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魔物じじい宅包囲網
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魔物じじい宅の中で『ゴブリン』の突入があったその頃・・・
「い、一体何が起きてんだ・・・?」
アンドレアのとある町の住人は、いつも通っている道が騎士達によって封鎖されているのを目の当たりにし、茫然とした。
「ここは今封鎖中である。いかなる理由があろうとも立ち入ることはできない」
魔物じじい宅周辺はある完全装備した騎士達によって厳戒態勢が敷かれていた。
その騎士達はアンドレアのある地方を治める領主の元に属する騎士達・・・『領主軍』であり、一応はこの地において最も力を持っている勢力である。
一時間前・・・領主軍は突然に表れ、領主からの発令書を掲げながら、魔物じじい宅周辺一帯を完全封鎖した。
地域住民はおろか、魔物じじい宅を警護する各国各組織から派遣された警護団すらも強制的にエリア外に退避させた領主軍は、ネズミ一匹通さないほどの厳戒態勢で魔物じじい宅を包囲したが、それはある目的のためであった。
それは『ゴブリン』による魔物じじい襲撃時、邪魔が一切入らないようにするためである。
領主はマルスから様々な理由で金銭的な援助を受けているために逆らうことが出来ず、マルスを介してのルドルフからの要請に従ってこのようなことになっていた。
魔物じじいの家は、世界中の権力者達から警護団を派遣されて常時守られているという、極めて特殊な環境に置かれている。
だが、それはあくまで表には上がっていない話のこと。表の世界でのこの地の権力者である領主が命令を発すれば、魔物じじい宅周辺の人払いをすることも不可能ではない。
警護団とて任務を帯びてこの地にいるとはいえ、表の支配者である領主が退けと言えば一旦は退かねばならないからだ。
しかし、それとて限度がある。
魔物じじいは世界中の権力者達が重宝している存在だ。彼に何かあっては困るため、たかが領主一人の都合のために警備を手薄にするわけにはいかない。
魔法通信による警護団の報告が上に上がれば、ただちに領主に対して抗議がされることになるだろう。そしてそうなれば領主といえど、魔物じじい宅の封鎖を解かねばならない。
だが、ルドルフ達からすればその封鎖が解かれるまでの間の時間があれば良かった。
一時間か二時間か、領主の命令が有効になっている間ならば、魔物じじい宅に異変があっても誰も助けには来られない。その間に目的を済ませてしまえば良い。
魔物じじい宅は、今や陸と孤島となっていた。
助けを呼んでも助けは来ず、逃げようとしても包囲されている。
ルドルフの魔の手がいよいよシュウ達の首元まで迫っていた。
「い、一体何が起きてんだ・・・?」
アンドレアのとある町の住人は、いつも通っている道が騎士達によって封鎖されているのを目の当たりにし、茫然とした。
「ここは今封鎖中である。いかなる理由があろうとも立ち入ることはできない」
魔物じじい宅周辺はある完全装備した騎士達によって厳戒態勢が敷かれていた。
その騎士達はアンドレアのある地方を治める領主の元に属する騎士達・・・『領主軍』であり、一応はこの地において最も力を持っている勢力である。
一時間前・・・領主軍は突然に表れ、領主からの発令書を掲げながら、魔物じじい宅周辺一帯を完全封鎖した。
地域住民はおろか、魔物じじい宅を警護する各国各組織から派遣された警護団すらも強制的にエリア外に退避させた領主軍は、ネズミ一匹通さないほどの厳戒態勢で魔物じじい宅を包囲したが、それはある目的のためであった。
それは『ゴブリン』による魔物じじい襲撃時、邪魔が一切入らないようにするためである。
領主はマルスから様々な理由で金銭的な援助を受けているために逆らうことが出来ず、マルスを介してのルドルフからの要請に従ってこのようなことになっていた。
魔物じじいの家は、世界中の権力者達から警護団を派遣されて常時守られているという、極めて特殊な環境に置かれている。
だが、それはあくまで表には上がっていない話のこと。表の世界でのこの地の権力者である領主が命令を発すれば、魔物じじい宅周辺の人払いをすることも不可能ではない。
警護団とて任務を帯びてこの地にいるとはいえ、表の支配者である領主が退けと言えば一旦は退かねばならないからだ。
しかし、それとて限度がある。
魔物じじいは世界中の権力者達が重宝している存在だ。彼に何かあっては困るため、たかが領主一人の都合のために警備を手薄にするわけにはいかない。
魔法通信による警護団の報告が上に上がれば、ただちに領主に対して抗議がされることになるだろう。そしてそうなれば領主といえど、魔物じじい宅の封鎖を解かねばならない。
だが、ルドルフ達からすればその封鎖が解かれるまでの間の時間があれば良かった。
一時間か二時間か、領主の命令が有効になっている間ならば、魔物じじい宅に異変があっても誰も助けには来られない。その間に目的を済ませてしまえば良い。
魔物じじい宅は、今や陸と孤島となっていた。
助けを呼んでも助けは来ず、逃げようとしても包囲されている。
ルドルフの魔の手がいよいよシュウ達の首元まで迫っていた。
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