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終焉
再構築
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「へぇ・・・ありゃすげえな」
天災という天災が降りかかり、みるみる滅びゆくサンクレアを遠目に見ながらカイは呟いた。
どれだけの人間が死んでいるのだろう。サンクレアでは国民の多くが既に移動済みとはいえ、それでも万単位で人はいたはずだ。
それが今、なすすべもなく命を失っている。
悍ましい光景だが、カイはそこまで感傷的になることはなかった。
全国民に聞こえるよう、警告は発した。それを承知で彼らは残っていたのだから。
「神の怒りです。それも永きに渡って溜め込められたもの・・・それが今吐き出されているわけですねぇ」
突然に、何の気配も無くカイの隣にベルスが立っていた。
ベルスが言葉を発するまで全く接近にも気づけなかったカイは、一瞬唖然としていたが、それでもすぐに苦笑いを浮かべて口を開く。
「神の国サンクレアと呼ばれた国が、神の怒りで滅ぶとはな」
皮肉過ぎる皮肉に、カイはクックッと低く笑う。
「サンクレアはあまりに傲慢過ぎた。神の代行と称し、自分達の意に沿わぬ全てを滅しようとした。それは神の代行ではなく、神そのものに成り代わろうとする愚行です。神は自らを模そうとする者を最も嫌います。故にサンクレアは滅ぶことが決まりました。世界各地に点在するサンクレアの領地も、一日置きに順次同じ災害が起こるように決まっています」
「それは恐ろしい」
「サンクレア本国が滅ぶことで、既に警告は発せられました。一日、また一日とラビスとゆかりのある場が滅べば、よほど愚鈍な者でない限りは気付くでしょう。ラビス教にいると滅ぶと」
「どうかなぁ。結構盲信しちゃってるやつも多いからなぁ」
「ならば滅ぶだけです。この世界はラビス、サンクレアによって歪みに歪んでしまいました。これから始まるのは再構築。新しい世界。新しい世界にはただ神に縋るだけの愚鈍なる人間は必要ありません」
ベルスはあくまで淡々と言った。
そこには何の感情も見られない。
「それが神の・・・貴方の意思か?」
カイの問いかけに、ベルスは微笑を浮かべ頷いて肯定した。
天災という天災が降りかかり、みるみる滅びゆくサンクレアを遠目に見ながらカイは呟いた。
どれだけの人間が死んでいるのだろう。サンクレアでは国民の多くが既に移動済みとはいえ、それでも万単位で人はいたはずだ。
それが今、なすすべもなく命を失っている。
悍ましい光景だが、カイはそこまで感傷的になることはなかった。
全国民に聞こえるよう、警告は発した。それを承知で彼らは残っていたのだから。
「神の怒りです。それも永きに渡って溜め込められたもの・・・それが今吐き出されているわけですねぇ」
突然に、何の気配も無くカイの隣にベルスが立っていた。
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「サンクレアはあまりに傲慢過ぎた。神の代行と称し、自分達の意に沿わぬ全てを滅しようとした。それは神の代行ではなく、神そのものに成り代わろうとする愚行です。神は自らを模そうとする者を最も嫌います。故にサンクレアは滅ぶことが決まりました。世界各地に点在するサンクレアの領地も、一日置きに順次同じ災害が起こるように決まっています」
「それは恐ろしい」
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「どうかなぁ。結構盲信しちゃってるやつも多いからなぁ」
「ならば滅ぶだけです。この世界はラビス、サンクレアによって歪みに歪んでしまいました。これから始まるのは再構築。新しい世界。新しい世界にはただ神に縋るだけの愚鈍なる人間は必要ありません」
ベルスはあくまで淡々と言った。
そこには何の感情も見られない。
「それが神の・・・貴方の意思か?」
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