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臆病者サーラ その2
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サーラは実戦では野犬一匹相手でも震えて動けなくなる・・・
そういった噂が流れると、もう冒険者ギルドではサーラをパーティーに誘うことはほとんどなくなった。
厳密には声をかけてくる者はいるのだが、それは冒険者としてサーラに声をかけているわけではなく、彼女が美人であるが故に『女』としての需要を求めての・・・要はただのナンパだった。
(自分なんて、やっぱり剣士としては役立たずだし・・・)
サーラは自信を無くし、より塞ぎ込みやすくなる。
運よくたまにパーティーに誘われても、結果を出さなければどう見られるか・・・という強迫概念に捕らわれ、余計に実戦で体が動かなくなった。
いよいよ剣士としての道を諦めるべきかどうか・・・そう悩んでいたところに、『馬鹿』がやってきた。
『女』としての需要半分・・・それと『剣神』という噂だけを聞きつけたライルがサーラに目を付ける。
「僕のパーティー『光の戦士達』に入ってくれないか」
(剣神?凄いじゃないか。
しかもこれだけの美人と来た!どうして誰も勧誘しないんだ?
何にせよ、誰かに取られる前に自分のところに置いてしまおう!)
ライルは恐ろしいほど単純で、サーラの見た目が麗しいと分かった瞬間に既に決断し、彼女をパーティーに勧誘していた。
『剣神』と呼ばれるほどの良物件であるはずのサーラが、何故に売れ残っているのか。その理由について「運が良いんだろ」程度にしか考えていない、まさに怖いもの知らずだった。
ちょっとでも冷静なら・・・せめてギルドにサーラがどんな人間か下調べの一つもしたら、彼女にどんな問題があったかくらいはわかっただろうし、そうなれば勧誘自体取り止めたことだろう。
だが、ライルの超絶なる早合点とはいえ、サーラはこれが剣士として身を立て、自分を変えることの出来る最後のチャンスだと思った。
ライルに見捨てられたら、今度こそ剣士として生きていくことは諦めようと、そうとさえ考えていた。
(・・・いや、いやいや・・・出来るわけない!)
しかし、いざ『光の戦士達』に入団すると、いつメッキが剥がれるかが恐ろしく、サーラはプレッシャーに押しつぶされそうになった。
これまで何度となくサーラは冒険者達に勧誘され、パーティーを組んだ。
しかしその都度、実戦でサーラの臆病さが露呈され、失望の眼差しを受けてきた。
今回もそうなる。
むしろ今回だけが大丈夫だなんてそんなことがあるわけがない。
サーラはそう思考の悪循環に陥り、入団して最初の冒険に出る前夜・・・失望されるくらいなら置き手紙を残してこのまま消えようか、パーティーの拠点の割り当てられた部屋でそんなことを考えていた。
そのときだった。
「やぁ、貴方が今度入って来たというサーラさんですね。初めまして私はシュウと言います。どうかこれからよろしく」
サーラのその後を大きく変えた男・・・
シュウとの出会いがあった。
そういった噂が流れると、もう冒険者ギルドではサーラをパーティーに誘うことはほとんどなくなった。
厳密には声をかけてくる者はいるのだが、それは冒険者としてサーラに声をかけているわけではなく、彼女が美人であるが故に『女』としての需要を求めての・・・要はただのナンパだった。
(自分なんて、やっぱり剣士としては役立たずだし・・・)
サーラは自信を無くし、より塞ぎ込みやすくなる。
運よくたまにパーティーに誘われても、結果を出さなければどう見られるか・・・という強迫概念に捕らわれ、余計に実戦で体が動かなくなった。
いよいよ剣士としての道を諦めるべきかどうか・・・そう悩んでいたところに、『馬鹿』がやってきた。
『女』としての需要半分・・・それと『剣神』という噂だけを聞きつけたライルがサーラに目を付ける。
「僕のパーティー『光の戦士達』に入ってくれないか」
(剣神?凄いじゃないか。
しかもこれだけの美人と来た!どうして誰も勧誘しないんだ?
何にせよ、誰かに取られる前に自分のところに置いてしまおう!)
ライルは恐ろしいほど単純で、サーラの見た目が麗しいと分かった瞬間に既に決断し、彼女をパーティーに勧誘していた。
『剣神』と呼ばれるほどの良物件であるはずのサーラが、何故に売れ残っているのか。その理由について「運が良いんだろ」程度にしか考えていない、まさに怖いもの知らずだった。
ちょっとでも冷静なら・・・せめてギルドにサーラがどんな人間か下調べの一つもしたら、彼女にどんな問題があったかくらいはわかっただろうし、そうなれば勧誘自体取り止めたことだろう。
だが、ライルの超絶なる早合点とはいえ、サーラはこれが剣士として身を立て、自分を変えることの出来る最後のチャンスだと思った。
ライルに見捨てられたら、今度こそ剣士として生きていくことは諦めようと、そうとさえ考えていた。
(・・・いや、いやいや・・・出来るわけない!)
しかし、いざ『光の戦士達』に入団すると、いつメッキが剥がれるかが恐ろしく、サーラはプレッシャーに押しつぶされそうになった。
これまで何度となくサーラは冒険者達に勧誘され、パーティーを組んだ。
しかしその都度、実戦でサーラの臆病さが露呈され、失望の眼差しを受けてきた。
今回もそうなる。
むしろ今回だけが大丈夫だなんてそんなことがあるわけがない。
サーラはそう思考の悪循環に陥り、入団して最初の冒険に出る前夜・・・失望されるくらいなら置き手紙を残してこのまま消えようか、パーティーの拠点の割り当てられた部屋でそんなことを考えていた。
そのときだった。
「やぁ、貴方が今度入って来たというサーラさんですね。初めまして私はシュウと言います。どうかこれからよろしく」
サーラのその後を大きく変えた男・・・
シュウとの出会いがあった。
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