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追跡者?
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「あらら・・・もうすぐ朝食の時間になってしまいますね」
結局早朝からおたのしみに興じてしまい、二人して二度寝してしまいそうになったところで、フローラが時計を見て慌てて起き上がった。
「シュウ様。私ももっとゆっくりシュウ様と触れ合っていたいところなんですけど、朝食だけはしっかり取りませんと。今日もこれから移動しなければならないのですから」
逃避行の最中であることの自覚はあるのか?と問いたくなるほどシュウ達は呑気に宿屋で乳繰り合っていたのだが、それでもフローラはしっかりと今の状況について理解はしていた。
フローラ自身は恐らく自分はそれほど積極的に捜索されることはないと思っているが、それでも一応は最初のうちくらいは帝国から出来るだけ距離を取っておかねばとも考えていた。
異様に頼りになる名馬ホワイトキングに跨れば、帝国からの追跡者がもしいたとしても彼が及びも着かないほどの僻地まで逃げおおせることが出来るだろう。
行く先々の宿屋でシュウと時間を気にせず甘えてベタベタしていたい・・・そんな気持ちを抑えつけ、本当に名残惜しそうにベッドから離れ、衣服を身に着ける。
「そうですね・・・朝からスッキリして(意味深)お腹もすいたし、朝食もどんなものが出てくるか楽しみですね」
シュウはといえば、悪夢を見たことで先ほどまで抱いてしまっていたフローラへのモヤモヤなどどこへやら。朝から一発スッキリしたせいか、完全に頭の切り替えが済んでしまっており、今ではすっかりさわやか賢者モードだ。
こんなサッパリしたところはある意味シュウの長所であった。
コンコン
二人して身支度をしていると、突然部屋の扉がノックされた。
「はーい。・・・あ」
フローラが出ようとするのを、シュウが手で制する。
立てた人差し指を口に当て、「静かに」というジェスチャーをフローラにすると、少し神妙な顔をしながら音もなくシュウが扉へ身を近づける。
チェックアウトの時間が来なければ宿屋の店主が客の部屋の扉をノックすることはない。朝食も何時に取りにいくかわからないから、起こさなくて良いと前日にシュウは店主に伝えていた。
それでも部屋をノックされたということは、何かあったのか、それとも追跡者が宿屋の店主に成りすまして強襲しようとしているのか。
考えすぎかもしれないが、それでもとシュウは念のために警戒をして、身構えながら来客に声をかけた。
「どちら様でしょう。一体何用ですか?」
シュウの様子を見てフローラも身構え、扉を凝視する。
「おはようございますお客様。夕べと先ほどはおたのしみでしたね。お休みのところ申し訳ありませんが、お客様へ渡して欲しいと先ほど手紙を託されまして、今こうして持ってきた次第なのですが」
手紙?
シュウとフローラは二人して顔を見合わせる。当然、見知らぬ土地にきて泊まった宿屋にそんなものが届く心当たりなどあるはずもなかった。
「わかりました。今手が離せないので、扉の前に置いておいてください」
「手が離せない・・・?あっ・・・(察し)へ、へへっ・・・それでは引き続きごゆるりとおたのしみを・・・・ウェヒヒ」
何を勘違いしたのか嫌らしい笑い声をあげながら、店主の足音が遠ざかるのを壁越しに聞いて確認したシュウは、扉を開け床に置かれた封筒を手に取った。
(そういえば今の私達は『汚いおじさんの二人組』と認識阻害の魔法で村の人間には認識されていたのだよな・・・それで店主のあのリアクション・・・あの店主もしやソッチの人・・・いや、そんなことは今はどうでも良くて)
雑念を祓いながら手に取った封筒を、シュウは緊張しながら眺めていた。
追跡者による何らかのアクションか?そう考えていたのが、封筒の裏面に差出人の名前が書いてあるのを発見する。
『ホワイトゥール・キンケード・グレイ7世』
綺麗な字でそう書かれてあった。
「・・・誰?」
シュウの知らない名前で、思わず口から間抜けが声が漏れる。
結局早朝からおたのしみに興じてしまい、二人して二度寝してしまいそうになったところで、フローラが時計を見て慌てて起き上がった。
「シュウ様。私ももっとゆっくりシュウ様と触れ合っていたいところなんですけど、朝食だけはしっかり取りませんと。今日もこれから移動しなければならないのですから」
逃避行の最中であることの自覚はあるのか?と問いたくなるほどシュウ達は呑気に宿屋で乳繰り合っていたのだが、それでもフローラはしっかりと今の状況について理解はしていた。
フローラ自身は恐らく自分はそれほど積極的に捜索されることはないと思っているが、それでも一応は最初のうちくらいは帝国から出来るだけ距離を取っておかねばとも考えていた。
異様に頼りになる名馬ホワイトキングに跨れば、帝国からの追跡者がもしいたとしても彼が及びも着かないほどの僻地まで逃げおおせることが出来るだろう。
行く先々の宿屋でシュウと時間を気にせず甘えてベタベタしていたい・・・そんな気持ちを抑えつけ、本当に名残惜しそうにベッドから離れ、衣服を身に着ける。
「そうですね・・・朝からスッキリして(意味深)お腹もすいたし、朝食もどんなものが出てくるか楽しみですね」
シュウはといえば、悪夢を見たことで先ほどまで抱いてしまっていたフローラへのモヤモヤなどどこへやら。朝から一発スッキリしたせいか、完全に頭の切り替えが済んでしまっており、今ではすっかりさわやか賢者モードだ。
こんなサッパリしたところはある意味シュウの長所であった。
コンコン
二人して身支度をしていると、突然部屋の扉がノックされた。
「はーい。・・・あ」
フローラが出ようとするのを、シュウが手で制する。
立てた人差し指を口に当て、「静かに」というジェスチャーをフローラにすると、少し神妙な顔をしながら音もなくシュウが扉へ身を近づける。
チェックアウトの時間が来なければ宿屋の店主が客の部屋の扉をノックすることはない。朝食も何時に取りにいくかわからないから、起こさなくて良いと前日にシュウは店主に伝えていた。
それでも部屋をノックされたということは、何かあったのか、それとも追跡者が宿屋の店主に成りすまして強襲しようとしているのか。
考えすぎかもしれないが、それでもとシュウは念のために警戒をして、身構えながら来客に声をかけた。
「どちら様でしょう。一体何用ですか?」
シュウの様子を見てフローラも身構え、扉を凝視する。
「おはようございますお客様。夕べと先ほどはおたのしみでしたね。お休みのところ申し訳ありませんが、お客様へ渡して欲しいと先ほど手紙を託されまして、今こうして持ってきた次第なのですが」
手紙?
シュウとフローラは二人して顔を見合わせる。当然、見知らぬ土地にきて泊まった宿屋にそんなものが届く心当たりなどあるはずもなかった。
「わかりました。今手が離せないので、扉の前に置いておいてください」
「手が離せない・・・?あっ・・・(察し)へ、へへっ・・・それでは引き続きごゆるりとおたのしみを・・・・ウェヒヒ」
何を勘違いしたのか嫌らしい笑い声をあげながら、店主の足音が遠ざかるのを壁越しに聞いて確認したシュウは、扉を開け床に置かれた封筒を手に取った。
(そういえば今の私達は『汚いおじさんの二人組』と認識阻害の魔法で村の人間には認識されていたのだよな・・・それで店主のあのリアクション・・・あの店主もしやソッチの人・・・いや、そんなことは今はどうでも良くて)
雑念を祓いながら手に取った封筒を、シュウは緊張しながら眺めていた。
追跡者による何らかのアクションか?そう考えていたのが、封筒の裏面に差出人の名前が書いてあるのを発見する。
『ホワイトゥール・キンケード・グレイ7世』
綺麗な字でそう書かれてあった。
「・・・誰?」
シュウの知らない名前で、思わず口から間抜けが声が漏れる。
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