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年ごろの聖女達
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聖神教会では聖女フローラの駆け落ち以来、帝都民のイメージダウンの解消がひとまず緊急の課題だったが、ここに時間が経過すると共に更に難題が降りかかるようになった。
「ほ、報告します!先ほど聖女テセアの元に定期観察に向かったところ、護衛騎士とおたのしみしていたとのことです!!」
「なっ・・・ま、またか!?」
「報告します!先ほど聖女ビアンが護衛騎士と脱走しようとしていたところを、巡回の騎士が捕縛したとのことです!」
「な、なんだと・・・?」
「ほ、報告します・・・先ほど聖女テポラと護衛騎士が神殿内の一角でいかがわしい行為をしていたとの・・・」
「神をも恐れぬ不届き者だな!というか護衛騎士いい加減にしろ!!今後護衛騎士は女性騎士かゲイかどちらかだけに制限しろ!!」
聖神教会で新たに浮上した問題・・・
それはフローラ以外の聖女達の風紀の乱れだった。
聖女フローラの駆け落ちは元々聖神教会内に大きな衝撃を与えていたが、皮肉にもプロパガンダのために上演させた劇が聖女達に悪影響を与えてしまったのだ。
「駆け落ち・・・なんだかロマンティックだわ」
「護衛騎士・・・そんな風に見たことがなかったけど、改めて男性として見てみると素敵かも・・・」
「私はローラのようなヘマは打たないわ」
「これまで私はレールの上を歩くだけだった・・・けど、私の人生は本来私の物であるはずだわ。ローラのように生きるのだって、私の自由のはず!」
聖女達とて隠れて欲を満たしていた者もおり、完全に潔癖だった者で全てだったわけではない。
だがそうして欲を満たしていた者とて、普段一般人の前では表面上は質素で貞淑であるイメージを損なわせないよう教会に抑制されている。
そして元から貞淑だった聖女達も、当然年ごろの女性なりの欲や憧れはあった。
聖女という立場がそれを律していても、それらが完全に無くなるわけではない。むしろ何年も蓄積された欲求が爆発寸前まで来ている聖女とて少なくなかった。
それら聖女達の抑制された欲求を、よりによって教会が手配した観劇によって解放されてしまったのである。
劇で駆け落ちしてしまう女は聖女。同じ立場故に、聖女改め悪女ローラに感情移入する聖女が多かった。
多感な年ごろの聖女は、悪女であるはずのローラに憧れを抱いてしまい、教会の思惑とは完全に予想と外れたところへ劇は彼女達を誘導してしまった。
結果・・・教会内の聖女達の風紀は乱れに乱れた。
僅かな期間のうちに処女でなくなった聖女も少なくなく、これが教会が予定していた政略結婚に大きな悪影響を与え、潜在的な損失が莫大なものになってしまっていた。
当初教会は怒りから駆け落ちしたフローラとシュウに制裁を与えようと考えていたが、教会内の問題を何とかするのが急務になり、もはやそれどころではなくなってしまっていた。
「ほ、報告します!先ほど聖女テセアの元に定期観察に向かったところ、護衛騎士とおたのしみしていたとのことです!!」
「なっ・・・ま、またか!?」
「報告します!先ほど聖女ビアンが護衛騎士と脱走しようとしていたところを、巡回の騎士が捕縛したとのことです!」
「な、なんだと・・・?」
「ほ、報告します・・・先ほど聖女テポラと護衛騎士が神殿内の一角でいかがわしい行為をしていたとの・・・」
「神をも恐れぬ不届き者だな!というか護衛騎士いい加減にしろ!!今後護衛騎士は女性騎士かゲイかどちらかだけに制限しろ!!」
聖神教会で新たに浮上した問題・・・
それはフローラ以外の聖女達の風紀の乱れだった。
聖女フローラの駆け落ちは元々聖神教会内に大きな衝撃を与えていたが、皮肉にもプロパガンダのために上演させた劇が聖女達に悪影響を与えてしまったのだ。
「駆け落ち・・・なんだかロマンティックだわ」
「護衛騎士・・・そんな風に見たことがなかったけど、改めて男性として見てみると素敵かも・・・」
「私はローラのようなヘマは打たないわ」
「これまで私はレールの上を歩くだけだった・・・けど、私の人生は本来私の物であるはずだわ。ローラのように生きるのだって、私の自由のはず!」
聖女達とて隠れて欲を満たしていた者もおり、完全に潔癖だった者で全てだったわけではない。
だがそうして欲を満たしていた者とて、普段一般人の前では表面上は質素で貞淑であるイメージを損なわせないよう教会に抑制されている。
そして元から貞淑だった聖女達も、当然年ごろの女性なりの欲や憧れはあった。
聖女という立場がそれを律していても、それらが完全に無くなるわけではない。むしろ何年も蓄積された欲求が爆発寸前まで来ている聖女とて少なくなかった。
それら聖女達の抑制された欲求を、よりによって教会が手配した観劇によって解放されてしまったのである。
劇で駆け落ちしてしまう女は聖女。同じ立場故に、聖女改め悪女ローラに感情移入する聖女が多かった。
多感な年ごろの聖女は、悪女であるはずのローラに憧れを抱いてしまい、教会の思惑とは完全に予想と外れたところへ劇は彼女達を誘導してしまった。
結果・・・教会内の聖女達の風紀は乱れに乱れた。
僅かな期間のうちに処女でなくなった聖女も少なくなく、これが教会が予定していた政略結婚に大きな悪影響を与え、潜在的な損失が莫大なものになってしまっていた。
当初教会は怒りから駆け落ちしたフローラとシュウに制裁を与えようと考えていたが、教会内の問題を何とかするのが急務になり、もはやそれどころではなくなってしまっていた。
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