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賢者リノア
反撃の糸口
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リノアがトマスに魔法で反撃する少し前---
リノアはトマスがセントラルギルドと繋がっていると推測してから、萎みかかっていた闘志が再燃した。
ギルドが絡んでいるというのならば、トマスは自分だけでなくゴウキ・ファミリー全体に対して敵意を持っていることになる。
自分に執着するだけでなくゴウキの脅威になろうというのか?許せない!と。
与えられた個室の中で絶望するしかなかったリノアは、即座に思考を切り替えて自分にできることはないかと考えた。
(私に出来ることは、魔法で戦うことだけ・・・!)
まず始めたことは、自分に着けられた魔封の魔道具の特性について推理すること。
どのようにしてリノアは魔法を封じられたのかを突き詰めることで、どうにか魔道具の穴を突き突破口を見いだせないかと考えたのだ。
そして考え付いた結論は、魔道具はリノアの体内で練られる術式を無効化している、もしくは体内から体外への魔力の放出を抑制されているのではないか?の二点だった。
リノアは賢者と言われるほどの魔法使いであり、その体内には膨大な魔力が蓄えられている。その魔力を術式により魔法に変換して放出することで、強大な魔法が具現化される。
変換する際に必要な術式が阻害されているか、体内から体外へ放出される魔力がシャットダウンされてしまえば、魔法は使えないということだ。
そうだと仮定すると、一先ずどうすれば魔法を使えるようになるか。
魔道具の破壊をせずにそれを成す方法を考えた結果、リノアは「自分の中にある魔力が駄目なら、外にあるものならどうか」と思いついた。
魔力というものは人や魔物といった生物の体のみに宿るものではない。
自然界にも空気に交じるように漂っているものなのである。
むしろ魔道具の中には、そういった自然界にある魔力を集めて利用する物が多く存在しているのだ。
リノアは微々たる魔力を、少しずつ集めることに徹した。
空気中に漂う魔力は少ないし、普通取り置きなど出来るものではないとされていたが、鍛錬により微細な魔力の扱いの出来るようになったリノアには可能だった。
あまりに常識外のことである故に、こればかりはトマスも計算に入れていなかった。
ほんの少し、ほんの少し・・・と集めていくうちに、ある程度の魔力をリノアは体外に蓄えることに成功した。
集めた魔力で作り上げたコウモリを使い、トマスを含めた屋敷中の動向を探らせて機会を伺った。
そしてトマスが何か行動を起こすとコウモリにより察知したリノアは、残る全ての魔力をトマスへの攻撃に注ぎ込んだのだ。
しかし残念ながら、リノアのその攻撃は不発に終わった。
もう蓄えている魔力は無く、リノアに反撃の目はない。
トマスはリノアが魔法を使った道理こそまだ理解できてはいなかったが、直感で彼女が既に無防備な状態であることを察する。
「ふざけるなよ・・・お前ぇぇぇ!!」
自分の拒否するどころか、存在そのものを拒絶するようになったリノアに、トマスは憎悪を爆発させようとしていた。
リノアはトマスがセントラルギルドと繋がっていると推測してから、萎みかかっていた闘志が再燃した。
ギルドが絡んでいるというのならば、トマスは自分だけでなくゴウキ・ファミリー全体に対して敵意を持っていることになる。
自分に執着するだけでなくゴウキの脅威になろうというのか?許せない!と。
与えられた個室の中で絶望するしかなかったリノアは、即座に思考を切り替えて自分にできることはないかと考えた。
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まず始めたことは、自分に着けられた魔封の魔道具の特性について推理すること。
どのようにしてリノアは魔法を封じられたのかを突き詰めることで、どうにか魔道具の穴を突き突破口を見いだせないかと考えたのだ。
そして考え付いた結論は、魔道具はリノアの体内で練られる術式を無効化している、もしくは体内から体外への魔力の放出を抑制されているのではないか?の二点だった。
リノアは賢者と言われるほどの魔法使いであり、その体内には膨大な魔力が蓄えられている。その魔力を術式により魔法に変換して放出することで、強大な魔法が具現化される。
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そうだと仮定すると、一先ずどうすれば魔法を使えるようになるか。
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むしろ魔道具の中には、そういった自然界にある魔力を集めて利用する物が多く存在しているのだ。
リノアは微々たる魔力を、少しずつ集めることに徹した。
空気中に漂う魔力は少ないし、普通取り置きなど出来るものではないとされていたが、鍛錬により微細な魔力の扱いの出来るようになったリノアには可能だった。
あまりに常識外のことである故に、こればかりはトマスも計算に入れていなかった。
ほんの少し、ほんの少し・・・と集めていくうちに、ある程度の魔力をリノアは体外に蓄えることに成功した。
集めた魔力で作り上げたコウモリを使い、トマスを含めた屋敷中の動向を探らせて機会を伺った。
そしてトマスが何か行動を起こすとコウモリにより察知したリノアは、残る全ての魔力をトマスへの攻撃に注ぎ込んだのだ。
しかし残念ながら、リノアのその攻撃は不発に終わった。
もう蓄えている魔力は無く、リノアに反撃の目はない。
トマスはリノアが魔法を使った道理こそまだ理解できてはいなかったが、直感で彼女が既に無防備な状態であることを察する。
「ふざけるなよ・・・お前ぇぇぇ!!」
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