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閑話 騙す側になりなさい
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ルーデル家の回生のための作戦をエーペレスさんに委ねてから目まぐるしいほどにいろいろなものが動き出した。
まずは俺やオミトはもちろん、屋敷全体の使用人に至るまで全員が服の採寸をすることになった。どうやら全員分の服を用意するらしい。
それから騎士団の鎧にも手をつけるらしい。なんでも黒に塗装するのだとか。
一体どれだけの金がかかるのかわからないが、その全てをエーペレスさんが出すというのだから、俺はもう好きにしてくれという他なかった。
あの人は一体何者なんだろう。一体どれだけの悪事を働けばそれだけの金が手に入るのだろう。
そんなことを考えながら2週間ほど経過すると、まずは見本として俺用の服とやらが届いた。
「これは・・・」
エーペレスさんが見てみろというので見てみたが、そこにあったのはランドールでは貴族でもあまり馴染みの無いようなスーツだった。国外に視察に行ったとき、とある国では良くみかけたものがあるものだ。
だが今見せられているそれは、色は黒で地味に見えるのだが、しかし細かく見るとそのデザインはどこか趣味的というか気取っているというか、色さえ違えば歌劇団の衣装なのかと思うようなものだった。
社交の場でこれを着れば注目は浴びるだろうが、その目は冷ややかなものが多そうだ。もしくは好奇的なものか。
だがエーペレスさんは
「今後は人前・・・特に王都では常にこれを着るのよ」
と、そう言ってきた。
いやいやいやあり得ないでしょう恥ずかしいのですけど?
「で、これがコートよ」
と出てきたコートも漆黒でなにやら襟も大き目。色のわりに派手だ。
「帽子ね」
と、出てきたのは中折れ帽。
「俺はまだ15です。似合いませんよ」
と思わず言った。こうしたのはもっと貫禄を持った大人が身に着けるから似合うはずなのだ。まだまだ小僧の俺が着たところで笑われるだけだ。だが、エーペレスさんは譲らなかった。
「あなたは15歳だけど、血生臭い戦場を駆け巡ったからか貫禄があるから大丈夫よ」
「えぇ・・・」
恥ずかしくてとても着たくはないのだが、どう言ってもエーペレスさんは納得してくれないだろう。
「若。諦めなされ。なに、きっと似合いますぞ」
オミトが慰めるように言ってくる。
「オミトも着るのよ。ショウも一人じゃなければ平気でしょ?」
「えっっっ」
オミトは自分も着ることになることは忘れていたのか、エーペレスさんの言葉に驚いていた。そして「いや、私は似合いませんよ」とかさっきの俺みたいにもにょもにょと言い訳している。
「いいこと?これからもっといろいろと変えていくんだから、服くらいで四の五の言わないの。これから半年もすれば服くらいでいろいろ言っていたことなんて忘れてどうでもよくなるわ!安心しなさい!」
「その口ぶりでどうやって安心しろというんですかね・・・」
エーペレスさんの言葉には不安しかなかった。
それから順次服が入ってくるようになり、ついにルーデル家の使用人含め全員分の服が届くことになった。ちなみに母エリナの分は無かった。本人が頑なに拒絶したからであるが、そのリアクションに対し「じゃあ仕方ないわね」とエーペレスさんはあっさり引っ込んだ。なんで?
「似合わない人が着ても宝の持ち腐れよ。貫禄がないと駄目なのよ貫禄が」
エーペレスさんの中では似合う人、似合わない人がいるらしい。兄上の分もオーダーはしていないと聞く。
どうやら彼女の基準ではこの二人には「似合わない」らしい。確かにルーデル家においてあの二人だけ荒事はとことん遠ざけていたせいか何となく雰囲気が違うが・・・
そんなわけで料理人を覗く侍従、侍女などの制服もエーペレスさんの用意した服に一新された。
黒を基調にした服。色的に地味ではあるが、ところどころエッジがきいていたり「カッコよく」作られている。
有名なデザイナーにデザインさせたらしい。それだけでもかなりの金額がかかってそうだ。
「どう?」
エーペレスさんが一人新しい制服に身を包んだ使用人を連れてきて俺に見せる。
「その・・・」
恥ずかしそうに見上げてくるそのメイドは、俺の身の回りの世話をしてくれている同い年の侍女リリーナだった。
恥ずかしがっている彼女の反応が新鮮でついジロジロ見てしまう。そうしていると更にリリーナは恥ずかしそうにして俯いてしまった。
いつだって冷静で表情の変わらない彼女は、婚約者のキアラ以上の鉄面皮だなとか失礼なことをずっと考えていた。
幼少から屋敷にいたので「あそぼーぜ」と誘ったことがあったが「わたくしなどが、おそれおおいです」とキッパリと断られ、寂しい思いをしたこともある。彼女の親もそうだったが、使用人としての主人との距離感というものを必要以上に保とうとしているようだった。
しかし今はどうだ。いつもなら俺の前で絶対に表情を崩すようなことの無かったリリーナが、とてもとても気恥ずかしそうにして俺の視線を受けている。新鮮だ。あと、なんだろうこうしていると何かもっと虐めてやりたいようなそんな変な感情が・・・
はっ!?
「い、いいぜ。似合ってるんじゃないか?」
湧いてきた変な感情を追い払って落ち着きを取り戻そうと、努めて冷静な声で感想を述べた。
実際、クール系美人といえる彼女の雰囲気も相まって新制服はよく似合っている。
「・・・ありがとうございます」
何やら頬を染めて俯きがちに返事をしてくるリリーナに、俺は何やらよくわからない変な気持ちになりそうになった。
「どう?随分と変わるものでしょう」
「・・・そうですねぇ」
エーペレスさんの言葉に思わず頷いてしまう。まぁ服が劇的に変わればそりゃ見た目の印象も変わる当たり前のことだ。
俺の答えに口角を上げたかと思えば、フッと彼女は真顔になった。
「ショウ。人というのはね、貴族平民問わず想像以上に馬鹿なものなのよ。凝り固まったイメージを相手に抱いていても、一度衝撃を与えて心を揺さぶってしまえば、簡単にそのイメージをほぐしてしまうことができるの」
「馬鹿って・・・」
「どれだけ警戒し、恐ろしさを知ってる相手でも、どれだけ憎んでいる相手でも、たった一度の衝撃で大きく崩されて取り込まれてしまう、簡単に騙されてしまう・・・そんなものなの」
「・・・はぁ」
「その衝撃は、態度でも、エピソードでもなんでもいいの。もちろん、見た目でもね」
「・・・」
「だからショウ。あなたはこれから取り込む側になりなさい!」
「ふぁっ!?」
「そのためにできることはなんでもやるわよ。ドーラちゃんにだって活躍してもらうんだから」
不適に笑うエーペレスさんが俺は恐ろしくなった。
-----
「あ、あの・・・若。私も着てみたのですが、どうですか」
そのとき、新制服に身を包んだオミトが何やら恥ずかしそうにやってきた。
俺はオミトのそのリアクションが珍しくてついジロジロと見てしまう。いつも威厳があり、(エーペレスさん絡み以外は)動じないオミトが何やらせわしなく視線をさまよわせ、恥ずかしそうに俯き気味になっている。
き、キモッ!
まずは俺やオミトはもちろん、屋敷全体の使用人に至るまで全員が服の採寸をすることになった。どうやら全員分の服を用意するらしい。
それから騎士団の鎧にも手をつけるらしい。なんでも黒に塗装するのだとか。
一体どれだけの金がかかるのかわからないが、その全てをエーペレスさんが出すというのだから、俺はもう好きにしてくれという他なかった。
あの人は一体何者なんだろう。一体どれだけの悪事を働けばそれだけの金が手に入るのだろう。
そんなことを考えながら2週間ほど経過すると、まずは見本として俺用の服とやらが届いた。
「これは・・・」
エーペレスさんが見てみろというので見てみたが、そこにあったのはランドールでは貴族でもあまり馴染みの無いようなスーツだった。国外に視察に行ったとき、とある国では良くみかけたものがあるものだ。
だが今見せられているそれは、色は黒で地味に見えるのだが、しかし細かく見るとそのデザインはどこか趣味的というか気取っているというか、色さえ違えば歌劇団の衣装なのかと思うようなものだった。
社交の場でこれを着れば注目は浴びるだろうが、その目は冷ややかなものが多そうだ。もしくは好奇的なものか。
だがエーペレスさんは
「今後は人前・・・特に王都では常にこれを着るのよ」
と、そう言ってきた。
いやいやいやあり得ないでしょう恥ずかしいのですけど?
「で、これがコートよ」
と出てきたコートも漆黒でなにやら襟も大き目。色のわりに派手だ。
「帽子ね」
と、出てきたのは中折れ帽。
「俺はまだ15です。似合いませんよ」
と思わず言った。こうしたのはもっと貫禄を持った大人が身に着けるから似合うはずなのだ。まだまだ小僧の俺が着たところで笑われるだけだ。だが、エーペレスさんは譲らなかった。
「あなたは15歳だけど、血生臭い戦場を駆け巡ったからか貫禄があるから大丈夫よ」
「えぇ・・・」
恥ずかしくてとても着たくはないのだが、どう言ってもエーペレスさんは納得してくれないだろう。
「若。諦めなされ。なに、きっと似合いますぞ」
オミトが慰めるように言ってくる。
「オミトも着るのよ。ショウも一人じゃなければ平気でしょ?」
「えっっっ」
オミトは自分も着ることになることは忘れていたのか、エーペレスさんの言葉に驚いていた。そして「いや、私は似合いませんよ」とかさっきの俺みたいにもにょもにょと言い訳している。
「いいこと?これからもっといろいろと変えていくんだから、服くらいで四の五の言わないの。これから半年もすれば服くらいでいろいろ言っていたことなんて忘れてどうでもよくなるわ!安心しなさい!」
「その口ぶりでどうやって安心しろというんですかね・・・」
エーペレスさんの言葉には不安しかなかった。
それから順次服が入ってくるようになり、ついにルーデル家の使用人含め全員分の服が届くことになった。ちなみに母エリナの分は無かった。本人が頑なに拒絶したからであるが、そのリアクションに対し「じゃあ仕方ないわね」とエーペレスさんはあっさり引っ込んだ。なんで?
「似合わない人が着ても宝の持ち腐れよ。貫禄がないと駄目なのよ貫禄が」
エーペレスさんの中では似合う人、似合わない人がいるらしい。兄上の分もオーダーはしていないと聞く。
どうやら彼女の基準ではこの二人には「似合わない」らしい。確かにルーデル家においてあの二人だけ荒事はとことん遠ざけていたせいか何となく雰囲気が違うが・・・
そんなわけで料理人を覗く侍従、侍女などの制服もエーペレスさんの用意した服に一新された。
黒を基調にした服。色的に地味ではあるが、ところどころエッジがきいていたり「カッコよく」作られている。
有名なデザイナーにデザインさせたらしい。それだけでもかなりの金額がかかってそうだ。
「どう?」
エーペレスさんが一人新しい制服に身を包んだ使用人を連れてきて俺に見せる。
「その・・・」
恥ずかしそうに見上げてくるそのメイドは、俺の身の回りの世話をしてくれている同い年の侍女リリーナだった。
恥ずかしがっている彼女の反応が新鮮でついジロジロ見てしまう。そうしていると更にリリーナは恥ずかしそうにして俯いてしまった。
いつだって冷静で表情の変わらない彼女は、婚約者のキアラ以上の鉄面皮だなとか失礼なことをずっと考えていた。
幼少から屋敷にいたので「あそぼーぜ」と誘ったことがあったが「わたくしなどが、おそれおおいです」とキッパリと断られ、寂しい思いをしたこともある。彼女の親もそうだったが、使用人としての主人との距離感というものを必要以上に保とうとしているようだった。
しかし今はどうだ。いつもなら俺の前で絶対に表情を崩すようなことの無かったリリーナが、とてもとても気恥ずかしそうにして俺の視線を受けている。新鮮だ。あと、なんだろうこうしていると何かもっと虐めてやりたいようなそんな変な感情が・・・
はっ!?
「い、いいぜ。似合ってるんじゃないか?」
湧いてきた変な感情を追い払って落ち着きを取り戻そうと、努めて冷静な声で感想を述べた。
実際、クール系美人といえる彼女の雰囲気も相まって新制服はよく似合っている。
「・・・ありがとうございます」
何やら頬を染めて俯きがちに返事をしてくるリリーナに、俺は何やらよくわからない変な気持ちになりそうになった。
「どう?随分と変わるものでしょう」
「・・・そうですねぇ」
エーペレスさんの言葉に思わず頷いてしまう。まぁ服が劇的に変わればそりゃ見た目の印象も変わる当たり前のことだ。
俺の答えに口角を上げたかと思えば、フッと彼女は真顔になった。
「ショウ。人というのはね、貴族平民問わず想像以上に馬鹿なものなのよ。凝り固まったイメージを相手に抱いていても、一度衝撃を与えて心を揺さぶってしまえば、簡単にそのイメージをほぐしてしまうことができるの」
「馬鹿って・・・」
「どれだけ警戒し、恐ろしさを知ってる相手でも、どれだけ憎んでいる相手でも、たった一度の衝撃で大きく崩されて取り込まれてしまう、簡単に騙されてしまう・・・そんなものなの」
「・・・はぁ」
「その衝撃は、態度でも、エピソードでもなんでもいいの。もちろん、見た目でもね」
「・・・」
「だからショウ。あなたはこれから取り込む側になりなさい!」
「ふぁっ!?」
「そのためにできることはなんでもやるわよ。ドーラちゃんにだって活躍してもらうんだから」
不適に笑うエーペレスさんが俺は恐ろしくなった。
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「あ、あの・・・若。私も着てみたのですが、どうですか」
そのとき、新制服に身を包んだオミトが何やら恥ずかしそうにやってきた。
俺はオミトのそのリアクションが珍しくてついジロジロと見てしまう。いつも威厳があり、(エーペレスさん絡み以外は)動じないオミトが何やらせわしなく視線をさまよわせ、恥ずかしそうに俯き気味になっている。
き、キモッ!
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