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私の愛は狂暴です
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帝都から逃げ出し、他国の小さな村で宿を取ったシュウ達。
一旦逃走に成功したことにより緊張から解放されたことによる気分の高揚と、法王の娘という背徳感、いろいろ合わさって盛り上がったシュウに激しく抱かれたフローラは、自分の隣で裸で熟睡しているシュウの横顔を楽しそうにずっと眺めていた。
「あぁ、シュウ様・・・私、いまだに信じられませんわ・・・」
フローラは手を伸ばし、シュウの顎に触れてついっと指をなぞらせる。
そして愛おしそうにシュウの顔を眺めながら、深く深く溜め息をついた。
「あれほど恋焦がれていたシュウ様が、本当に私の物になるときが来るなんて。もうこれ以上に望むことなどありません・・・」
目を細め、寝ているシュウの頬に口づけをする。
「触れようと思えばいつでも触れる位置にシュウ様がいる。ここにいるのは私達だけ・・・夢ならどうか覚めないで・・・」
フローラはこれまで帝都にいたときからずっとシュウを自分の物とするべく策を巡らせていた。
恋敵はフローラが直接知っているだけでもレーナ、サーラ、アリエスがいた。
サーラとアリエスは自分よりもずっとシュウと接している時間の長い同じパーティーメンバーであるし、レーナに至っては婚約内定者。いずれも脅威のライバルだったが、うまく彼女らを出し抜き、シュウを手に入れることが出来たのだ。
まぁあくまでレーナは自滅なのだが、フローラは争奪戦に勝利したことで身に余るほどの喜びに打ち震えていた。
「はぁはぁ・・・」
息を荒くし、顔を真っ赤にしながらフローラはベッドが這い上がり、ササッと素早くローブを着込む。それから寝ているシュウを起こさぬようそっと部屋を出ていった。
フローラはそのまま宿屋からも出て、少し離れたとこまでそそくさと歩いていく。
まだ深夜なので人目はないが、その様子はどこか人目を忍ぶようであった。
「はぁ・・・」
宿屋から離れたところまで来て、フローラはため息をつく。
やがてうずくまるようにしてから体を震わせ、しばし溜を作ったあと・・・
「できたー!全部できたー!あははははははは!!」
唐突にフローラは天を仰ぎながら叫び笑い始めた。
誰もいない空間で一人、ただ狂ったように笑い続けているフローラの姿は、帝都でイメージされていた清楚な聖女とはかけ離れている。
その声量たるや民家から距離をいくらか取ったというのに、就寝している住民を起こしてしまうほどであった。
起こされた村人達は魔物の襲来が来たのかと勘違いし、撃退しようと農具を持って外に飛び出してきた者もいた。
『アーッハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ』
だが深い闇のいずこから不気味に響き渡る底冷えしそうなほど不気味な笑い声に、飛び出した村人達は「ヒェッ」と悲鳴を上げ、即座に家の中に戻っていく。
「魔女だ。魔女がいる・・・!」
「関わっちゃなんねーだ!」
狂喜の声の主は魔女どころか元聖女なのだが、そんなことを村人達が知るはずもない。
住民達は震えて未知なる恐怖に朝が来るのを振るえて待った。
この日以来、村人達は深夜に外出するのを控えるようになる。
「あはははははは・・・あー、いけないいけない。嬉しすぎて我慢できなかったわ」
笑い過ぎて浮かんだ目に浮かんだ涙を指で拭いながら、気を落ち着かせたフローラはようやく笑うことをやめた。
そして近くの木に近づくと、そっと身を預けて目を瞑り、自分の体を抱えるようにして震えながら蹲る。
「シュウ様・・・貴方の言った通りでした。『貪欲に望め、勝ち取れ、奪い取れ』私、貴方の言葉の通りにしたら本当に幸せになれましたわ」
清貧のイメージのついた聖女としてはあるまじき言葉を紡ぎながら、フローラは昔の記憶を探り出した。
一旦逃走に成功したことにより緊張から解放されたことによる気分の高揚と、法王の娘という背徳感、いろいろ合わさって盛り上がったシュウに激しく抱かれたフローラは、自分の隣で裸で熟睡しているシュウの横顔を楽しそうにずっと眺めていた。
「あぁ、シュウ様・・・私、いまだに信じられませんわ・・・」
フローラは手を伸ばし、シュウの顎に触れてついっと指をなぞらせる。
そして愛おしそうにシュウの顔を眺めながら、深く深く溜め息をついた。
「あれほど恋焦がれていたシュウ様が、本当に私の物になるときが来るなんて。もうこれ以上に望むことなどありません・・・」
目を細め、寝ているシュウの頬に口づけをする。
「触れようと思えばいつでも触れる位置にシュウ様がいる。ここにいるのは私達だけ・・・夢ならどうか覚めないで・・・」
フローラはこれまで帝都にいたときからずっとシュウを自分の物とするべく策を巡らせていた。
恋敵はフローラが直接知っているだけでもレーナ、サーラ、アリエスがいた。
サーラとアリエスは自分よりもずっとシュウと接している時間の長い同じパーティーメンバーであるし、レーナに至っては婚約内定者。いずれも脅威のライバルだったが、うまく彼女らを出し抜き、シュウを手に入れることが出来たのだ。
まぁあくまでレーナは自滅なのだが、フローラは争奪戦に勝利したことで身に余るほどの喜びに打ち震えていた。
「はぁはぁ・・・」
息を荒くし、顔を真っ赤にしながらフローラはベッドが這い上がり、ササッと素早くローブを着込む。それから寝ているシュウを起こさぬようそっと部屋を出ていった。
フローラはそのまま宿屋からも出て、少し離れたとこまでそそくさと歩いていく。
まだ深夜なので人目はないが、その様子はどこか人目を忍ぶようであった。
「はぁ・・・」
宿屋から離れたところまで来て、フローラはため息をつく。
やがてうずくまるようにしてから体を震わせ、しばし溜を作ったあと・・・
「できたー!全部できたー!あははははははは!!」
唐突にフローラは天を仰ぎながら叫び笑い始めた。
誰もいない空間で一人、ただ狂ったように笑い続けているフローラの姿は、帝都でイメージされていた清楚な聖女とはかけ離れている。
その声量たるや民家から距離をいくらか取ったというのに、就寝している住民を起こしてしまうほどであった。
起こされた村人達は魔物の襲来が来たのかと勘違いし、撃退しようと農具を持って外に飛び出してきた者もいた。
『アーッハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ』
だが深い闇のいずこから不気味に響き渡る底冷えしそうなほど不気味な笑い声に、飛び出した村人達は「ヒェッ」と悲鳴を上げ、即座に家の中に戻っていく。
「魔女だ。魔女がいる・・・!」
「関わっちゃなんねーだ!」
狂喜の声の主は魔女どころか元聖女なのだが、そんなことを村人達が知るはずもない。
住民達は震えて未知なる恐怖に朝が来るのを振るえて待った。
この日以来、村人達は深夜に外出するのを控えるようになる。
「あはははははは・・・あー、いけないいけない。嬉しすぎて我慢できなかったわ」
笑い過ぎて浮かんだ目に浮かんだ涙を指で拭いながら、気を落ち着かせたフローラはようやく笑うことをやめた。
そして近くの木に近づくと、そっと身を預けて目を瞑り、自分の体を抱えるようにして震えながら蹲る。
「シュウ様・・・貴方の言った通りでした。『貪欲に望め、勝ち取れ、奪い取れ』私、貴方の言葉の通りにしたら本当に幸せになれましたわ」
清貧のイメージのついた聖女としてはあるまじき言葉を紡ぎながら、フローラは昔の記憶を探り出した。
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