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元襲撃者は襲撃される その2
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「ちっ、俺としたことが失敗しちまった・・・」
トールは心もとない得物を握りしめながら、恨めしそうに自分が飛び込んだ部屋の入り口を睨みつけた。追撃から逃れるために思わず飛び込んだ部屋ではあるが、ここは袋小路になっている部屋であり、これ以上逃げることが出来ない場所だった。
こうなるとトール達が生き残るには、突然の襲撃者である『ゴブリン』達とここで戦うか、突破して他へ逃げる・・・もしくは、シュウ達が戻ってくるまで耐えしのぐかである。
だが、トールは『ゴブリン』の高い戦闘能力を知っている。
『ゴブリン』は各々の能力が高いだけでなく、極めて練度の高い連携が恐ろしい相手だ。
複数人の連携で来られるとトールの危険察知でもさばき切るのには限度がある。だからこれまでは絶対に戦いたくない相手だと考え、彼らとバッティングしてしまうような依頼だけは断るようにしてきたくらいだ。
果たしてシュウ達が加勢したところで、歯が立つかどうか・・・それがトールにはわからなかった。
「ったく・・・『ゴブリン』を出してくるなんて、そこまでかよ・・・」
トールはため息をつく。
『ゴブリン』は闇の世界で有名な実力派だが、汚名もまた知れている。
皇族に元で汚れ仕事をしているのもまた裏では有名であるが、その汚名ゆえに利用するには少なからず皇族の名誉を損なうリスクがあるため、ここぞという時にしか駆り出されないとされていた。
自分がそうだったように、シュウ達が狙いで『ゴブリン』が差し向けられたと予想するが、それにしても相当の執念だとトールは感心してしまう。
そしてその執念が本物ならば、襲い来る脅威はまだまだこんなものではない。トールはそう直感した。
「トールさん。外でこの家を警護している者達ニ、助けを呼びまショウ」
考えているトールに対し、オーガ君が提案した。
そこでトールは思い出す。魔物じじいの家は、世界中から勝手に派遣されている戦士達が常時警護してくれているということを。
魔物じじいはそれを嫌ってはいるが、今のようにこうして襲撃されていることを知らせれば、彼らとてすぐに助けに来てくれるはず。家主は嫌だとしても、今回ばかりは仕方がないのでそれを利用しようとトールも思った。
「一応教えといてやるぜ。外に助けを呼びに行っても無駄だぞ」
オーガ君の言葉が聞こえたのかそうでないのか、壁の向こうからそう声がしてトールはハッとした。
「今この家は、誰からの助けも望めない・・・そんな状況にある。だから俺達が投入されたのさ」
「おいおい、最初にそれ言っちゃうのかよ?期待させるだけさせて、あとで絶望させたほうがおもしろくね?」
「いけね、そうだったな?すまんすまん、トールさんよ今のは忘れてくれや!」
トールを揶揄うような『ゴブリン』達の会話のあとで、ドッと笑い声が轟いた。
(やべ、めっちゃ増えてる・・・)
笑い声からして、向こうの部屋では『ゴブリン』達の数がいつの間にか十数人に増えているいるだろうことをトールは予想し、顔を青ざめさせた。
外に助けが呼べないのが事実なら、絶体絶命の状況である。
トールは心もとない得物を握りしめながら、恨めしそうに自分が飛び込んだ部屋の入り口を睨みつけた。追撃から逃れるために思わず飛び込んだ部屋ではあるが、ここは袋小路になっている部屋であり、これ以上逃げることが出来ない場所だった。
こうなるとトール達が生き残るには、突然の襲撃者である『ゴブリン』達とここで戦うか、突破して他へ逃げる・・・もしくは、シュウ達が戻ってくるまで耐えしのぐかである。
だが、トールは『ゴブリン』の高い戦闘能力を知っている。
『ゴブリン』は各々の能力が高いだけでなく、極めて練度の高い連携が恐ろしい相手だ。
複数人の連携で来られるとトールの危険察知でもさばき切るのには限度がある。だからこれまでは絶対に戦いたくない相手だと考え、彼らとバッティングしてしまうような依頼だけは断るようにしてきたくらいだ。
果たしてシュウ達が加勢したところで、歯が立つかどうか・・・それがトールにはわからなかった。
「ったく・・・『ゴブリン』を出してくるなんて、そこまでかよ・・・」
トールはため息をつく。
『ゴブリン』は闇の世界で有名な実力派だが、汚名もまた知れている。
皇族に元で汚れ仕事をしているのもまた裏では有名であるが、その汚名ゆえに利用するには少なからず皇族の名誉を損なうリスクがあるため、ここぞという時にしか駆り出されないとされていた。
自分がそうだったように、シュウ達が狙いで『ゴブリン』が差し向けられたと予想するが、それにしても相当の執念だとトールは感心してしまう。
そしてその執念が本物ならば、襲い来る脅威はまだまだこんなものではない。トールはそう直感した。
「トールさん。外でこの家を警護している者達ニ、助けを呼びまショウ」
考えているトールに対し、オーガ君が提案した。
そこでトールは思い出す。魔物じじいの家は、世界中から勝手に派遣されている戦士達が常時警護してくれているということを。
魔物じじいはそれを嫌ってはいるが、今のようにこうして襲撃されていることを知らせれば、彼らとてすぐに助けに来てくれるはず。家主は嫌だとしても、今回ばかりは仕方がないのでそれを利用しようとトールも思った。
「一応教えといてやるぜ。外に助けを呼びに行っても無駄だぞ」
オーガ君の言葉が聞こえたのかそうでないのか、壁の向こうからそう声がしてトールはハッとした。
「今この家は、誰からの助けも望めない・・・そんな状況にある。だから俺達が投入されたのさ」
「おいおい、最初にそれ言っちゃうのかよ?期待させるだけさせて、あとで絶望させたほうがおもしろくね?」
「いけね、そうだったな?すまんすまん、トールさんよ今のは忘れてくれや!」
トールを揶揄うような『ゴブリン』達の会話のあとで、ドッと笑い声が轟いた。
(やべ、めっちゃ増えてる・・・)
笑い声からして、向こうの部屋では『ゴブリン』達の数がいつの間にか十数人に増えているいるだろうことをトールは予想し、顔を青ざめさせた。
外に助けが呼べないのが事実なら、絶体絶命の状況である。
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