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反逆
滅茶苦茶な聖騎士
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「・・・あぁ?」
カイは止まらぬ剣撃によって、クリスを追い詰めたと確信していた。
だが、最後に捉えた!と思った瞬間、カイの剣は何かに阻まれることになった。
「っ!!」
瞬時に、カイは直感的に危険を察知し、後方へ下がる。
僅差でカイの目の前をクリスの大剣の切っ先が通り抜けていった。あと一瞬遅かったら顔面を真一文に切り裂かれていたことだろう。
「あらあらウフフ♪今のは流石にしてやったりと思ったのですけど、ワタクシのカイですわ」
そう言うクリスは妖艶な笑みを浮かべながら大剣を構え直す。
「ありかよ、そういうの」
カイは呆然として呟いた。
クリスの大剣はいつの間にか二本になっていたのだ。右手の大剣は冗談に構え、左手のそれは下段構え。線の細い少女が身の丈以上の大剣を両手に持っている姿は異様である。
だが、大剣を振り回すが常のクリスからするとこれはハッタリでもなんでもない。実際に彼女は持て余すことなく大剣二刀流を扱えるとわかっているからこそ、カイは恐れを抱いていた。
「ウッフフ。我が聖剣は無形にて変幻自在。カイを相手にする場合、これまでのスタイルですと手数で負けてしまうので、二刀にすれば攻守一体で互角に戦えるようになる・・・そう考えて編み出したのですわ♪」
「お前は何を言ってるんだ」
思わず軽口を叩くカイだが、実際のところ冷や汗が止まらなかった。
クリスが言うのは滅茶苦茶な理論だが、クリスはカイにも負けぬ腕力を持っており、大剣を軽々と扱える。体積のでかい大剣を攻撃兼防御に使われるので、先ほどと違い確かに隙がない。
「行きますわ!」
おしゃべりもそこそこに、クリスは回転しながら二刀を振り回し、竜巻のようになってカイに迫る。
(まずいっ!)
たまらずカイは上空で飛び逃げるが、クリスはピタリと回転を止めると、空中で無防備になったカイを追撃するように自身も飛んだ。
「ちっ」
クリスの斬撃をカイが剣で受ける。変幻自在といえどクリスの聖剣の質量は本物だ。大剣は大剣の重さを持っている。剣で受けたとはいえ、巨大な鉄塊に殴られたも同然のカイは、吹き飛ばされ地面に体を叩きつけられた。
「ぐっ・・・」
受け身を取ったがダメージが大きく、剣を受けた手が痺れていた。
(今畳みかけられたらキツイ)
そう警戒するが、クリスは畳みかけてくることはせず、立ち止まってゆっくりとカイに向き直る。
「すぐに終わらせるなんて野暮はしませんわ♪楽しみましょう・・・」
ペロリと唇を舐めるクリスは、カイとの戦いを心から楽しんでいた。
「やっぱ滅茶苦茶だわクリス。ほんと、苦手だなお前だけは」
カイはそう言ってクリスを睨みつける。クリスはその視線を正面から受け止め、嬉しそうに微笑んでいた。
カイは止まらぬ剣撃によって、クリスを追い詰めたと確信していた。
だが、最後に捉えた!と思った瞬間、カイの剣は何かに阻まれることになった。
「っ!!」
瞬時に、カイは直感的に危険を察知し、後方へ下がる。
僅差でカイの目の前をクリスの大剣の切っ先が通り抜けていった。あと一瞬遅かったら顔面を真一文に切り裂かれていたことだろう。
「あらあらウフフ♪今のは流石にしてやったりと思ったのですけど、ワタクシのカイですわ」
そう言うクリスは妖艶な笑みを浮かべながら大剣を構え直す。
「ありかよ、そういうの」
カイは呆然として呟いた。
クリスの大剣はいつの間にか二本になっていたのだ。右手の大剣は冗談に構え、左手のそれは下段構え。線の細い少女が身の丈以上の大剣を両手に持っている姿は異様である。
だが、大剣を振り回すが常のクリスからするとこれはハッタリでもなんでもない。実際に彼女は持て余すことなく大剣二刀流を扱えるとわかっているからこそ、カイは恐れを抱いていた。
「ウッフフ。我が聖剣は無形にて変幻自在。カイを相手にする場合、これまでのスタイルですと手数で負けてしまうので、二刀にすれば攻守一体で互角に戦えるようになる・・・そう考えて編み出したのですわ♪」
「お前は何を言ってるんだ」
思わず軽口を叩くカイだが、実際のところ冷や汗が止まらなかった。
クリスが言うのは滅茶苦茶な理論だが、クリスはカイにも負けぬ腕力を持っており、大剣を軽々と扱える。体積のでかい大剣を攻撃兼防御に使われるので、先ほどと違い確かに隙がない。
「行きますわ!」
おしゃべりもそこそこに、クリスは回転しながら二刀を振り回し、竜巻のようになってカイに迫る。
(まずいっ!)
たまらずカイは上空で飛び逃げるが、クリスはピタリと回転を止めると、空中で無防備になったカイを追撃するように自身も飛んだ。
「ちっ」
クリスの斬撃をカイが剣で受ける。変幻自在といえどクリスの聖剣の質量は本物だ。大剣は大剣の重さを持っている。剣で受けたとはいえ、巨大な鉄塊に殴られたも同然のカイは、吹き飛ばされ地面に体を叩きつけられた。
「ぐっ・・・」
受け身を取ったがダメージが大きく、剣を受けた手が痺れていた。
(今畳みかけられたらキツイ)
そう警戒するが、クリスは畳みかけてくることはせず、立ち止まってゆっくりとカイに向き直る。
「すぐに終わらせるなんて野暮はしませんわ♪楽しみましょう・・・」
ペロリと唇を舐めるクリスは、カイとの戦いを心から楽しんでいた。
「やっぱ滅茶苦茶だわクリス。ほんと、苦手だなお前だけは」
カイはそう言ってクリスを睨みつける。クリスはその視線を正面から受け止め、嬉しそうに微笑んでいた。
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