聖騎士は 愛のためなら 闇に墜つ

はにわ

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反逆

愛する男のメッキが剥げる

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アドルは息子たちにとって完璧だった。
そうした自分を見せることで息子たちが志高く、真っすぐ育ってくれることがアドルには楽しみだった。
だが、その楽しみはカイによって壊されてしまった。
他でもない、自分の行動のせいではあるという事実に、アドルは呆然として立ち尽くす。

絶望しているアドルを見て、自分の大事な者を奪った者に対する復讐心が満たされたカイだが、しかしこれで終わりではない。


「そういえばもう一つあるんですよね?アドル団長が内緒にしていることが」


「!?」


カイが発した言葉に、アドルは目を見開く。
今度は何を言う気だ?
いや、すぐにでも黙らせなければならない!しかし、自分の子供たちはカイの間合いの中にいる。
アドルは葛藤した。どうにか隙を作り、一瞬でカイの首をはねることはできないか。そんな迷いを見せていたアドルだが、カイの後ろから姿を現した者を見て、思考が停止した。


「カトレア!」


現れたのはアドルの妻であるカトレアだった。
アドルの最愛の女性・・・自分の人生を賭してでも幸福を願う相手。
だが、そんな最愛の女性であるカトレアは、何やら気まずそうな表情でアドルのことを見ていた。


「カトレア・・・?」


アドルは自分の背中に冷たいものが流れた気がした。
嫌な予感がする。カイは再び何かを仕掛けてくるのではないか?
アドルは警戒していたが、案の定カイは最悪の罠を仕掛けてきた。


「アドル団長。確かアドル団長が奥様…カトレアさんに求婚したのは、ミカエル様への当てつけなのでしたよね?」


「なっ!?」


アドルの頬が強張る。

図星だからだ。
いや、最終的には本当にカトレアを愛していた。だから結婚を申し込んだ。だが、今日を含めてミカエルへの当てつけの意が全くなかったわけではない。
アドルとミカエルの確執を知っていたカイは、アドルのそんな裏事情に予想をつけていた。
カトレアは確かに素晴らしい女性だが、恐らくミカエルとの確執も彼女を選んだ要因の一つではないかとカイは予測していたのだ。
そしてそれは見事に的中してしまったことを、アドル自身の態度によって知らしめてしまったのである。


「あなた・・・まさか、それは本当なの?」


震える声で、カトレアがそう問いかける。


「違うっ!!」


反射的にアドルはそう答える。これがまずかった。

カトレアが驚きで目を見張ったのを見て、アドルは察した。
「カトレアの能力で、今アドルが言ったことに『嘘』が含まれている」ことを。
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