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教会の窮状
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シュウ達が遠く逃避行(?)を続けている中、シュウ達が駆け落ちした興奮がいまだに冷めない帝都では、『聖女フローラの駆け落ち』というスキャンダルによって堕ちたイメージを覆そうと、聖神教会が一手打っていた。
元より帝都民は元より帝国民のために聖神教会の誰よりも聖女として献身してきたフローラの人望は凄まじく、そんな彼女の愛を選んだ駆け落ちは熱烈に支持され、その愛を阻もうとした教会は「国のために献身してくれた聖女の心を蔑ろにする悪である」というイメージが強く広がり、浸透しつつあった。
それもこれもフローラが事前に影響力ある勢力に手回しをしておいたのと、派手な逃走劇を帝都で繰り広げたのが大きい。
こうなるとどれだけ教会が声明を出そうと、帝都民の気持ちは駆け落ちした聖女フローラに傾いてしまっている。
そこで教会が打った手は、人々に帝都民に人気のある娯楽・・・観劇にてイメージの
払拭を狙おうというものだった。
『聖女に逃げられた教会は、新たな聖女を迎えて立ち直ります!今更戻りたいと言ってももう遅い』
タイトルはこれである。
内容は教会に大事にされながらも、教会の金で贅を凝らしてきた我儘な聖女ローラが、ある日突然お役目を放棄して恋人ウシュと逃げ出してしまうというところから始まる。
性格に問題はあっても能力だけは確かに高かったローラが逃げ出したことで、教会は存亡の危機に立たされることになるが、これまでローラに虐げられていた侍女であるヒロインが聖女に負けじ劣らずの聖力の持ち主であることがわかり、そんなヒロインや教会の努力とご都合主義でどうにか立て直すという話である。
教会の噂を聞きつけた他国のイケメン王子がある日何故か正体を隠しながらヒロインに接触し、二人はあれこれ親密な関係になり、最後は幸せなキスをして終了・・・
そんな内容だ。
ちなみに逃げたローラ達は少し離れた町でこっそりと暮らしていたのだが、贅沢してきたときの散財癖は治らずにすぐに金が尽きてしまう。
そして待てと暮らせど教会の追手が来ないことで「何よ!私のことが必要なんじゃなかったの!?」と、ある日ローラは斜め上の逆ギレをして教会に乗り込み、「どうしてもというなら戻ってやっても良いわ」と馬鹿丸出しの発言をするも、既にヒロインがニュー聖女として成功しつつある上、イケメン王子の資金援助により運営も問題なく行えていることから、「もうお前の席ないから」と教会はローラを追い返してしまう。
怒り心頭で教会を離れたローラだったが、他国でも自分の能力は高く買ってもらえるだろうと移動中に山賊に襲われ、ローラもウシュも山賊達の慰み者としてその後を過ごしていく・・・というようになっている。
脚本家や役者には有名人を使い、観劇料は無料という大盤振る舞いで教会は上演。
金をかけただけあって連日立ち見が出るほどの盛況であったが、
「ご都合が過ぎる」
「プロパガンダは露骨」
「タイトルが長い」
「ネーミングもう少しどうにかならなかったの」
「やっぱりホモじゃないか」
と、批判を受け、観客動員数の割に評判のほどはイマイチだった。
グレースのようにリアルとフィクションを混同するようなタイプの人間にはいくらか効果があったようだが、高額の費用をかけた割には効果のほどはイマイチで、次なる手をどう打つか・・・教会は頭を悩ませていた。
・・・そんなところに、また更なる問題が起きていた。
元より帝都民は元より帝国民のために聖神教会の誰よりも聖女として献身してきたフローラの人望は凄まじく、そんな彼女の愛を選んだ駆け落ちは熱烈に支持され、その愛を阻もうとした教会は「国のために献身してくれた聖女の心を蔑ろにする悪である」というイメージが強く広がり、浸透しつつあった。
それもこれもフローラが事前に影響力ある勢力に手回しをしておいたのと、派手な逃走劇を帝都で繰り広げたのが大きい。
こうなるとどれだけ教会が声明を出そうと、帝都民の気持ちは駆け落ちした聖女フローラに傾いてしまっている。
そこで教会が打った手は、人々に帝都民に人気のある娯楽・・・観劇にてイメージの
払拭を狙おうというものだった。
『聖女に逃げられた教会は、新たな聖女を迎えて立ち直ります!今更戻りたいと言ってももう遅い』
タイトルはこれである。
内容は教会に大事にされながらも、教会の金で贅を凝らしてきた我儘な聖女ローラが、ある日突然お役目を放棄して恋人ウシュと逃げ出してしまうというところから始まる。
性格に問題はあっても能力だけは確かに高かったローラが逃げ出したことで、教会は存亡の危機に立たされることになるが、これまでローラに虐げられていた侍女であるヒロインが聖女に負けじ劣らずの聖力の持ち主であることがわかり、そんなヒロインや教会の努力とご都合主義でどうにか立て直すという話である。
教会の噂を聞きつけた他国のイケメン王子がある日何故か正体を隠しながらヒロインに接触し、二人はあれこれ親密な関係になり、最後は幸せなキスをして終了・・・
そんな内容だ。
ちなみに逃げたローラ達は少し離れた町でこっそりと暮らしていたのだが、贅沢してきたときの散財癖は治らずにすぐに金が尽きてしまう。
そして待てと暮らせど教会の追手が来ないことで「何よ!私のことが必要なんじゃなかったの!?」と、ある日ローラは斜め上の逆ギレをして教会に乗り込み、「どうしてもというなら戻ってやっても良いわ」と馬鹿丸出しの発言をするも、既にヒロインがニュー聖女として成功しつつある上、イケメン王子の資金援助により運営も問題なく行えていることから、「もうお前の席ないから」と教会はローラを追い返してしまう。
怒り心頭で教会を離れたローラだったが、他国でも自分の能力は高く買ってもらえるだろうと移動中に山賊に襲われ、ローラもウシュも山賊達の慰み者としてその後を過ごしていく・・・というようになっている。
脚本家や役者には有名人を使い、観劇料は無料という大盤振る舞いで教会は上演。
金をかけただけあって連日立ち見が出るほどの盛況であったが、
「ご都合が過ぎる」
「プロパガンダは露骨」
「タイトルが長い」
「ネーミングもう少しどうにかならなかったの」
「やっぱりホモじゃないか」
と、批判を受け、観客動員数の割に評判のほどはイマイチだった。
グレースのようにリアルとフィクションを混同するようなタイプの人間にはいくらか効果があったようだが、高額の費用をかけた割には効果のほどはイマイチで、次なる手をどう打つか・・・教会は頭を悩ませていた。
・・・そんなところに、また更なる問題が起きていた。
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