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決着・・・?
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ルーシエに名を問われ、つい答えてしまって恥をかいてしまったので癇癪を起こして皆殺し。それまで振る舞っていた大物っぽい態度の割に実に小者くさい精神構造だが、それでもアモンの持つ力だけは本物であることをシュウは悟っている。
(間違いなく、ここで殺される)
それがわかっているだけに、シュウは構えを解かなかった。どうせ殺されてしまうのなら、最後まで抗わなければならないとばかりに体が闘争を放棄しなかった。
「まずはお前だ。余所に意識を向けている間に、本気で逃げられたら面倒だからな」
アモンがそう言ってシュウに向けて歩みもうとした瞬間、シュウが最後の勝負に出た。
「む?」
シュウが手から光を発したかと思うと、それをアモンに向けて打ちだしたのだ。
セイントショットと呼ばれる、聖の魔力を凝縮した単純な攻撃魔法である。低位の魔法であり、そこまで強力なものではないが、シュウの鍛錬されたソレは通常のものの何倍もの威力があった。
聖の属性を嫌う魔人ではまともに当たればタダでは済まない。しかし、それでもアモンはそれを正面から難なく手で弾いて見せた。
だが、それはあくまで目晦ましである。
アモンがセイントショットに意識を向けている間に、シュウは既にアモンへ次の攻撃を入っていた。
聖魔力を全身に纏い、魔人にしてみれば全身凶器と化したと言えるシュウ。
これから捨て身のラッシュを仕掛け、一発でも当たれば糸口になるかもしれないと、シュウは決死の特攻を仕掛けた。
(これが駄目なら私は終わりだッ)
シュウの魔力は枯渇しかかっている。この攻撃が終わる頃には、小さな切り傷一つ治せるかどうかの魔力しか残らない。つまりは実質的に戦闘不能状態となるに近かった。
だが、出し惜しみをしてはアモンに嬲り殺されるだけ。
アモンはシュウがこれまで出会った中でも最強の部類に入る相手だと直感した。
聖女であるフローラの強大な力がこの場にあったとしても、高度なレベルの戦闘経験に欠いている彼女では勝率を上げるのは難しい。
シュウにはここで勝負を仕掛けるしかなかったのだ。
シュウが仕掛けたのは、拳による連続攻撃。
威力よりも速さに重点を置いた攻撃。例え初撃が弾かれたところで、次から次へと繰り出される拳は、いずれはアモンの体に打ち込めるかもしれない---シュウはそう思っていた。
「いいぞぉ」
シュウが打ち込もうとした刹那、アモンの口がそう言ったように動いた気がした。
アモンは腰を低くし、シュウと同じように徒手空拳での応戦の構えを見せている。
(不意打ちは失敗か!)
そう上手くいくはずもないよな、とシュウは思いつつももう攻撃モーションに入ってしまっているので止められない。
アモンからは今度こそ間違いなくシュウの命を奪おうと言う気迫があった。
シュウが攻撃を仕掛けたが最後、カウンター気味に必殺の一撃が入る--- シュウはそう直感したが、それでも勝負に出た。
(死ぬか?これは)
それは走馬灯のようなものだろうか。
一秒にも満たぬ時間の合間だというのに、シュウの脳裏にフローラの顔が浮かんだ。自分が死ねば悲しむだろうか?その前に怒るだろうか?いずれにせよ、アモンに見つかれば殺される。
それだけが気がかりに感じられた。
こんなことなら、バフォメット達のことなぞ放っておけばよかった。そうすればこんなことに巻き込まれなくて済んだ。
いや、もっと言うならルーシエが余計なことをしなければアモンは気が変わらずに殺されることにもならなかったのでは?ルーシエが悪いじゃん!
余裕があったのかフローラのこと以外に、余計なことまで考えてしまうシュウ。
そしてついにシュウとアモンの決着がつこうとした、その時・・・
「アモンさん!まだ質問があります!大人しくしていてください!!」
またもや場違いなルーシエの叫びが響いたかと思うと
「ぶべっ!?」
途端に体が硬直し動かなくなったアモンは、シュウの攻撃になんら抵抗することが出来ずに、そのままもろに顔面に拳を浴びることになった。
「え?」
最も驚いたのはシュウである。
応戦されると思いながら打ち込んだ拳が、なんの抵抗もなく受け入れられてしまったのだから。
ダンッ!ごろごろ・・・
シュウの一撃を受けたアモンは、そのまま床に叩きつけられ、受け身を取ることすらなく無様に地面を転がった。
死~~~~ん
その場にいた誰もが沈黙し、微妙な空気が流れる。
ルーシエの一喝により、明らかに状態が変わったアモン。ルーシエの持つ特殊な能力が、アモンの戦闘体勢すら解かせてしまったことに、数秒してシュウはようやく気が付いた。
「あ・・・何かすみません」
ズルをして勝ってしまったような気まずさが湧いてきて、シュウは何となく床に横たわるアモンに謝っていた。
そして、大事なことに気が付いた。
「ルーシエさんに任せておけば、どうやら場は収まりそうです・・・ね?」
(間違いなく、ここで殺される)
それがわかっているだけに、シュウは構えを解かなかった。どうせ殺されてしまうのなら、最後まで抗わなければならないとばかりに体が闘争を放棄しなかった。
「まずはお前だ。余所に意識を向けている間に、本気で逃げられたら面倒だからな」
アモンがそう言ってシュウに向けて歩みもうとした瞬間、シュウが最後の勝負に出た。
「む?」
シュウが手から光を発したかと思うと、それをアモンに向けて打ちだしたのだ。
セイントショットと呼ばれる、聖の魔力を凝縮した単純な攻撃魔法である。低位の魔法であり、そこまで強力なものではないが、シュウの鍛錬されたソレは通常のものの何倍もの威力があった。
聖の属性を嫌う魔人ではまともに当たればタダでは済まない。しかし、それでもアモンはそれを正面から難なく手で弾いて見せた。
だが、それはあくまで目晦ましである。
アモンがセイントショットに意識を向けている間に、シュウは既にアモンへ次の攻撃を入っていた。
聖魔力を全身に纏い、魔人にしてみれば全身凶器と化したと言えるシュウ。
これから捨て身のラッシュを仕掛け、一発でも当たれば糸口になるかもしれないと、シュウは決死の特攻を仕掛けた。
(これが駄目なら私は終わりだッ)
シュウの魔力は枯渇しかかっている。この攻撃が終わる頃には、小さな切り傷一つ治せるかどうかの魔力しか残らない。つまりは実質的に戦闘不能状態となるに近かった。
だが、出し惜しみをしてはアモンに嬲り殺されるだけ。
アモンはシュウがこれまで出会った中でも最強の部類に入る相手だと直感した。
聖女であるフローラの強大な力がこの場にあったとしても、高度なレベルの戦闘経験に欠いている彼女では勝率を上げるのは難しい。
シュウにはここで勝負を仕掛けるしかなかったのだ。
シュウが仕掛けたのは、拳による連続攻撃。
威力よりも速さに重点を置いた攻撃。例え初撃が弾かれたところで、次から次へと繰り出される拳は、いずれはアモンの体に打ち込めるかもしれない---シュウはそう思っていた。
「いいぞぉ」
シュウが打ち込もうとした刹那、アモンの口がそう言ったように動いた気がした。
アモンは腰を低くし、シュウと同じように徒手空拳での応戦の構えを見せている。
(不意打ちは失敗か!)
そう上手くいくはずもないよな、とシュウは思いつつももう攻撃モーションに入ってしまっているので止められない。
アモンからは今度こそ間違いなくシュウの命を奪おうと言う気迫があった。
シュウが攻撃を仕掛けたが最後、カウンター気味に必殺の一撃が入る--- シュウはそう直感したが、それでも勝負に出た。
(死ぬか?これは)
それは走馬灯のようなものだろうか。
一秒にも満たぬ時間の合間だというのに、シュウの脳裏にフローラの顔が浮かんだ。自分が死ねば悲しむだろうか?その前に怒るだろうか?いずれにせよ、アモンに見つかれば殺される。
それだけが気がかりに感じられた。
こんなことなら、バフォメット達のことなぞ放っておけばよかった。そうすればこんなことに巻き込まれなくて済んだ。
いや、もっと言うならルーシエが余計なことをしなければアモンは気が変わらずに殺されることにもならなかったのでは?ルーシエが悪いじゃん!
余裕があったのかフローラのこと以外に、余計なことまで考えてしまうシュウ。
そしてついにシュウとアモンの決着がつこうとした、その時・・・
「アモンさん!まだ質問があります!大人しくしていてください!!」
またもや場違いなルーシエの叫びが響いたかと思うと
「ぶべっ!?」
途端に体が硬直し動かなくなったアモンは、シュウの攻撃になんら抵抗することが出来ずに、そのままもろに顔面に拳を浴びることになった。
「え?」
最も驚いたのはシュウである。
応戦されると思いながら打ち込んだ拳が、なんの抵抗もなく受け入れられてしまったのだから。
ダンッ!ごろごろ・・・
シュウの一撃を受けたアモンは、そのまま床に叩きつけられ、受け身を取ることすらなく無様に地面を転がった。
死~~~~ん
その場にいた誰もが沈黙し、微妙な空気が流れる。
ルーシエの一喝により、明らかに状態が変わったアモン。ルーシエの持つ特殊な能力が、アモンの戦闘体勢すら解かせてしまったことに、数秒してシュウはようやく気が付いた。
「あ・・・何かすみません」
ズルをして勝ってしまったような気まずさが湧いてきて、シュウは何となく床に横たわるアモンに謝っていた。
そして、大事なことに気が付いた。
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