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シュウ争奪戦の決着 その3
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「さぁ、行きましょうフローラ」
シュウがそう言うと、フローラはギュッと強めに腕に抱き着いて「はい」と返事をする。
だが、その場を去ろうとすると二人をクローザが呼び止めた。
「ちょっと待ちなさいシュウ。まだ用事は終わってないわ」
「・・・えっ」
すっきり終わらなければいけないタイミングで、思いもよらぬ切り出しをされてシュウはずっこけそうになる。
「シュウ。貴方のことは、アンドレアに来たと思われる日からずっと今日まで監視していたわ」
「はい・・・?」
シュウの返事を待たず、クローザは勝手に話し始めた。
監視されていたなどと、最初から衝撃的な内容でシュウは度肝を抜かれる。
「それで、監視していたからこそわかることだけど、貴方は教会のマルスというやつの手下に着け狙われてるわ」
「・・・そのことは知っています」
「あら知ってるの?マルスってやつのこと覚えてる?かつて貴方と因縁があった先輩みたいだけど、アイツ相当に執念深いから、何をしてくるかわからない。気を付けたほうがいい。この町でもかなり滅茶苦茶やってるわ。町の変貌もアイツによるところが大きいのよ」
「そのようですね」
監視されていたことこそ驚愕したが、クローザから伝えられる話そのものは既にある程度知っていたことだったので、シュウは「まぁこんなものか」と内心胸を撫で下ろしていた。情報提供は有難いが、これ以上脳の処理能力の限界を超えるような話は聞きたくないというのが本音だった。
「それと、帝国から第四皇子が極秘に教会に訪れてきているわ。狙いは恐らく貴方達よ」
「そのようですね」
とんでもない内容ではあるが、これも既知の情報である。
「あと腕利きと思われる正体不明の集団が、貴方達のことを付け回してるわ。ただ狙っているというより、監視していると言ったほうが正しいかもだけど」
「え、なんですかそれ」
「さぁ?正体を調べ上げることも出来るかもしれないけど、もうシュウとは縁が無いからそこまでする義理はないわね。縁が続くなら、何とかして上げないこともなかったけど・・・ね?」
既知ではない情報にギョッとするシュウに、意趣返しとばかりにクローザが微笑む。
「モテモテじゃない、シュウ。浮気せずにきちんとカノジョさんを大事にしてあげなさいね?話はオシマイ。今度こそ行っていいわよ」
クローザの皮肉に、シュウが引きつった笑みを浮かべながらも、今度こそその場を去ろうとした時だった。
「シュウゥゥゥ!」
いつの間にか拘束魔法を解除されたボイドが、思い出したかのようにシュウへの憤怒を溢れさせながら起き上がった。
「いや空気読めよ」
が、攻撃モーションに入る前に、すかさずトールがラリアットでボイドを撃沈し、再び沈静化させる。
「妹の・・・仇が・・・」
ボイドはうわごとのように呟きながら、床に倒れ伏す。
ボイドのことと言い、新たに知った集団による監視といい、頭で処理し切れない事案の大量発生に、シュウはげんなりしながら今度こそその場を離れたのだった。
シュウがそう言うと、フローラはギュッと強めに腕に抱き着いて「はい」と返事をする。
だが、その場を去ろうとすると二人をクローザが呼び止めた。
「ちょっと待ちなさいシュウ。まだ用事は終わってないわ」
「・・・えっ」
すっきり終わらなければいけないタイミングで、思いもよらぬ切り出しをされてシュウはずっこけそうになる。
「シュウ。貴方のことは、アンドレアに来たと思われる日からずっと今日まで監視していたわ」
「はい・・・?」
シュウの返事を待たず、クローザは勝手に話し始めた。
監視されていたなどと、最初から衝撃的な内容でシュウは度肝を抜かれる。
「それで、監視していたからこそわかることだけど、貴方は教会のマルスというやつの手下に着け狙われてるわ」
「・・・そのことは知っています」
「あら知ってるの?マルスってやつのこと覚えてる?かつて貴方と因縁があった先輩みたいだけど、アイツ相当に執念深いから、何をしてくるかわからない。気を付けたほうがいい。この町でもかなり滅茶苦茶やってるわ。町の変貌もアイツによるところが大きいのよ」
「そのようですね」
監視されていたことこそ驚愕したが、クローザから伝えられる話そのものは既にある程度知っていたことだったので、シュウは「まぁこんなものか」と内心胸を撫で下ろしていた。情報提供は有難いが、これ以上脳の処理能力の限界を超えるような話は聞きたくないというのが本音だった。
「それと、帝国から第四皇子が極秘に教会に訪れてきているわ。狙いは恐らく貴方達よ」
「そのようですね」
とんでもない内容ではあるが、これも既知の情報である。
「あと腕利きと思われる正体不明の集団が、貴方達のことを付け回してるわ。ただ狙っているというより、監視していると言ったほうが正しいかもだけど」
「え、なんですかそれ」
「さぁ?正体を調べ上げることも出来るかもしれないけど、もうシュウとは縁が無いからそこまでする義理はないわね。縁が続くなら、何とかして上げないこともなかったけど・・・ね?」
既知ではない情報にギョッとするシュウに、意趣返しとばかりにクローザが微笑む。
「モテモテじゃない、シュウ。浮気せずにきちんとカノジョさんを大事にしてあげなさいね?話はオシマイ。今度こそ行っていいわよ」
クローザの皮肉に、シュウが引きつった笑みを浮かべながらも、今度こそその場を去ろうとした時だった。
「シュウゥゥゥ!」
いつの間にか拘束魔法を解除されたボイドが、思い出したかのようにシュウへの憤怒を溢れさせながら起き上がった。
「いや空気読めよ」
が、攻撃モーションに入る前に、すかさずトールがラリアットでボイドを撃沈し、再び沈静化させる。
「妹の・・・仇が・・・」
ボイドはうわごとのように呟きながら、床に倒れ伏す。
ボイドのことと言い、新たに知った集団による監視といい、頭で処理し切れない事案の大量発生に、シュウはげんなりしながら今度こそその場を離れたのだった。
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