8 / 471
閑話 ルーデルの変人
しおりを挟む
エーぺレス・ルーデルは厳格な父である先々代ルーデル辺境伯と、穏やかで慎ましいその夫人から生まれたルーデル家の長女である。
嫡男であったトウシとは歳が離れており、トウシの長男リュートとは6歳しか違わない。
長く綺麗な黒い髪、スラッと伸びた体つきに、目鼻立ちのはっきりした美人となった彼女は、ランドール王国でも屈指の美人と言われた。
しかし彼女は「どうしてあの親からこの子が」と言われるほど、両親とは似つかないお転婆で奔放に育ち、ルーデル家きっての変わり者とカテゴライズされてしまう。
「ちょっと乗馬してくる」と言ったかと思えば野宿をしながら国を一周したり、「食事に行ってきます」と言っては何か国か回って食べ歩き、数か月後に帰ってくるなど奇行が目立った。
常にじっとしていられないエーぺレスに嘆きつつも、恋に夢中になれば変わるかと期待をして父親は何度か婚約者をあてがっては見たが、あまりの奔放っぷりに疲れてしまったのかその悉くが逃げ出した。
勇猛果敢な武人で名をはせた父親ですらついに心を折り、淑女として貴族の責務を果たせぬのならと、エーぺレスをルーデルから除籍とする代わりにもう好きに生きろと彼女に告げた。
「ありがとうございます。これでワタクシ自由ですのね!」
既に十二分に自由を謳歌していたのでは?とオミトは思ったが、彼は心底嬉しそうに荷物をまとめていくエーペレスを笑顔で見送った。経済支援を一切受けることなく、彼女は17歳で単身外国へ渡っていった。
その2年後、どのようにして稼いだのかは不明だが、生まれてからこれまでにエーペレスにかかった費用を越える金がルーデル家に送られたという。
「知らぬ。あれはもう死んだのだ」
エーペレスとは仲の良かったショウは、突如としていなくなった叔母について祖父に聞いてもこうとしか返ってこなかった。
「あの方はいつでも私たちの心の中にいます」
オミトに聞くと、彼は慢心の笑みでこう語った。まるで死んでしまったみたいな言い方だが、オミトの心の中にはいつだってエーペレスがいるんだなとショウは思った。
だが父トウシが家督を継ぎ、祖父母が王都に隠居すると、たまにひょっこりとエーペレスは顔を出すようになった。数日ほどこちらに滞在することもあれば、半日さえいないこともある。数週間でまた顔出すこともあれば、数か月音沙汰がないのもしばしば。
とにかく雲のようにつかめない、どこまでも自由なのがショウの叔母、エーペレスであった。
----------
「寄付金・・・ですか?」
そんな自由奔放なエーペレスさんが言ったルーデルの苦境を救うワード・・・それは『寄付金』であった。
「そうよ。コストカットも限界で税収を増やすのも難しいとなれば、寄付金を増やせばいいのよ」
随分と簡単なようにそう言うエーペレスさんに、俺は思わず本日何度目かのため息をもらしてしまう。
「増やせばいいのよ、ってどうやって増やすんですか?エーペレスさんが寄付してくれるんですか?」
「別にそれでもいいけど、それに依存してるともし私に何かがあったときにまた同じ問題に直面することになるわ」
それでもいいけど、ってそれだけの財力を持っているってこと?この人は本当に普段何をしている人なんだ・・・
「まぁ、確かにルーデル家への寄付金は年々減少してますね」
オミトが言う。
有難いことにルーデルにも毎年少なからず寄付金は送られてくる。
退役した騎士であったり、保守的な貴族だったり、国防を担うルーデル家の活躍に感謝している旨を手紙にしたためながら寄付して下さる方々がいるのだ。
だが年々、その方々も高齢で亡くなったりすることでその額は減少傾向にある。また、辺境で敵を食い止め続けて中央が平和を維持することで、皮肉にも軍縮を叫ぶ声が上がるようになってしまったのも寄付金の減少にもつながっている。
とはいえ寄付金は人の善意による施しだ。元よりアテにはしていないし、それをアテにする領地運営など論外と俺は考える。
「寄付金が貰えるのをただ待つだけじゃないの。取りにいく気持ちで行くのよ」
「・・・はぁ」
「まず寄付金の減少の最大の理由は、ルーデル家のイメージが良くないからだと思うわ」
エーペレスさんの言葉にズキリと胸が痛む。それはわかっている。そうだろうなとは思う。
ルーデル家が慢性的に抱える問題に金の不足、人の不足、そしてイメージの悪さがある。金についてはもはや説明不要だろう。次に人。あまり平和な土地とは言えないので、とにかく住民が中々寄り付かない。税を安く設定しているのでそれでもいくらかは人が流れてくるが・・・
そしてイメージの悪さ。
ルーデル家はランドール王国の辺境を守る最強の騎士団を率いている・・・という世間の認知があるが、この騎士団がやはり戦いに明け暮れているからか辺境にいるせいか品がない、というイメージが広まっている。
実際に王都で式典があるときなどにうちの騎士団を派遣することがあるのだが、そこでも他の騎士団と揉めたり酒場で騒ぎを起こしたりとすることがある。
城下町を歩いているときも市井の目はどこか汚いものを見るというか、少なくとも良いイメージを抱いていないのはわかった。着せてる鎧もちょっとボロかったりするしな。仕方がないかもしれん。
口が悪い、礼儀を知らない、下品、見苦しい、臭そう、中央務めの騎士様はどうにも辺境騎士団をそのように見るので何かの拍子にこちらと衝突する。そしてその話が市井にも広まることでイメージがどんどん悪くなる。ルードの田舎騎士だ、などと。
俺達は辺境で日々、ランドール王国の外敵から身を護るために必死でやってはいるのだが、実際に戦場におらず平和な王都で訓練にのみ明け暮れる騎士様からすれば、腕っぷしが強かろうと下品で汚い辺境騎士団など同じ騎士ではない思っているのだろう。
だがそれは直せといってすぐに直せるものでもないし、下品だろうとやることはやっているのだ。これが俺らなのだからもうほっとけ!というのが先代からのスタンスだ。
イメージ悪いことでの弊害もあるにはあるし、どうにかしたいけどどうにもならないので正直諦めていた。
「そんなわけでイメージを変えていきましょう」
「・・・はぁ」
「極端な話、イメージを変えて人気者にさえなれば、寄付金は今の何倍も集められるようになるのよ」
エーペレスさんの言葉に、俺は生返事をするしかない。それが簡単に出来るならもう既にやってる・・・かもしれない。
「あぁ、別にあなた達自身を無理に全部変える必要はないわ」
「・・・え?」
「変えられるところを変えていきましょう」
エーペレスさんの提案はこうだ。
ルーデル率いる辺境騎士団は「黒の騎士団」と呼ばれている。いかにもダーティーなイメージがあるが、それを逆手にとって人気に繋げるのだという。
「黒の騎士団」の「黒」をシンボルカラーとし、領地外で人の目に触れるルーデル家の人間は全てこれから新しく制作する黒色の服を着てもらう。使う馬車も黒色に改装する。そうだどうせなら馬も黒いのにしましょう。
まずは見た目からわかりやすく変われば、人の印象も案外コロッと変わってしまうものなのよと、そこまでエーペレスさんが言ったところで俺は待ったをかけた。
「ちょっと待ってください。なんですかそれは?そんな恥ずかしい真似ができるわけないでしょうが!道化になれと?」
俺達に歌劇団か何かになれというのか?
「ショウ。貴方は見た目もいいし、ルーデルの代表なんだから特に映えるようにしないとね」
エーペレスさんは話を聞いていない。
「そりゃイメージも変えられて寄付金もそれなりに集まるなら、こんないい話はありませんがね。けど少々短絡的では・・・」
「統一感を持たせることで『黒の騎士団』を印象付けるのよ。服もこれから制作にとりかかるわ。段取りから費用まで全部私に任せなさい」
エーペレスさんは話を聞いていない!
「いや、ですから・・・」
「やるのよ!道化になるだけでルーデルの懐具合を改善できる可能性があるなら、安いものでしょう」
「その・・・」
「 や る の よ 」
「・・・はぁ」
エーペレスさんの威圧に、ついに俺も抵抗することをやめた。
アイディアを聞いてくれとやってきた割には、自分の案を実行してもらうこと前提だったようだ。相変わらず自由で勝手な人である。有無を言わさず、といった感じだ。
「エーペレス様。お言葉ですが・・・」
おっ?流石に見かねたのかオミトが助け船を出してくれそうだ。
「やってくれないの?(涙目)」
「やりましょう」
しかしエーペレスさんが悲し気(フリ)な顔を見せると、彼女に甘いオミトは即座に頷いてしまった。
おい(怒
「いいから私に任せなさい」
そういうエーペレスさんに俺は不安な気持ちしか抱けなかった。大恥をかいて失敗するだけのような気がするが、費用は出してくれると言ってくれているし、俺の気持ちの問題だけで実際損失がないなら駄目で元々でやるしかないのだろう。
こうしてルーデル家の懐事情を改善するための起死回生の一手は、ルーデルきっての変人に託されることになった。
そして良いんだか悪いんだか、その変人の作戦は成功してしまうのである。
嫡男であったトウシとは歳が離れており、トウシの長男リュートとは6歳しか違わない。
長く綺麗な黒い髪、スラッと伸びた体つきに、目鼻立ちのはっきりした美人となった彼女は、ランドール王国でも屈指の美人と言われた。
しかし彼女は「どうしてあの親からこの子が」と言われるほど、両親とは似つかないお転婆で奔放に育ち、ルーデル家きっての変わり者とカテゴライズされてしまう。
「ちょっと乗馬してくる」と言ったかと思えば野宿をしながら国を一周したり、「食事に行ってきます」と言っては何か国か回って食べ歩き、数か月後に帰ってくるなど奇行が目立った。
常にじっとしていられないエーぺレスに嘆きつつも、恋に夢中になれば変わるかと期待をして父親は何度か婚約者をあてがっては見たが、あまりの奔放っぷりに疲れてしまったのかその悉くが逃げ出した。
勇猛果敢な武人で名をはせた父親ですらついに心を折り、淑女として貴族の責務を果たせぬのならと、エーぺレスをルーデルから除籍とする代わりにもう好きに生きろと彼女に告げた。
「ありがとうございます。これでワタクシ自由ですのね!」
既に十二分に自由を謳歌していたのでは?とオミトは思ったが、彼は心底嬉しそうに荷物をまとめていくエーペレスを笑顔で見送った。経済支援を一切受けることなく、彼女は17歳で単身外国へ渡っていった。
その2年後、どのようにして稼いだのかは不明だが、生まれてからこれまでにエーペレスにかかった費用を越える金がルーデル家に送られたという。
「知らぬ。あれはもう死んだのだ」
エーペレスとは仲の良かったショウは、突如としていなくなった叔母について祖父に聞いてもこうとしか返ってこなかった。
「あの方はいつでも私たちの心の中にいます」
オミトに聞くと、彼は慢心の笑みでこう語った。まるで死んでしまったみたいな言い方だが、オミトの心の中にはいつだってエーペレスがいるんだなとショウは思った。
だが父トウシが家督を継ぎ、祖父母が王都に隠居すると、たまにひょっこりとエーペレスは顔を出すようになった。数日ほどこちらに滞在することもあれば、半日さえいないこともある。数週間でまた顔出すこともあれば、数か月音沙汰がないのもしばしば。
とにかく雲のようにつかめない、どこまでも自由なのがショウの叔母、エーペレスであった。
----------
「寄付金・・・ですか?」
そんな自由奔放なエーペレスさんが言ったルーデルの苦境を救うワード・・・それは『寄付金』であった。
「そうよ。コストカットも限界で税収を増やすのも難しいとなれば、寄付金を増やせばいいのよ」
随分と簡単なようにそう言うエーペレスさんに、俺は思わず本日何度目かのため息をもらしてしまう。
「増やせばいいのよ、ってどうやって増やすんですか?エーペレスさんが寄付してくれるんですか?」
「別にそれでもいいけど、それに依存してるともし私に何かがあったときにまた同じ問題に直面することになるわ」
それでもいいけど、ってそれだけの財力を持っているってこと?この人は本当に普段何をしている人なんだ・・・
「まぁ、確かにルーデル家への寄付金は年々減少してますね」
オミトが言う。
有難いことにルーデルにも毎年少なからず寄付金は送られてくる。
退役した騎士であったり、保守的な貴族だったり、国防を担うルーデル家の活躍に感謝している旨を手紙にしたためながら寄付して下さる方々がいるのだ。
だが年々、その方々も高齢で亡くなったりすることでその額は減少傾向にある。また、辺境で敵を食い止め続けて中央が平和を維持することで、皮肉にも軍縮を叫ぶ声が上がるようになってしまったのも寄付金の減少にもつながっている。
とはいえ寄付金は人の善意による施しだ。元よりアテにはしていないし、それをアテにする領地運営など論外と俺は考える。
「寄付金が貰えるのをただ待つだけじゃないの。取りにいく気持ちで行くのよ」
「・・・はぁ」
「まず寄付金の減少の最大の理由は、ルーデル家のイメージが良くないからだと思うわ」
エーペレスさんの言葉にズキリと胸が痛む。それはわかっている。そうだろうなとは思う。
ルーデル家が慢性的に抱える問題に金の不足、人の不足、そしてイメージの悪さがある。金についてはもはや説明不要だろう。次に人。あまり平和な土地とは言えないので、とにかく住民が中々寄り付かない。税を安く設定しているのでそれでもいくらかは人が流れてくるが・・・
そしてイメージの悪さ。
ルーデル家はランドール王国の辺境を守る最強の騎士団を率いている・・・という世間の認知があるが、この騎士団がやはり戦いに明け暮れているからか辺境にいるせいか品がない、というイメージが広まっている。
実際に王都で式典があるときなどにうちの騎士団を派遣することがあるのだが、そこでも他の騎士団と揉めたり酒場で騒ぎを起こしたりとすることがある。
城下町を歩いているときも市井の目はどこか汚いものを見るというか、少なくとも良いイメージを抱いていないのはわかった。着せてる鎧もちょっとボロかったりするしな。仕方がないかもしれん。
口が悪い、礼儀を知らない、下品、見苦しい、臭そう、中央務めの騎士様はどうにも辺境騎士団をそのように見るので何かの拍子にこちらと衝突する。そしてその話が市井にも広まることでイメージがどんどん悪くなる。ルードの田舎騎士だ、などと。
俺達は辺境で日々、ランドール王国の外敵から身を護るために必死でやってはいるのだが、実際に戦場におらず平和な王都で訓練にのみ明け暮れる騎士様からすれば、腕っぷしが強かろうと下品で汚い辺境騎士団など同じ騎士ではない思っているのだろう。
だがそれは直せといってすぐに直せるものでもないし、下品だろうとやることはやっているのだ。これが俺らなのだからもうほっとけ!というのが先代からのスタンスだ。
イメージ悪いことでの弊害もあるにはあるし、どうにかしたいけどどうにもならないので正直諦めていた。
「そんなわけでイメージを変えていきましょう」
「・・・はぁ」
「極端な話、イメージを変えて人気者にさえなれば、寄付金は今の何倍も集められるようになるのよ」
エーペレスさんの言葉に、俺は生返事をするしかない。それが簡単に出来るならもう既にやってる・・・かもしれない。
「あぁ、別にあなた達自身を無理に全部変える必要はないわ」
「・・・え?」
「変えられるところを変えていきましょう」
エーペレスさんの提案はこうだ。
ルーデル率いる辺境騎士団は「黒の騎士団」と呼ばれている。いかにもダーティーなイメージがあるが、それを逆手にとって人気に繋げるのだという。
「黒の騎士団」の「黒」をシンボルカラーとし、領地外で人の目に触れるルーデル家の人間は全てこれから新しく制作する黒色の服を着てもらう。使う馬車も黒色に改装する。そうだどうせなら馬も黒いのにしましょう。
まずは見た目からわかりやすく変われば、人の印象も案外コロッと変わってしまうものなのよと、そこまでエーペレスさんが言ったところで俺は待ったをかけた。
「ちょっと待ってください。なんですかそれは?そんな恥ずかしい真似ができるわけないでしょうが!道化になれと?」
俺達に歌劇団か何かになれというのか?
「ショウ。貴方は見た目もいいし、ルーデルの代表なんだから特に映えるようにしないとね」
エーペレスさんは話を聞いていない。
「そりゃイメージも変えられて寄付金もそれなりに集まるなら、こんないい話はありませんがね。けど少々短絡的では・・・」
「統一感を持たせることで『黒の騎士団』を印象付けるのよ。服もこれから制作にとりかかるわ。段取りから費用まで全部私に任せなさい」
エーペレスさんは話を聞いていない!
「いや、ですから・・・」
「やるのよ!道化になるだけでルーデルの懐具合を改善できる可能性があるなら、安いものでしょう」
「その・・・」
「 や る の よ 」
「・・・はぁ」
エーペレスさんの威圧に、ついに俺も抵抗することをやめた。
アイディアを聞いてくれとやってきた割には、自分の案を実行してもらうこと前提だったようだ。相変わらず自由で勝手な人である。有無を言わさず、といった感じだ。
「エーペレス様。お言葉ですが・・・」
おっ?流石に見かねたのかオミトが助け船を出してくれそうだ。
「やってくれないの?(涙目)」
「やりましょう」
しかしエーペレスさんが悲し気(フリ)な顔を見せると、彼女に甘いオミトは即座に頷いてしまった。
おい(怒
「いいから私に任せなさい」
そういうエーペレスさんに俺は不安な気持ちしか抱けなかった。大恥をかいて失敗するだけのような気がするが、費用は出してくれると言ってくれているし、俺の気持ちの問題だけで実際損失がないなら駄目で元々でやるしかないのだろう。
こうしてルーデル家の懐事情を改善するための起死回生の一手は、ルーデルきっての変人に託されることになった。
そして良いんだか悪いんだか、その変人の作戦は成功してしまうのである。
1
お気に入りに追加
664
あなたにおすすめの小説
レベルが上がらずパーティから捨てられましたが、実は成長曲線が「勇者」でした
桐山じゃろ
ファンタジー
同い年の幼馴染で作ったパーティの中で、ラウトだけがレベル10から上がらなくなってしまった。パーティリーダーのセルパンはラウトに頼り切っている現状に気づかないまま、レベルが低いという理由だけでラウトをパーティから追放する。しかしその後、仲間のひとりはラウトについてきてくれたし、弱い魔物を倒しただけでレベルが上がり始めた。やがてラウトは精霊に寵愛されし最強の勇者となる。一方でラウトを捨てた元仲間たちは自業自得によるざまぁに遭ったりします。※小説家になろう、カクヨムにも同じものを公開しています。
僕の秘密を知った自称勇者が聖剣を寄越せと言ってきたので渡してみた
黒木メイ
ファンタジー
世界に一人しかいないと言われている『勇者』。
その『勇者』は今、ワグナー王国にいるらしい。
曖昧なのには理由があった。
『勇者』だと思わしき少年、レンが頑なに「僕は勇者じゃない」と言っているからだ。
どんなに周りが勇者だと持て囃してもレンは認めようとしない。
※小説家になろうにも随時転載中。
レンはただ、ある目的のついでに人々を助けただけだと言う。
それでも皆はレンが勇者だと思っていた。
突如日本という国から彼らが転移してくるまでは。
はたして、レンは本当に勇者ではないのか……。
ざまぁあり・友情あり・謎ありな作品です。
※小説家になろう、カクヨム、ネオページにも掲載。
大器晩成エンチャンター~Sランク冒険者パーティから追放されてしまったが、追放後の成長度合いが凄くて世界最強になる
遠野紫
ファンタジー
「な、なんでだよ……今まで一緒に頑張って来たろ……?」
「頑張って来たのは俺たちだよ……お前はお荷物だ。サザン、お前にはパーティから抜けてもらう」
S級冒険者パーティのエンチャンターであるサザンは或る時、パーティリーダーから追放を言い渡されてしまう。
村の仲良し四人で結成したパーティだったが、サザンだけはなぜか実力が伸びなかったのだ。他のメンバーに追いつくために日々努力を重ねたサザンだったが結局報われることは無く追放されてしまった。
しかしサザンはレアスキル『大器晩成』を持っていたため、ある時突然その強さが解放されたのだった。
とてつもない成長率を手にしたサザンの最強エンチャンターへの道が今始まる。
凡人がおまけ召喚されてしまった件
根鳥 泰造
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。
仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。
それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。
異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。
最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。
だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。
祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。
治療院の聖者様 ~パーティーを追放されたけど、俺は治療院の仕事で忙しいので今さら戻ってこいと言われてももう遅いです~
大山 たろう
ファンタジー
「ロード、君はこのパーティーに相応しくない」
唐突に主人公:ロードはパーティーを追放された。
そして生計を立てるために、ロードは治療院で働くことになった。
「なんで無詠唱でそれだけの回復ができるの!」
「これぐらいできないと怒鳴られましたから......」
一方、ロードが追放されたパーティーは、だんだんと崩壊していくのだった。
これは、一人の少年が幸せを送り、幸せを探す話である。
※小説家になろう様でも連載しております。
2021/02/12日、完結しました。
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
えっ、能力なしでパーティ追放された俺が全属性魔法使い!? ~最強のオールラウンダー目指して謙虚に頑張ります~
たかたちひろ【令嬢節約ごはん23日発売】
ファンタジー
コミカライズ10/19(水)開始!
2024/2/21小説本編完結!
旧題:えっ能力なしでパーティー追放された俺が全属性能力者!? 最強のオールラウンダーに成り上がりますが、本人は至って謙虚です
※ 書籍化に伴い、一部範囲のみの公開に切り替えられています。
※ 書籍化に伴う変更点については、近況ボードを確認ください。
生まれつき、一人一人に魔法属性が付与され、一定の年齢になると使うことができるようになる世界。
伝説の冒険者の息子、タイラー・ソリス(17歳)は、なぜか無属性。
勤勉で真面目な彼はなぜか報われておらず、魔法を使用することができなかった。
代わりに、父親から教わった戦術や、体術を駆使して、パーティーの中でも重要な役割を担っていたが…………。
リーダーからは無能だと疎まれ、パーティーを追放されてしまう。
ダンジョンの中、モンスターを前にして見捨てられたタイラー。ピンチに陥る中で、その血に流れる伝説の冒険者の能力がついに覚醒する。
タイラーは、全属性の魔法をつかいこなせる最強のオールラウンダーだったのだ! その能力のあまりの高さから、あらわれるのが、人より少し遅いだけだった。
タイラーは、その圧倒的な力で、危機を回避。
そこから敵を次々になぎ倒し、最強の冒険者への道を、駆け足で登り出す。
なにせ、初の強モンスターを倒した時点では、まだレベル1だったのだ。
レベルが上がれば最強無双することは約束されていた。
いつか彼は血をも超えていくーー。
さらには、天下一の美女たちに、これでもかと愛されまくることになり、モフモフにゃんにゃんの桃色デイズ。
一方、タイラーを追放したパーティーメンバーはというと。
彼を失ったことにより、チームは瓦解。元々大した力もないのに、タイラーのおかげで過大評価されていたパーティーリーダーは、どんどんと落ちぶれていく。
コメントやお気に入りなど、大変励みになっています。お気軽にお寄せくださいませ!
・12/27〜29 HOTランキング 2位 記録、維持
・12/28 ハイファンランキング 3位
外れスキル《コピー》を授かったけど「無能」と言われて家を追放された~ だけど発動条件を満たせば"魔族のスキル"を発動することができるようだ~
そらら
ファンタジー
「鑑定ミスではありません。この子のスキルは《コピー》です。正直、稀に見る外れスキルですね、何せ発動条件が今だ未解明なのですから」
「何てことなの……」
「全く期待はずれだ」
私の名前はラゼル、十五歳になったんだけども、人生最悪のピンチに立たされている。
このファンタジックな世界では、15歳になった際、スキル鑑定を医者に受けさせられるんだが、困ったことに私は外れスキル《コピー》を当ててしまったらしい。
そして数年が経ち……案の定、私は家族から疎ましく感じられてーーついに追放されてしまう。
だけど私のスキルは発動条件を満たすことで、魔族のスキルをコピーできるようだ。
そして、私の能力が《外れスキル》ではなく、恐ろしい能力だということに気づく。
そんでこの能力を使いこなしていると、知らないうちに英雄と呼ばれていたんだけど?
私を追放した家族が戻ってきてほしいって泣きついてきたんだけど、もう戻らん。
私は最高の仲間と最強を目指すから。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる