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私の愛は狂暴です 3
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フローラが聖神教会に入ってから一年。
「貴方、私の代わりに礼拝堂の掃除をしておきなさい」
「私の代わりに懺悔室の掃除をしなさい」
「お腹空いたからパンと牛乳を買ってきなさい五分以内で。数えるわよ・・・い~ち、に~・・・」
フローラは毎日毎日先輩教徒から雑用を押し付けられていた。
従来彼女がやらねばならぬ量の倍以上の仕事を押し付けられ、毎日出される食事も先輩にいくらかかすめ取られてる日々。
まだ幼いフローラには過酷な日々ではあるが、彼女は音を上げることはなかった。
(家にいた頃よりは全然マシだわ)
実母に詰られながらも、幼子故に家を飛び出すことも出来ず惨めな思いを続けていたフローラは、教会での生活は意外とそれほど悪いものではなかった。
むしろ身を置く対価として労働を捧げることが出来るのは、家にいるよりもある意味で安心出来た。自分の力で生きていけている、そんな実感がしたからだ。
労働の対価に住まいと食事が手に入り、それどころか聖魔法適性者として教育を受けさせてももらえる境遇に感謝していた。先輩達に押し付けられた余計な労働があるから休みらしい休みはなかったが、『休みなく働き学ぶ』というこの環境が、その後聖女として大成したフローラを形成することになる。
フローラの生活は過酷ではあったが、本人にとってはそれほど悪いものではなかった。
だが、ある日そんな生活が一変・・・いや、悪化することになる。
「フローラ。貴方、私の恋人に色目を使ったでしょう?」
「え?」
ある日、フローラは先輩修道女達に呼び出されて囲まれた。
そして全く謂れのないことで訊問されることになる。
「どういうことでしょうか?私は何もしておりません」
先輩の言う恋人とは、同じ支部で勤める神官のことであることは知っていた。
だが、フローラが彼に色目を使ったなどという記憶などない。だからフローラはそのように言ったが、先輩は聞く耳持たずと言ったように激昂した。
「とぼけないで!全部知ってるんだから!!」
「私の彼にも使ったわ!」
「とぼけた顔して、恐ろしい女だわ」
一人が激昂すると、それに続いて他の先輩も怒鳴り出した。
フローラには本当に心当たりはないのだが
(そういえば先輩達の恋人さんが、最近私の仕事(押し付けられた分含む)を手伝ってくれるときが何度かあった・・・)
あえていうならそれか?ということを思い出した。
ここ最近は仕事をしていると男に限り、手伝ってくれるということがたびたびあった。
器量良しの少女が、毎日毎日押し付けられた仕事でも泣き言一つ言わずに一生懸命に務めているのを見て、彼らの庇護欲をそそられたからである。
中には将来美人に成長したフローラが自分の事を覚えていて、あわよくば恋仲に・・・などと下心を抱いている者までいたが、そんな彼らの動向に気付いた先輩修道女達は面白いはずもない。
自分達は仕事をさぼって後輩に任せっきりである一方、その後輩は一生懸命に泣き言言わずにそれをこなしているのだから、周囲からの互いの評価が逆転してしまうのは当然と言えば当然なのだ。
しかし男達も少しずつ成長し、美女に変わろうとする片鱗を見せ始めたフローラに注目するようになって態度を変えるのだから現金なものである。
「フローラをこき使うのをやめろ、最近彼が急にそんなことを言うようになってきたのよ。貴方が色目を使ったから以外に考えられないでしょう!」
激昂した先輩はそう言ってフローラの脛を蹴り上げる。
「いたっ!むぐっ・・・!」
初めての体罰による痛みに悲鳴を上げそうにあるフローラの口を、すかさず他の先輩が手で塞いだ。
「大きな声出さないで。私達のしたことがバレたら、貴方が教会で問題を起こしたことにして追い出してやるから。また貴方の貧相な実家に逆戻りよ」
フローラは先輩のこと言葉に怯え、抵抗する気力を失った。
自身の非力を恨み、惨めさに打ちひしがれた日々を送った家に戻りたくはないと。
「顔を傷つけてはだめよ。目立つから。やるなら服の下・・・目立たないところにしましょう」
この日以来、先輩達は悪魔のような笑みを浮かべながら、フローラへの虐待を日常的に繰り返すことになった。
「貴方、私の代わりに礼拝堂の掃除をしておきなさい」
「私の代わりに懺悔室の掃除をしなさい」
「お腹空いたからパンと牛乳を買ってきなさい五分以内で。数えるわよ・・・い~ち、に~・・・」
フローラは毎日毎日先輩教徒から雑用を押し付けられていた。
従来彼女がやらねばならぬ量の倍以上の仕事を押し付けられ、毎日出される食事も先輩にいくらかかすめ取られてる日々。
まだ幼いフローラには過酷な日々ではあるが、彼女は音を上げることはなかった。
(家にいた頃よりは全然マシだわ)
実母に詰られながらも、幼子故に家を飛び出すことも出来ず惨めな思いを続けていたフローラは、教会での生活は意外とそれほど悪いものではなかった。
むしろ身を置く対価として労働を捧げることが出来るのは、家にいるよりもある意味で安心出来た。自分の力で生きていけている、そんな実感がしたからだ。
労働の対価に住まいと食事が手に入り、それどころか聖魔法適性者として教育を受けさせてももらえる境遇に感謝していた。先輩達に押し付けられた余計な労働があるから休みらしい休みはなかったが、『休みなく働き学ぶ』というこの環境が、その後聖女として大成したフローラを形成することになる。
フローラの生活は過酷ではあったが、本人にとってはそれほど悪いものではなかった。
だが、ある日そんな生活が一変・・・いや、悪化することになる。
「フローラ。貴方、私の恋人に色目を使ったでしょう?」
「え?」
ある日、フローラは先輩修道女達に呼び出されて囲まれた。
そして全く謂れのないことで訊問されることになる。
「どういうことでしょうか?私は何もしておりません」
先輩の言う恋人とは、同じ支部で勤める神官のことであることは知っていた。
だが、フローラが彼に色目を使ったなどという記憶などない。だからフローラはそのように言ったが、先輩は聞く耳持たずと言ったように激昂した。
「とぼけないで!全部知ってるんだから!!」
「私の彼にも使ったわ!」
「とぼけた顔して、恐ろしい女だわ」
一人が激昂すると、それに続いて他の先輩も怒鳴り出した。
フローラには本当に心当たりはないのだが
(そういえば先輩達の恋人さんが、最近私の仕事(押し付けられた分含む)を手伝ってくれるときが何度かあった・・・)
あえていうならそれか?ということを思い出した。
ここ最近は仕事をしていると男に限り、手伝ってくれるということがたびたびあった。
器量良しの少女が、毎日毎日押し付けられた仕事でも泣き言一つ言わずに一生懸命に務めているのを見て、彼らの庇護欲をそそられたからである。
中には将来美人に成長したフローラが自分の事を覚えていて、あわよくば恋仲に・・・などと下心を抱いている者までいたが、そんな彼らの動向に気付いた先輩修道女達は面白いはずもない。
自分達は仕事をさぼって後輩に任せっきりである一方、その後輩は一生懸命に泣き言言わずにそれをこなしているのだから、周囲からの互いの評価が逆転してしまうのは当然と言えば当然なのだ。
しかし男達も少しずつ成長し、美女に変わろうとする片鱗を見せ始めたフローラに注目するようになって態度を変えるのだから現金なものである。
「フローラをこき使うのをやめろ、最近彼が急にそんなことを言うようになってきたのよ。貴方が色目を使ったから以外に考えられないでしょう!」
激昂した先輩はそう言ってフローラの脛を蹴り上げる。
「いたっ!むぐっ・・・!」
初めての体罰による痛みに悲鳴を上げそうにあるフローラの口を、すかさず他の先輩が手で塞いだ。
「大きな声出さないで。私達のしたことがバレたら、貴方が教会で問題を起こしたことにして追い出してやるから。また貴方の貧相な実家に逆戻りよ」
フローラは先輩のこと言葉に怯え、抵抗する気力を失った。
自身の非力を恨み、惨めさに打ちひしがれた日々を送った家に戻りたくはないと。
「顔を傷つけてはだめよ。目立つから。やるなら服の下・・・目立たないところにしましょう」
この日以来、先輩達は悪魔のような笑みを浮かべながら、フローラへの虐待を日常的に繰り返すことになった。
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