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ドラゴンパニック その4
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シュウとドラゴンの睨みあいは長くは続かなかった。
一瞬間を置いたかと思うと、ドラゴンがすぐに仕掛けてきたからだ。
「っ!!」
かぎ爪。
その巨体からは信じられないほどの速さで、ドラゴンはシュウに左手(足?)によるかぎ爪を繰り出してきた。
僅かに掠っただけで致命傷になりかねないほど鋭く重い一撃は、シュウの頭のギリギリ数センチ手前を掠めて不発に終わる。
だが、ドラゴンの攻撃はそれでは終わらない。
数秒のラグで二撃、三撃目とかぎ爪が次々と繰り出される。
(速い!けど・・・)
当たれば一瞬で昇天しかねない必殺の一撃だが、シュウにとってはまだどうにかあしらえる程度の速度だった。
一先ず速度的にはどうにかなるだろうと安堵すると同時に、一つの事に気が付いた。最初に僅かに疑問に思ったように、建物を破壊するまでの大暴れをしないということに。
魔物じじい家は、膨大な魔物を収容するために広大なダンジョンのような作りをしている。
当然収容するためには魔物を連れてこないといけないために通路はかなり広く作られているが、今シュウと対峙しているドラゴンにとっては狭い。
だからドラゴンが気兼ねなく暴れれば、絶対にその巨体がぶつかって通路の壁から天井から大きく損壊を見せているはずだった。
しかし、ドラゴンは建物を破壊しないように気を遣い、シュウに対しても最小限の動きで攻撃を仕掛けているように見えた。
(崩落で自分が動けなくなることを懸念している・・・?いずれにせよ好都合か?)
理由はどうあれ、ドラゴンが建物の破壊を極力避けている以上は、攻撃のバリエーションは限られる。
尻尾を振り回すこともしなければ、もっとも警戒していた口からのブレス攻撃をしてくることもないだろう。
そうであればかぎ爪程度の攻撃なら見切りやすいため、時間稼ぎどころか引き付けてフローラのいる部屋から遠ざけることだって可能かもしれない。
この状況は、最初に対峙したときには考えてもいなかった楽観視できる要素だ。
(しかし・・・)
シュウにはどうしても拭えない懸念があった。
「グォォォォォォ!!」
ドラゴンが叫びを上げる。
「あいつ・・・何だか興奮してない?」
シュウから見て、ドラゴンは徐々に興奮しているように見えた。
敵を前にしていきり立つのとは違うように感じてならず、どちらかというと子供が遊びではしゃぎすぎているような、そんな風にシュウは感じてならなかった。
予感がした。
なんかとてつもないものが来ると。
そしてその予感は、当たることになった。
一瞬間を置いたかと思うと、ドラゴンがすぐに仕掛けてきたからだ。
「っ!!」
かぎ爪。
その巨体からは信じられないほどの速さで、ドラゴンはシュウに左手(足?)によるかぎ爪を繰り出してきた。
僅かに掠っただけで致命傷になりかねないほど鋭く重い一撃は、シュウの頭のギリギリ数センチ手前を掠めて不発に終わる。
だが、ドラゴンの攻撃はそれでは終わらない。
数秒のラグで二撃、三撃目とかぎ爪が次々と繰り出される。
(速い!けど・・・)
当たれば一瞬で昇天しかねない必殺の一撃だが、シュウにとってはまだどうにかあしらえる程度の速度だった。
一先ず速度的にはどうにかなるだろうと安堵すると同時に、一つの事に気が付いた。最初に僅かに疑問に思ったように、建物を破壊するまでの大暴れをしないということに。
魔物じじい家は、膨大な魔物を収容するために広大なダンジョンのような作りをしている。
当然収容するためには魔物を連れてこないといけないために通路はかなり広く作られているが、今シュウと対峙しているドラゴンにとっては狭い。
だからドラゴンが気兼ねなく暴れれば、絶対にその巨体がぶつかって通路の壁から天井から大きく損壊を見せているはずだった。
しかし、ドラゴンは建物を破壊しないように気を遣い、シュウに対しても最小限の動きで攻撃を仕掛けているように見えた。
(崩落で自分が動けなくなることを懸念している・・・?いずれにせよ好都合か?)
理由はどうあれ、ドラゴンが建物の破壊を極力避けている以上は、攻撃のバリエーションは限られる。
尻尾を振り回すこともしなければ、もっとも警戒していた口からのブレス攻撃をしてくることもないだろう。
そうであればかぎ爪程度の攻撃なら見切りやすいため、時間稼ぎどころか引き付けてフローラのいる部屋から遠ざけることだって可能かもしれない。
この状況は、最初に対峙したときには考えてもいなかった楽観視できる要素だ。
(しかし・・・)
シュウにはどうしても拭えない懸念があった。
「グォォォォォォ!!」
ドラゴンが叫びを上げる。
「あいつ・・・何だか興奮してない?」
シュウから見て、ドラゴンは徐々に興奮しているように見えた。
敵を前にしていきり立つのとは違うように感じてならず、どちらかというと子供が遊びではしゃぎすぎているような、そんな風にシュウは感じてならなかった。
予感がした。
なんかとてつもないものが来ると。
そしてその予感は、当たることになった。
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