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危機からの突破口・・・?
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外界の助けから隔絶され、未曾有の危機にある魔物じじい宅では、今でもトールとオーガ君が突破口を見いだせず動けないままでいた。
『ゴブリン』達は部屋の入り口付近にいるようだが、飛び込んでくる気配もなく、膠着状態になっている。
トールとしてはすぐにでも部屋を飛び出たいところだが、『ゴブリン』が何人どのように待機しているかわからず、結局出方に迷うだけで時間を浪費することしかできない。
(足止めか・・・)
トールには『ゴブリン』の考えが読めていた。
外界からの助けが来ないよう手は打っていると言っても、普通に考えてそれは時限的なものだろうということは予想がつく。
だから『ゴブリン』達もその時間内で目的を達したいのだろうが、そのために邪魔であるトールの存在は極力無力化しておきたいといったところだろうと。
トールはこれまでにその持前の女運の無さに振り回され、流れに流されて生きてきた。だが、自分が敵と見なした者に良い様にされるのだけは我慢がならない。
どうにかして突破口を切り開きたいが、『ゴブリン』は相手にするのに相性が悪く、トール自慢の『勘』も強行突破はダメだと肌で告げていた。
「オーガ君、どうしたらいいと思う?」
打つ手なしと思ったトールは、思わずそうオーガ君に聞いていた。
そう問われても返答に困るだろうに・・・とはわかっていつつも、つい何気なく口にそう出てしまい「自分でもまいってんだなぁ」とトールは一人苦笑いを浮かべる。
しかし、オーガ君はトールの予想に反して答えを出した。
「もはや事態が事態です。『あれ』しかないでショウ」
「・・・『あれ』?」
オーガ君の言葉に、トールは何故だかわからないが背筋に冷たいものが流れるのを実感した。
トールの勘が告げる。とてつもなく恐ろしいことが起きると。
「ご主人様には怒られるかもしれませんガ、もはやこれしかありまセン」
オーガ君はゆっくりと部屋の隅に移動し、そして壁にかけてある絵を取り外した。
「それは・・・」
絵があった場所には、何やら小さなボタンがあった。
ゾワリと・・・それを見た瞬間トールの全身に寒気が走り出す。
「これを押すと、敷地内にいる魔物の檻が全て開放されマス」
「は?」
「私のヨウニ、物分かりが良い魔物ハごく一部・・・この場は阿鼻叫喚の地獄絵図になるカモしれまセン。ですが、このままでいるよりは良いデショウ」
「い、いや・・・それはどうかな・・・!?」
どこか目がうつろなオーガ君の言葉に、どうにか思いとどまらせられないかとトールが考えていたが、無情にもボタンは押されてしまった。
『ゴブリン』達は部屋の入り口付近にいるようだが、飛び込んでくる気配もなく、膠着状態になっている。
トールとしてはすぐにでも部屋を飛び出たいところだが、『ゴブリン』が何人どのように待機しているかわからず、結局出方に迷うだけで時間を浪費することしかできない。
(足止めか・・・)
トールには『ゴブリン』の考えが読めていた。
外界からの助けが来ないよう手は打っていると言っても、普通に考えてそれは時限的なものだろうということは予想がつく。
だから『ゴブリン』達もその時間内で目的を達したいのだろうが、そのために邪魔であるトールの存在は極力無力化しておきたいといったところだろうと。
トールはこれまでにその持前の女運の無さに振り回され、流れに流されて生きてきた。だが、自分が敵と見なした者に良い様にされるのだけは我慢がならない。
どうにかして突破口を切り開きたいが、『ゴブリン』は相手にするのに相性が悪く、トール自慢の『勘』も強行突破はダメだと肌で告げていた。
「オーガ君、どうしたらいいと思う?」
打つ手なしと思ったトールは、思わずそうオーガ君に聞いていた。
そう問われても返答に困るだろうに・・・とはわかっていつつも、つい何気なく口にそう出てしまい「自分でもまいってんだなぁ」とトールは一人苦笑いを浮かべる。
しかし、オーガ君はトールの予想に反して答えを出した。
「もはや事態が事態です。『あれ』しかないでショウ」
「・・・『あれ』?」
オーガ君の言葉に、トールは何故だかわからないが背筋に冷たいものが流れるのを実感した。
トールの勘が告げる。とてつもなく恐ろしいことが起きると。
「ご主人様には怒られるかもしれませんガ、もはやこれしかありまセン」
オーガ君はゆっくりと部屋の隅に移動し、そして壁にかけてある絵を取り外した。
「それは・・・」
絵があった場所には、何やら小さなボタンがあった。
ゾワリと・・・それを見た瞬間トールの全身に寒気が走り出す。
「これを押すと、敷地内にいる魔物の檻が全て開放されマス」
「は?」
「私のヨウニ、物分かりが良い魔物ハごく一部・・・この場は阿鼻叫喚の地獄絵図になるカモしれまセン。ですが、このままでいるよりは良いデショウ」
「い、いや・・・それはどうかな・・・!?」
どこか目がうつろなオーガ君の言葉に、どうにか思いとどまらせられないかとトールが考えていたが、無情にもボタンは押されてしまった。
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