26 / 54
勇者エクスの失敗
しおりを挟む
「・・・何ですって・・・?あの、もう一度お願いします」
エクスは思わず聞き返していた。
それだけシンが述べたことは想像の範疇を越えていたのだ。
「はい、アローラ姫様がご懐妊です。お相手は貴方しかありえないと申しております。大至急王城まで来られたしと、ラダーム国王より勅命が下されております」
シンは淡々と述べる。
エクスは気が動転していた。
内縁の妻たるビアンがいる自分が、まさかまさかで王女様を妊娠させてしまった・・・?
そんなバカなとエクスは言いかけたが、残念ながら彼には心当たりがあった。
確かに一度だけ・・・かつて魔王討伐の旅の途中でアローラ姫を救出した際、門番の竜との戦闘で気が高ぶっていたエクスは王城までの道中にあった宿屋で彼女と関係を持ってしまったのだ。
ただの一度だけ・・・
気が高ぶっていた、美人だった、王族の女性に手を出す背徳感に少しだけ興味があった、一夜限りの関係であると了承を得たから安心していた、いろいろと理由が重なりーーーエクスはアローラ姫を抱いた。
しかし、アローラ姫はその一度でエクスの子を身ごもったという。
これは・・・もうこの家に戻って来られないということではないか?
いや、むしろもう自分に自由は訪れないということでは・・・
流石に勇者だから処刑はされないと思いたいが・・・
エクスは体中に嫌な汗が流れているのを感じる。
「その・・・相手は俺で間違いないのでしょうか?」
焦りのあまり思わず、最低な質問をしてしまうエクス。
「いえ、これまで貴方意外にそういった関係になった殿方はいらっしゃらないとはっきりおっしゃっております」
そんなエクスの質問にも、シンは淡々と答えた。
やっぱりそうかーーー
往生際の悪かったエクスも、ようやくアローラ姫を身ごもらせたのが自分であることを認識した。
そして次におそるおそる隣にいるビアンの様子をちら見する。
ビアンは俯いていて表情がよく見えなかった。
「あの・・・ビアン・・・」
エクスが声をかけると、ビアンは顔を上げた。
ビアンが見せたその表情はエクスが想像だにしないものだった。
エクスは思わず聞き返していた。
それだけシンが述べたことは想像の範疇を越えていたのだ。
「はい、アローラ姫様がご懐妊です。お相手は貴方しかありえないと申しております。大至急王城まで来られたしと、ラダーム国王より勅命が下されております」
シンは淡々と述べる。
エクスは気が動転していた。
内縁の妻たるビアンがいる自分が、まさかまさかで王女様を妊娠させてしまった・・・?
そんなバカなとエクスは言いかけたが、残念ながら彼には心当たりがあった。
確かに一度だけ・・・かつて魔王討伐の旅の途中でアローラ姫を救出した際、門番の竜との戦闘で気が高ぶっていたエクスは王城までの道中にあった宿屋で彼女と関係を持ってしまったのだ。
ただの一度だけ・・・
気が高ぶっていた、美人だった、王族の女性に手を出す背徳感に少しだけ興味があった、一夜限りの関係であると了承を得たから安心していた、いろいろと理由が重なりーーーエクスはアローラ姫を抱いた。
しかし、アローラ姫はその一度でエクスの子を身ごもったという。
これは・・・もうこの家に戻って来られないということではないか?
いや、むしろもう自分に自由は訪れないということでは・・・
流石に勇者だから処刑はされないと思いたいが・・・
エクスは体中に嫌な汗が流れているのを感じる。
「その・・・相手は俺で間違いないのでしょうか?」
焦りのあまり思わず、最低な質問をしてしまうエクス。
「いえ、これまで貴方意外にそういった関係になった殿方はいらっしゃらないとはっきりおっしゃっております」
そんなエクスの質問にも、シンは淡々と答えた。
やっぱりそうかーーー
往生際の悪かったエクスも、ようやくアローラ姫を身ごもらせたのが自分であることを認識した。
そして次におそるおそる隣にいるビアンの様子をちら見する。
ビアンは俯いていて表情がよく見えなかった。
「あの・・・ビアン・・・」
エクスが声をかけると、ビアンは顔を上げた。
ビアンが見せたその表情はエクスが想像だにしないものだった。
0
お気に入りに追加
44
あなたにおすすめの小説
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
国外追放者、聖女の護衛となって祖国に舞い戻る
はにわ
ファンタジー
ランドール王国最東端のルード地方。そこは敵国や魔族領と隣接する危険区域。
そのルードを治めるルーデル辺境伯家の嫡男ショウは、一年後に成人を迎えるとともに先立った父の跡を継ぎ、辺境伯の椅子に就くことが決定していた。幼い頃からランドール最強とされる『黒の騎士団』こと辺境騎士団に混ざり生活し、団員からの支持も厚く、若大将として武勇を轟かせるショウは、若くして国の英雄扱いであった。
幼馴染の婚約者もおり、将来は約束された身だった。
だが、ショウと不仲だった王太子と実兄達の謀略により冤罪をかけられ、彼は廃嫡と婚約者との婚約破棄、そして国外追放を余儀なくされてしまう。彼の将来は真っ暗になった。
はずだったが、2年後・・・ショウは隣国で得意の剣術で日銭を稼ぎ、自由気ままに暮らしていた。だが、そんな彼はひょんなことから、旅をしている聖女と呼ばれる世界的要人である少女の命を助けることになる。
彼女の目的地は祖国のランドール王国であり、またその命を狙ったのもランドールの手の者であることを悟ったショウ。
いつの間にか彼は聖女の護衛をさせられることになり、それについて思うこともあったが、祖国の現状について気になることもあり、再び祖国ランドールの地に足を踏み入れることを決意した。
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる