラの口角が僅かに上がった・・・かに見える。きっと今、自分はシーラの機嫌を損ねる発言をしたのだ。そう理解し、シーラの圧に屈して冷や汗が出そうになるも、それでも本当に心当たりが無かったソーアは
「勝手なことをしたとは、一体何のことでしょうか?」
重ねてそう言った。
例え目上の人間であっても・・・それが絶対的に自分の上に立つ人間であっても、自分を責め立ててきたとき自分に非が無いのなら「すみません」とはとりあえずでも言わない。それがソーアという人間だった。
「わからないなら仕方がないわね」
シーラはそう言って目を閉じ、ふぅと溜め息をついた。
呆れているよ、という態度がありありだ。
「貴方が拿捕した海賊船のことよ」
シーラがそういうと、ソーアは思わず顔を顰める。
「何か問題がありましたか?」
考えるまでもなく、自分には非が無い。何か言われる謂れはない。
青の騎士団として領民に恥じぬ行いをしたつもりだった。
「本隊に報告なしに勝手に動いたそうね」
それについてかーー
近辺海域の哨戒は遊撃隊である戦女神にも認められている権利だ。たまたま遭遇した海賊船を拿捕したところで問題はないはずだ。だが、それでも本隊に何一つ報告なしにそれを行ったことはなかった。今までは一応万が一のことがあってはいけないと、哨戒するならするときに一言言っておいてはいたのだ。
今回それをしなかったのは本隊ーー騎士団に内通者がいるとソーアが考えていたからだが、まだその証拠も何も掴めてなどいない。
それを今この場で言ってもいいのだろうか?ソーアは一瞬迷ったが、それでも思い切って言うことにした。
腹の中に抱えていたままにしておくことを苦手としている性格ゆえだった。
「なんてことを言うの貴方は!」
珍しく、それはもう非常に珍しくシーラは声を荒げ、表情に出してソーアを叱責した。
まだ根拠らしい根拠も何もなしに騎士団を疑い、独断で行動をして組織に混乱を生じさせようとしたのよと述べる。
「これは極秘作戦だったのだけど、これまで本隊は網を張っていたの。あえて一部の海賊を泳がせて監視することで、やつらのアジトを見つけ一網打尽にするという計画があったのよ。もう少しのところで貴方が海賊船を拿捕してしまったから、やつらは警戒しだしてしまうわ。作戦が台無しになったのよ」
本隊の考えた極秘作戦の阻害をしてしまったというシーラの言葉に対して、これにはソーアも即座に反応した。
「作戦!?海賊を野放しにして民間人の犠牲を見過ごし続けてきた、それが作戦だというのですか!?」
本隊と連携して哨戒していたとき海賊は見つからなかった。自分が哨戒していたときもそうだ。
でも今の言葉の通りだと、本隊は海賊を見つけていてもあえて捕まえずに泳がせていたということなのか?戦女神の哨戒範囲をそれとなく海賊側に漏らしたと?
作戦中に海賊がのうのうとしている間にも、民間人はその間も騎士団の哨戒をすり抜けるようにやってきた海賊によって被害を被ってきた。死者だって出ている。それらを見ていても立ってもいられなくて行動を起こした。なのにそれを咎められるなど、民間人の犠牲は作戦を遂行する上で仕方が無かったとでもいうのだろうか?
ソーアの頭の中はそんな考えでいっぱいになっていた。
「まったく・・・」
やや取り乱していた自分の態度を恥じたのか、いささか冷静さを取り戻したシーラはソーアに呆れたとばかりに溜め息をついた。
「猪突猛進なところは本当にあの人譲りね」
あの人、というのはシーラの夫・・・自分の父のことだとソーアは察する。
父シオンは、シーラとは違いいささか直情的な男だ。
「もっと大局を見なさい。大事の前の小事・・・とまで言うつもりはないわ。けど、あなたの浅慮でこれまでの苦労が水の泡となったの。それを自覚なさい」
諭すように言うシーラに、再びソーアは頭に血が上らせた。
「私は間違ったことなどしていません!成功するかわからない作戦のために、民間人の犠牲を見過ごすことなど騎士のすることではありません!!」
浅慮と言われようがなんだろうが、ここを譲るつもりのないソーアは声を張り上げてシーラに訴える。
だがシーラはそんなソーアから視線を外し
「もういいわ。今後は勝手な行動は慎みなさい」
そうとだけ言って退室を促した。
「失礼します!!」
ソーアはづかづかと歩き、乱暴にドアを開けたかと思うと、凄まじい勢いで閉じる。
バァァァァァァァァン!
乱暴に閉められたドアは、あまりの力強さに激しい音を立て、衝撃でシーラの部屋に飾ってあった絵画が一つ壁からゴトンと落下した。
シーラはふぅと溜め息をつき、ソーアが出て行ったドアを見つめる。
本当にソーアは自分とは似ていない。姿だけでなく心までもがどこまでも夫に似ていると思った。
青い瞳、長く青い髪・・・シーラだけでなく、マルセイユ家の人間はそのほとんどがこの姿をしている。家督を継ぐことになる長女も、次女も、果ては入り婿していった長男までもがそうだ。
赤い瞳と髪をしているのは、マルセイユに婿入りしてきたソーアの父シオンのみ。
活動的で情に厚く、曲がったことの嫌いな性格までも他の兄妹と違って父シオンに良く似て育ったソーア。
本当に・・・本当に自分に似ないで育った娘のことを思い、シーラは目を閉じ呟いた。
「やっぱりソーアだけは駄目なようね」
良く見ると口角が僅かに上がっているか?と思う程度の無表情。シーラはもちろん、ソーアの他の兄妹もこれが常であった。澄み渡る水のように穏やかで温厚な人たち・・・それがマルセイユ家に対し多くの人間が抱く印象だ。穏やかに笑みを浮かべ、あまり感情を激しく表に出さないアーヴィガや、無表情がちなキアラと似ていると思えば似ている。
だが、家族であるソーアにはわかる。今のシーラはそう表に出さないだけで、微妙な言葉のニュアンスからも僅かな表情の違いからも彼女は怒っていると理解できている。
「母上。失礼ながら、何のことやら私には心当たりがありません」
しかし、言葉の通り心当たりのないソーアははっきりとそう言った。
シーラの口角が僅かに上がった・・・かに見える。きっと今、自分はシーラの機嫌を損ねる発言をしたのだ。そう理解し、シーラの圧に屈して冷や汗が出そうになるも、それでも本当に心当たりが無かったソーアは
「勝手なことをしたとは、一体何のことでしょうか?」
重ねてそう言った。
例え目上の人間であっても・・・それが絶対的に自分の上に立つ人間であっても、自分を責め立ててきたとき自分に非が無いのなら「すみません」とはとりあえずでも言わない。それがソーアという人間だった。
「わからないなら仕方がないわね」
シーラはそう言って目を閉じ、ふぅと溜め息をついた。
呆れているよ、という態度がありありだ。
「貴方が拿捕した海賊船のことよ」
シーラがそういうと、ソーアは思わず顔を顰める。
「何か問題がありましたか?」
考えるまでもなく、自分には非が無い。何か言われる謂れはない。
青の騎士団として領民に恥じぬ行いをしたつもりだった。
「本隊に報告なしに勝手に動いたそうね」
それについてかーー
近辺海域の哨戒は遊撃隊である戦女神にも認められている権利だ。たまたま遭遇した海賊船を拿捕したところで問題はないはずだ。だが、それでも本隊に何一つ報告なしにそれを行ったことはなかった。今までは一応万が一のことがあってはいけないと、哨戒するならするときに一言言っておいてはいたのだ。
今回それをしなかったのは本隊ーー騎士団に内通者がいるとソーアが考えていたからだが、まだその証拠も何も掴めてなどいない。
それを今この場で言ってもいいのだろうか?ソーアは一瞬迷ったが、それでも思い切って言うことにした。
腹の中に抱えていたままにしておくことを苦手としている性格ゆえだった。
「なんてことを言うの貴方は!」
珍しく、それはもう非常に珍しくシーラは声を荒げ、表情に出してソーアを叱責した。
まだ根拠らしい根拠も何もなしに騎士団を疑い、独断で行動をして組織に混乱を生じさせようとしたのよと述べる。
「これは極秘作戦だったのだけど、これまで本隊は網を張っていたの。あえて一部の海賊を泳がせて監視することで、やつらのアジトを見つけ一網打尽にするという計画があったのよ。もう少しのところで貴方が海賊船を拿捕してしまったから、やつらは警戒しだしてしまうわ。作戦が台無しになったのよ」
本隊の考えた極秘作戦の阻害をしてしまったというシーラの言葉に対して、これにはソーアも即座に反応した。
「作戦!?海賊を野放しにして民間人の犠牲を見過ごし続けてきた、それが作戦だというのですか!?」
本隊と連携して哨戒していたとき海賊は見つからなかった。自分が哨戒していたときもそうだ。
でも今の言葉の通りだと、本隊は海賊を見つけていてもあえて捕まえずに泳がせていたということなのか?戦女神の哨戒範囲をそれとなく海賊側に漏らしたと?
作戦中に海賊がのうのうとしている間にも、民間人はその間も騎士団の哨戒をすり抜けるようにやってきた海賊によって被害を被ってきた。死者だって出ている。それらを見ていても立ってもいられなくて行動を起こした。なのにそれを咎められるなど、民間人の犠牲は作戦を遂行する上で仕方が無かったとでもいうのだろうか?
ソーアの頭の中はそんな考えでいっぱいになっていた。
「まったく・・・」
やや取り乱していた自分の態度を恥じたのか、いささか冷静さを取り戻したシーラはソーアに呆れたとばかりに溜め息をついた。
「猪突猛進なところは本当にあの人譲りね」
あの人、というのはシーラの夫・・・自分の父のことだとソーアは察する。
父シオンは、シーラとは違いいささか直情的な男だ。
「もっと大局を見なさい。大事の前の小事・・・とまで言うつもりはないわ。けど、あなたの浅慮でこれまでの苦労が水の泡となったの。それを自覚なさい」
諭すように言うシーラに、再びソーアは頭に血が上らせた。
「私は間違ったことなどしていません!成功するかわからない作戦のために、民間人の犠牲を見過ごすことなど騎士のすることではありません!!」
浅慮と言われようがなんだろうが、ここを譲るつもりのないソーアは声を張り上げてシーラに訴える。
だがシーラはそんなソーアから視線を外し
「もういいわ。今後は勝手な行動は慎みなさい」
そうとだけ言って退室を促した。
「失礼します!!」
ソーアはづかづかと歩き、乱暴にドアを開けたかと思うと、凄まじい勢いで閉じる。
バァァァァァァァァン!
乱暴に閉められたドアは、あまりの力強さに激しい音を立て、衝撃でシーラの部屋に飾ってあった絵画が一つ壁からゴトンと落下した。
シーラはふぅと溜め息をつき、ソーアが出て行ったドアを見つめる。
本当にソーアは自分とは似ていない。姿だけでなく心までもがどこまでも夫に似ていると思った。
青い瞳、長く青い髪・・・シーラだけでなく、マルセイユ家の人間はそのほとんどがこの姿をしている。家督を継ぐことになる長女も、次女も、果ては入り婿していった長男までもがそうだ。
赤い瞳と髪をしているのは、マルセイユに婿入りしてきたソーアの父シオンのみ。
活動的で情に厚く、曲がったことの嫌いな性格までも他の兄妹と違って父シオンに良く似て育ったソーア。
本当に・・・本当に自分に似ないで育った娘のことを思い、シーラは目を閉じ呟いた。
「やっぱりソーアだけは駄目なようね」
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