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普通は逆
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「それよりもシュウ様。私達が聖神教会に狙われているようですが・・・」
「あぁ、そうでしたね」
フローラに振りに、「そう言えばそうだったね」と軽い感じで答えるシュウ。
聖神教会に狙われるのは百も承知だったので、それ自体は特に驚くところではなかった。
だが気にかかるところが一つだけあった。
「フリーの人間を使ってくるとは・・・少しおかしいですね」
シュウが気にかかっていたのは、聖神教会があくまでフリーの仕事人であるトールを雇って襲撃してきたことだった。
聖神教会には闇がある。
そのうちの一つが教会にとって都合の悪い人物や、今回のフローラ達のように教会の怒りを買った者などを、闇から闇に葬り去ると行ったことを平然としてのけるという所だ。
そして、教会にはそのための専門の実行部隊までが存在する。
実行部隊は腕が立つのは勿論、普通の人の目には見えない裏の聖紋が刻まれる。この聖紋は通常の聖紋と同じ居場所がどこにいるか把握できるようにする機能だけでなく、教会の利益に反する状況になったり、そういった思考や裏切りを行うと即座にその者の命を奪うという機能まで備わっていた。
今回のトールのような状況になれば、記憶を読み取るより先にトールは裏の聖紋の力により口封じにするはずだったのだ。そうなれば襲撃に失敗しても、教会の犯行だとは確信が持てなくなる。
教会にしてみれば、足がつくことがなく、裏切る心配もない、汚れ仕事をさせるには極めて都合の良いその実行部隊を使わないのは、あまりに不自然だとシュウは考えていた。
「教会が極秘裏に人を始末するときは、必ず教会の人間を使うはず。それだというのに、今回は腕が立つとはいえ教会とは全く関係のないトールを使いました。もしかすると、今回の襲撃はアンドレア支部の独断かもしれません」
「あぁ、その事ですガ、トールの目的はシュウ様の拉致デス。暗殺ではありません。フローラ様については目撃者なので始末しようとシタ・・・といった程度でス」
「そういうことは早く言ってくださいよ!」
大事なことを後出しされたことで、シュウは思わずずっこけそうになる。
そして・・・
「・・・って、目的は私の拉致ぃぃい!?ナンデ!!?意味ワカンナイ!!」
時間差で素っ頓狂な声を上げて驚愕するシュウ。
オーガ君が言ったトールの真の目的は、それだけシュウにとって想像だにしていなかったことだった。
何しろ拉致してくる、ということは生け捕りにするということ。殺すより遥かにリスクが高いので、フローラならともかくシュウを拉致するメリットなど皆無なのだ。
そもそもシュウを生かし、フローラは目撃者であれば始末するなど意図がわからない。普通は逆なのだ。
まさかシュウに対して個人的に強烈な恨みを抱いている者が仕掛けたことなどと、思うはずもなかった。
「あぁ、そうでしたね」
フローラに振りに、「そう言えばそうだったね」と軽い感じで答えるシュウ。
聖神教会に狙われるのは百も承知だったので、それ自体は特に驚くところではなかった。
だが気にかかるところが一つだけあった。
「フリーの人間を使ってくるとは・・・少しおかしいですね」
シュウが気にかかっていたのは、聖神教会があくまでフリーの仕事人であるトールを雇って襲撃してきたことだった。
聖神教会には闇がある。
そのうちの一つが教会にとって都合の悪い人物や、今回のフローラ達のように教会の怒りを買った者などを、闇から闇に葬り去ると行ったことを平然としてのけるという所だ。
そして、教会にはそのための専門の実行部隊までが存在する。
実行部隊は腕が立つのは勿論、普通の人の目には見えない裏の聖紋が刻まれる。この聖紋は通常の聖紋と同じ居場所がどこにいるか把握できるようにする機能だけでなく、教会の利益に反する状況になったり、そういった思考や裏切りを行うと即座にその者の命を奪うという機能まで備わっていた。
今回のトールのような状況になれば、記憶を読み取るより先にトールは裏の聖紋の力により口封じにするはずだったのだ。そうなれば襲撃に失敗しても、教会の犯行だとは確信が持てなくなる。
教会にしてみれば、足がつくことがなく、裏切る心配もない、汚れ仕事をさせるには極めて都合の良いその実行部隊を使わないのは、あまりに不自然だとシュウは考えていた。
「教会が極秘裏に人を始末するときは、必ず教会の人間を使うはず。それだというのに、今回は腕が立つとはいえ教会とは全く関係のないトールを使いました。もしかすると、今回の襲撃はアンドレア支部の独断かもしれません」
「あぁ、その事ですガ、トールの目的はシュウ様の拉致デス。暗殺ではありません。フローラ様については目撃者なので始末しようとシタ・・・といった程度でス」
「そういうことは早く言ってくださいよ!」
大事なことを後出しされたことで、シュウは思わずずっこけそうになる。
そして・・・
「・・・って、目的は私の拉致ぃぃい!?ナンデ!!?意味ワカンナイ!!」
時間差で素っ頓狂な声を上げて驚愕するシュウ。
オーガ君が言ったトールの真の目的は、それだけシュウにとって想像だにしていなかったことだった。
何しろ拉致してくる、ということは生け捕りにするということ。殺すより遥かにリスクが高いので、フローラならともかくシュウを拉致するメリットなど皆無なのだ。
そもそもシュウを生かし、フローラは目撃者であれば始末するなど意図がわからない。普通は逆なのだ。
まさかシュウに対して個人的に強烈な恨みを抱いている者が仕掛けたことなどと、思うはずもなかった。
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