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私の愛は狂暴です 15
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ある日、『光の戦士達』がメンバー全員でレウス司教の元を訊ねてきた。
フローラはメンバーの様子を遠巻きに見ていたが、ライルとレーナについてあることに気が付いた。
(あの二人・・・多分本当にデキた・・・)
予めレーナ達について報告を受けて事情を知っていたフローラでさえ注視しなければわからないレベルだが、ライルとレーナの距離感が明らかに縮まっているのが見て取れた。たまに顔を会わせるフローラが気付くのだから、同じパーティーメンバーであるシュウ達が気付かないはずもない。そのせいだろうか・・・シュウとレーナの間には、どこかぎこちない空気が流れているように見えた。
(なんということでしょう。パーティークラッシュ目前ではないですか)
フローラは両手を頬に添え、歓喜で赤面しながら「はぅ~・・・」と声を洩らしプルプルと震えていた。
それを見ている教徒達が怪訝な目を向けているが気にも留めない。
フローラが蒔いた種は、期待通りの花を咲かせていた。
フローラがそうなるよう誘導したとはいえ、あくまでレーナがライルと不貞(?)したのは自分の意志によるものだ。だからフローラには達成感こそあれど、罪悪感など微塵も無かった。
(私のあの程度の横槍で浮気してしまう程度の気持ちなら、いずれレーナさんは不貞をして関係は破綻していたのでは?)
むしろそんな自己弁護すら考えていた。
フローラはライルが持つ『魅了』のスキルを知らない。よってライルとレーナの間に何があったかについて本当の意味では理解はしていないのだ。
だが、そんなことはどうでも良かった。フローラにとって大事なのは、シュウとレーナを遠ざけることに成功した・・・ただこの事実だけなのだから。
シュウとレーナのことは終わったことだ。
レーナがライルと男女の関係になり、そしてレーナの父であるレウス司教が、二人の婚姻を強く望む以上、シュウとレーナの復縁はあり得ないとフローラは考えている。
シュウを手に入れるにあたって目下最大の障害はほぼ消えたと言って良い。だが、フローラにとっての脅威はまだ残っていた。
それは『光の戦士達』に属している女性メンバー、剣士サーラと法術師アリエスだ。
フローラはこの二人がシュウに前から懸想していることに気付いていた。
一難去ってまた一難。レーナという障害が消えて得をするのは、フローラだけではなくライバルであるサーラ達でもあるのだ。
「・・・一応、けん制しておきますか」
フローラは小さく溜め息をついてから、とてとてとシュウ達の元へ近づいた。
「シュウ様~!」
そして甘ったるい声を出しながら、一直線へシュウへ向かって駆け寄っていく。
それに気付いたサーラとアリエスの表情が僅かに曇った。
ピタッ
聖神教会の規律として、恋人や伴侶を除き、みだりに異性に触れてはならないといったものがある。それほど守られているものではないが、聖女としての抜擢されることを目標としているフローラがこれをおいそれと破るわけにはいかない。だから触れたくてもシュウには触れない。
だが、その距離は相変わらず近い。お互いの吐息がかかりそうなほど近い。
「フローラ。あまりそう近づくというのも・・・外聞が悪くですね、その・・・」
以前はレーナとの関係もあってこれをやんわり咎めていたシュウだが、このときはレーナとのこともあるからかキレが悪かった。
シュウの言う通り本来なら触れないでいるとはいえ、いくらか外聞の悪い距離感だが、第5支部の教徒達は皆がフローラのことを応援しているので、スキャンダルどころかむしろ微笑ましいさえ思っていた。
「そのような寂しいことをおっしゃるのはやめてくださいませシュウ様。せっかく久しぶりにお会いできたのですもの。もっと近くでお話したいくらいです」
うっとりとした表情でシュウを見つめるフローラ。
「・・・これ以上近づいたら、普通に触れてしまいますよ・・・」
シュウはすっかり美少女に成長したフローラからの正面からのアピールに、昔と違いすっかり動揺するようになってしまっていた。
「・・・」
そんなシュウ達を見つめる様々な目があった。
(やはりフローラは僕に気があるのかな?あんな熱い視線で僕を見つめてきて・・・)
目の前にいるシュウに露骨にアピっているのに、何故かフローラが自分に熱い視線を送っているとアクロバティックな勘違いをするライル。
「・・・」
何か言いたげにしつつも、自分にそれを言う資格がないと思っているのか居心地悪そうに口を噤んでいるレーナ。
(この子・・・脅威だな・・・)
(可愛い後輩キャラなんて、私とキャラがかぶってるッス・・・!)
シュウにアピっているフローラに不快感さを僅かに表情に現しているサーラ達。
そして、そんな彼らからよくわからないが凄まじい負の圧を感じているギャラリー達であった。
フローラはメンバーの様子を遠巻きに見ていたが、ライルとレーナについてあることに気が付いた。
(あの二人・・・多分本当にデキた・・・)
予めレーナ達について報告を受けて事情を知っていたフローラでさえ注視しなければわからないレベルだが、ライルとレーナの距離感が明らかに縮まっているのが見て取れた。たまに顔を会わせるフローラが気付くのだから、同じパーティーメンバーであるシュウ達が気付かないはずもない。そのせいだろうか・・・シュウとレーナの間には、どこかぎこちない空気が流れているように見えた。
(なんということでしょう。パーティークラッシュ目前ではないですか)
フローラは両手を頬に添え、歓喜で赤面しながら「はぅ~・・・」と声を洩らしプルプルと震えていた。
それを見ている教徒達が怪訝な目を向けているが気にも留めない。
フローラが蒔いた種は、期待通りの花を咲かせていた。
フローラがそうなるよう誘導したとはいえ、あくまでレーナがライルと不貞(?)したのは自分の意志によるものだ。だからフローラには達成感こそあれど、罪悪感など微塵も無かった。
(私のあの程度の横槍で浮気してしまう程度の気持ちなら、いずれレーナさんは不貞をして関係は破綻していたのでは?)
むしろそんな自己弁護すら考えていた。
フローラはライルが持つ『魅了』のスキルを知らない。よってライルとレーナの間に何があったかについて本当の意味では理解はしていないのだ。
だが、そんなことはどうでも良かった。フローラにとって大事なのは、シュウとレーナを遠ざけることに成功した・・・ただこの事実だけなのだから。
シュウとレーナのことは終わったことだ。
レーナがライルと男女の関係になり、そしてレーナの父であるレウス司教が、二人の婚姻を強く望む以上、シュウとレーナの復縁はあり得ないとフローラは考えている。
シュウを手に入れるにあたって目下最大の障害はほぼ消えたと言って良い。だが、フローラにとっての脅威はまだ残っていた。
それは『光の戦士達』に属している女性メンバー、剣士サーラと法術師アリエスだ。
フローラはこの二人がシュウに前から懸想していることに気付いていた。
一難去ってまた一難。レーナという障害が消えて得をするのは、フローラだけではなくライバルであるサーラ達でもあるのだ。
「・・・一応、けん制しておきますか」
フローラは小さく溜め息をついてから、とてとてとシュウ達の元へ近づいた。
「シュウ様~!」
そして甘ったるい声を出しながら、一直線へシュウへ向かって駆け寄っていく。
それに気付いたサーラとアリエスの表情が僅かに曇った。
ピタッ
聖神教会の規律として、恋人や伴侶を除き、みだりに異性に触れてはならないといったものがある。それほど守られているものではないが、聖女としての抜擢されることを目標としているフローラがこれをおいそれと破るわけにはいかない。だから触れたくてもシュウには触れない。
だが、その距離は相変わらず近い。お互いの吐息がかかりそうなほど近い。
「フローラ。あまりそう近づくというのも・・・外聞が悪くですね、その・・・」
以前はレーナとの関係もあってこれをやんわり咎めていたシュウだが、このときはレーナとのこともあるからかキレが悪かった。
シュウの言う通り本来なら触れないでいるとはいえ、いくらか外聞の悪い距離感だが、第5支部の教徒達は皆がフローラのことを応援しているので、スキャンダルどころかむしろ微笑ましいさえ思っていた。
「そのような寂しいことをおっしゃるのはやめてくださいませシュウ様。せっかく久しぶりにお会いできたのですもの。もっと近くでお話したいくらいです」
うっとりとした表情でシュウを見つめるフローラ。
「・・・これ以上近づいたら、普通に触れてしまいますよ・・・」
シュウはすっかり美少女に成長したフローラからの正面からのアピールに、昔と違いすっかり動揺するようになってしまっていた。
「・・・」
そんなシュウ達を見つめる様々な目があった。
(やはりフローラは僕に気があるのかな?あんな熱い視線で僕を見つめてきて・・・)
目の前にいるシュウに露骨にアピっているのに、何故かフローラが自分に熱い視線を送っているとアクロバティックな勘違いをするライル。
「・・・」
何か言いたげにしつつも、自分にそれを言う資格がないと思っているのか居心地悪そうに口を噤んでいるレーナ。
(この子・・・脅威だな・・・)
(可愛い後輩キャラなんて、私とキャラがかぶってるッス・・・!)
シュウにアピっているフローラに不快感さを僅かに表情に現しているサーラ達。
そして、そんな彼らからよくわからないが凄まじい負の圧を感じているギャラリー達であった。
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