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変態と変態
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ルドルフの急な来訪から三十分後・・・ルドルフは「私は私で準備があるので、今日のところは一旦失礼させてもらう」と言って、颯爽と引き上げていった。
内心ではあまり前向きではなかったが、一応皇族なので接待の一つもしようとマルスが歓迎の宴を提案したが、それはルドルフの側近の「準備があると言ったのが聞こえなかったのか?」というドスの効いた言葉によって切って捨てられた。
「何様のつもりなんだ!」とマルスは叫びたかったが、何様と言わればルドルフは皇族だ。
マルスがいるアンドレアも、ドレーク帝国の属国にあるので、マルスにとってルドルフは絶対的な強者である。
逆らえば一瞬で首が飛ぶ。だから媚び諂わなければならない。
それがマルスには我慢しきれずに激昂しそうになったが、今は怒りよりも気になることがあったのでそこにいくらか気が行ったことが幸いし、どうにか気持ちを落ち着けることが出来た。
「マルス様。依頼されておりました件について、ある程度お調べいたしました」
深夜、執務室に腫らした顔のままのダレウスがやってくる。
ダレウスはマルスに調べものを頼まれていた。
マルスがルドルフのことで気になっていたこと。それはどうしてフローラにそこまで固執するか、だ。
自分がシュウに固執するのは恨みがあるからだが、ルドルフから感じたそれも似たようなものをマルスは感じていた。
そして唐突にそれが何であるかを知りたくなったのである。
「ルドルフ殿下は、帝国にいるレウス司教という者の手はずで、逃走中の元聖女フローラの婚約者候補に挙がっていたようです」
「・・・何ぃ?皇族までが婚約者に上がっていたのか!フローラという女はっ!」
「歴代最高レベルの素質を持つと言われている聖女でしたので、婚約候補者にもそれなりの人がエントリーしていたようです。中でもルドルフ殿下は特に前向きだったとか」
「ちっ、そんな女がどうしてシュウなんか・・・」
ルドルフについてつい気になって調べてもらってみたが、結果としてシュウがどれだけ凄い女に想われ、駆け落ちまでしたのかを思い知らされてしまい、マルスは不愉快でならなくなった。
「ただルドルフ殿下は・・・あくまで噂ですがそこそこのレベルのサディストかつマゾヒストだということです。もしかしたら、フローラに対して歪んだ執着を見せているのかもしれません。その・・・関われば面倒な相手かもしれませんよ」
ダレウスは言葉を選んでいるようだが、要するにルドルフは変態なのだと言いたいのだろうとマルスは察する。
言うまでもなくアレは変態だとマルスは思った。それも自分の欲求のために、世界の権力者達と敵対することも辞さない構えである。筋金入りのヤバいやつだ。ヘマをすれば皇室が吹き飛ぶかもしれないというのに。
ルドルフには深入りするべきではないと。逆らわず、入れ込まず、適度に距離を保った付き合いに留めるべきだろう・・・そう思った。そう思っていた。
・・・が
「って、まぁ、それで諦めがつけば良いんだけどな。そうもいかなくなったわ」
「えっ」
「フローラがそれだけの女だと分かれば、ますますもってフローラをシュウの目の前で犯したくなったわ。ルドルフに渡して終わりーってわけにはいかんなぁ」
マルスはルドルフを出し抜いてまで、とんでもないことをしようと企み始めた。
唐突に分不相応な下品な欲求を抱き、股間を高ぶらせているマルスを見て、ダレウスは自分の身の振りについて考え始める。
(こんな馬鹿な変態どもと一緒にいたら、このままじゃ無理心中させられちまう・・・!)
内心ではあまり前向きではなかったが、一応皇族なので接待の一つもしようとマルスが歓迎の宴を提案したが、それはルドルフの側近の「準備があると言ったのが聞こえなかったのか?」というドスの効いた言葉によって切って捨てられた。
「何様のつもりなんだ!」とマルスは叫びたかったが、何様と言わればルドルフは皇族だ。
マルスがいるアンドレアも、ドレーク帝国の属国にあるので、マルスにとってルドルフは絶対的な強者である。
逆らえば一瞬で首が飛ぶ。だから媚び諂わなければならない。
それがマルスには我慢しきれずに激昂しそうになったが、今は怒りよりも気になることがあったのでそこにいくらか気が行ったことが幸いし、どうにか気持ちを落ち着けることが出来た。
「マルス様。依頼されておりました件について、ある程度お調べいたしました」
深夜、執務室に腫らした顔のままのダレウスがやってくる。
ダレウスはマルスに調べものを頼まれていた。
マルスがルドルフのことで気になっていたこと。それはどうしてフローラにそこまで固執するか、だ。
自分がシュウに固執するのは恨みがあるからだが、ルドルフから感じたそれも似たようなものをマルスは感じていた。
そして唐突にそれが何であるかを知りたくなったのである。
「ルドルフ殿下は、帝国にいるレウス司教という者の手はずで、逃走中の元聖女フローラの婚約者候補に挙がっていたようです」
「・・・何ぃ?皇族までが婚約者に上がっていたのか!フローラという女はっ!」
「歴代最高レベルの素質を持つと言われている聖女でしたので、婚約候補者にもそれなりの人がエントリーしていたようです。中でもルドルフ殿下は特に前向きだったとか」
「ちっ、そんな女がどうしてシュウなんか・・・」
ルドルフについてつい気になって調べてもらってみたが、結果としてシュウがどれだけ凄い女に想われ、駆け落ちまでしたのかを思い知らされてしまい、マルスは不愉快でならなくなった。
「ただルドルフ殿下は・・・あくまで噂ですがそこそこのレベルのサディストかつマゾヒストだということです。もしかしたら、フローラに対して歪んだ執着を見せているのかもしれません。その・・・関われば面倒な相手かもしれませんよ」
ダレウスは言葉を選んでいるようだが、要するにルドルフは変態なのだと言いたいのだろうとマルスは察する。
言うまでもなくアレは変態だとマルスは思った。それも自分の欲求のために、世界の権力者達と敵対することも辞さない構えである。筋金入りのヤバいやつだ。ヘマをすれば皇室が吹き飛ぶかもしれないというのに。
ルドルフには深入りするべきではないと。逆らわず、入れ込まず、適度に距離を保った付き合いに留めるべきだろう・・・そう思った。そう思っていた。
・・・が
「って、まぁ、それで諦めがつけば良いんだけどな。そうもいかなくなったわ」
「えっ」
「フローラがそれだけの女だと分かれば、ますますもってフローラをシュウの目の前で犯したくなったわ。ルドルフに渡して終わりーってわけにはいかんなぁ」
マルスはルドルフを出し抜いてまで、とんでもないことをしようと企み始めた。
唐突に分不相応な下品な欲求を抱き、股間を高ぶらせているマルスを見て、ダレウスは自分の身の振りについて考え始める。
(こんな馬鹿な変態どもと一緒にいたら、このままじゃ無理心中させられちまう・・・!)
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