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治療中 3
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シュウがスライムに興奮している理由・・・それは探求心ゆえだった。
シュウは親元から離され聖神教会に放り込まれて以来、自分が持っているとされている回復術の才能を引き延ばすことが、教会内で身を立てることになることを理解し、誰よりも回復術に長けてみせようと猛勉強をした。
最初こそは教会内で誰よりも回復術の腕を磨くことに研鑽していたが、やがてより回復術に精通するために毒や病気、またそれに関連した植物や魔物についても研究を深めていった結果、蓄えた知識量は医者や薬師顔負けのものとなった。
だが、シュウがそこまで勉強をしたのは、身を立てるためだけではない。
誰よりも深い知識を得ること自体にも、シュウは深く興味を持っていたのである。知識量だけでなく探求心の強さも医者顔負けであり、ある者はそんなシュウを見て「あれは学者になる道もあったかもしれない」と言ったほどだ。
この一面を表に出すことはなかったが、『光の戦士達』のメンバーとして冒険をしていたときも、シュウは毒を持つレアモンスターを倒した際に『魔物を解剖、研究させてほしい』と言いたいのを血の涙を流しながら堪えていた。知的探求心のために魔物を解剖したがる人間など、勇者パーティーとして外聞が悪く評判を貶め、レウス司教の言いつけたことに抵触してしまうからである。
しかし、今は誰に気遣うことなくシュウは自分を晒し出すことが出来る。
『未知なる特性を持つスライム』という存在は、シュウの興奮度のメーターを振り切ってしまっていたのだ。
「ふふ、シュウ様。とっても嬉しそう・・・」
フローラは子供(?)のように大はしゃぎするシュウをとっても愛おしそうに見つめながら呟いた。
シュウをストーキングしていたフローラは当然彼のこの特殊な性癖についても知っている。だからシュウが今、どれだけ喜びに震えているのかも理解していた。
理解できない、わけがわからないのはルーシエだけである。
(何!?何なのこの人!!?)
これまでルーシエの治療のためにやってきた医者や回復術師の中で、いやらしい目を向けてきた者がいないわけではなかった。その都度ルーシエは羞恥に耐えていたのが、こんなシュウのようなパターンは初めてで困惑し通しである。
ペタッ
シュウはルーシエの胸に右手を置く。
(・・・っ!)
一度は捨て鉢になったとはいえ、ルーシエも体を触られて何も思わぬわけではない。彼女が羞恥に耐えていると、今度はシュウは太ももの付け根に手を這わす。
「っ!」
瞬間、思わずルーシエは悲鳴を上げそうになる。
「さて、それでは施術を開始します」
だがシュウはそこから手でルーシエの裸体をまさぐるわけでもなく、フッと表情を引き締めると手から光を発させた。シュウが聖魔法を発動させたのである。
シュウの真剣な表情を見て、ルーシエは不意に胸が高鳴ったのを自覚する。
(真面目にしているときは・・・カッコいい・・・かも?)
吊り橋効果なのか、真剣な表情で治療を開始し始めたシュウはルーシエにとってとてもカッコ良く見えた。
「あ、あの・・・今は何をしているんですか?」
どうにも落ち着かないルーシエは、施術中のシュウに邪魔になってしまうかも、と思いつつもつい声をかけてしまった。
「今はルーシエさんの体内に潜んでいると思われるスライムを、魔法によって検知しているところです」
「・・・検知?」
特に気分を害した様子もなく、シュウはルーシエの質問に答える。
「はい。私の魔力をルーシエさんの体中に巡らせ、人体ではない異物を見つけます。その異物がスライムの居場所・・・核の部分なのです」
「・・・まさか、そんなことが魔法で可能なのですか・・・?」
これまで何人もの人間がルーシエの治療や診察に来たが、シュウが言ったようなことをした者は一人もいなかったので、ルーシエは驚愕の声を上げる。
「可能です。まぁ、出来る人間は限られるでしょうが」
シュウはそう言うが、実際のところシュウのこの体内の異物を検知するなどという方法は、完全に彼が独自に編み出したものである。
魔力を体内に張り巡らせる技術と、異物を検知するだけの繊細な感覚、そして異物を異物と認識するだけの人体についての知識が必要なので、理屈を説明したところで実行できる人間などほとんどいない高度な治療法である。
シュウに教えを乞うたフローラとて、今シュウが行っていることを実行することは不可能なのだ。
「すごい・・・」
ルーシエはシュウに尊敬の眼差しを向ける・・・が
「いたいたいたいたいたいたぁ!見つけましたよぉ!!」
早くもルーシエの体内にある異物・・・スライムを見つけたシュウは興奮して声を上げた。突然のことでルーシエはビクッと体を震わせる。
「ほほぉ!私に検知されたのを察したのか、体内を移動し始めましたね。可愛いやつだ。どこへ行こうというのかね?ハハハハハ」
異様なテンションになったシュウを目の当たりにして、ルーシエはドン引きしてしまい、シュウに対して僅かに抱き始めていた憧れの感情がなりを潜めた。
シュウは親元から離され聖神教会に放り込まれて以来、自分が持っているとされている回復術の才能を引き延ばすことが、教会内で身を立てることになることを理解し、誰よりも回復術に長けてみせようと猛勉強をした。
最初こそは教会内で誰よりも回復術の腕を磨くことに研鑽していたが、やがてより回復術に精通するために毒や病気、またそれに関連した植物や魔物についても研究を深めていった結果、蓄えた知識量は医者や薬師顔負けのものとなった。
だが、シュウがそこまで勉強をしたのは、身を立てるためだけではない。
誰よりも深い知識を得ること自体にも、シュウは深く興味を持っていたのである。知識量だけでなく探求心の強さも医者顔負けであり、ある者はそんなシュウを見て「あれは学者になる道もあったかもしれない」と言ったほどだ。
この一面を表に出すことはなかったが、『光の戦士達』のメンバーとして冒険をしていたときも、シュウは毒を持つレアモンスターを倒した際に『魔物を解剖、研究させてほしい』と言いたいのを血の涙を流しながら堪えていた。知的探求心のために魔物を解剖したがる人間など、勇者パーティーとして外聞が悪く評判を貶め、レウス司教の言いつけたことに抵触してしまうからである。
しかし、今は誰に気遣うことなくシュウは自分を晒し出すことが出来る。
『未知なる特性を持つスライム』という存在は、シュウの興奮度のメーターを振り切ってしまっていたのだ。
「ふふ、シュウ様。とっても嬉しそう・・・」
フローラは子供(?)のように大はしゃぎするシュウをとっても愛おしそうに見つめながら呟いた。
シュウをストーキングしていたフローラは当然彼のこの特殊な性癖についても知っている。だからシュウが今、どれだけ喜びに震えているのかも理解していた。
理解できない、わけがわからないのはルーシエだけである。
(何!?何なのこの人!!?)
これまでルーシエの治療のためにやってきた医者や回復術師の中で、いやらしい目を向けてきた者がいないわけではなかった。その都度ルーシエは羞恥に耐えていたのが、こんなシュウのようなパターンは初めてで困惑し通しである。
ペタッ
シュウはルーシエの胸に右手を置く。
(・・・っ!)
一度は捨て鉢になったとはいえ、ルーシエも体を触られて何も思わぬわけではない。彼女が羞恥に耐えていると、今度はシュウは太ももの付け根に手を這わす。
「っ!」
瞬間、思わずルーシエは悲鳴を上げそうになる。
「さて、それでは施術を開始します」
だがシュウはそこから手でルーシエの裸体をまさぐるわけでもなく、フッと表情を引き締めると手から光を発させた。シュウが聖魔法を発動させたのである。
シュウの真剣な表情を見て、ルーシエは不意に胸が高鳴ったのを自覚する。
(真面目にしているときは・・・カッコいい・・・かも?)
吊り橋効果なのか、真剣な表情で治療を開始し始めたシュウはルーシエにとってとてもカッコ良く見えた。
「あ、あの・・・今は何をしているんですか?」
どうにも落ち着かないルーシエは、施術中のシュウに邪魔になってしまうかも、と思いつつもつい声をかけてしまった。
「今はルーシエさんの体内に潜んでいると思われるスライムを、魔法によって検知しているところです」
「・・・検知?」
特に気分を害した様子もなく、シュウはルーシエの質問に答える。
「はい。私の魔力をルーシエさんの体中に巡らせ、人体ではない異物を見つけます。その異物がスライムの居場所・・・核の部分なのです」
「・・・まさか、そんなことが魔法で可能なのですか・・・?」
これまで何人もの人間がルーシエの治療や診察に来たが、シュウが言ったようなことをした者は一人もいなかったので、ルーシエは驚愕の声を上げる。
「可能です。まぁ、出来る人間は限られるでしょうが」
シュウはそう言うが、実際のところシュウのこの体内の異物を検知するなどという方法は、完全に彼が独自に編み出したものである。
魔力を体内に張り巡らせる技術と、異物を検知するだけの繊細な感覚、そして異物を異物と認識するだけの人体についての知識が必要なので、理屈を説明したところで実行できる人間などほとんどいない高度な治療法である。
シュウに教えを乞うたフローラとて、今シュウが行っていることを実行することは不可能なのだ。
「すごい・・・」
ルーシエはシュウに尊敬の眼差しを向ける・・・が
「いたいたいたいたいたいたぁ!見つけましたよぉ!!」
早くもルーシエの体内にある異物・・・スライムを見つけたシュウは興奮して声を上げた。突然のことでルーシエはビクッと体を震わせる。
「ほほぉ!私に検知されたのを察したのか、体内を移動し始めましたね。可愛いやつだ。どこへ行こうというのかね?ハハハハハ」
異様なテンションになったシュウを目の当たりにして、ルーシエはドン引きしてしまい、シュウに対して僅かに抱き始めていた憧れの感情がなりを潜めた。
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