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賢者リノア
脳筋的勝利
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ゴウキが進む道を塞いでいるのは、一応万が一に牢を出られたときのためにギルドが用意しておいたスライムだった。
通常のスライムと違い、かなり大型で再生力も高いものに品種改良されたスライムである。
ギルド秘匿の改造モンスターであった。
「どけぇ!!」
ゴウキはスライムを殴りつける。
ぽよん
が、ゴウキの拳はスライムを粉砕することなく、難なく衝撃を吸収されてしまう。
「ちっ!!」
二度目のゴウキの拳が炸裂するが、結果はほとんど同じだった。
通常、スライムを相手するのに打撃系の攻撃しか持たぬ冒険者は分が悪い。液体であるスライムに有効打を与えづらいからである。
魔法など火で蒸発させてしまうとか、槍など貫通力のあるもので心臓部であるコアを攻撃するとかが有効的な攻略法なのだが、今相手をしているスライムは大型であるためにコアへ素手での攻撃が届きにくく、体を削ったところで再生してしまうという、ゴウキにとって非常に相性の悪い相手だった。
「ど、どうだ!我がギルドが大金をかけて作ったセキリュティー用のスライムだ。あれを倒すことはできないだろう!!」
「魔法でフッ飛ばしても再生するくらいだからな。打撃系の攻撃じゃどうにもならないはずだ!」
映像越しにギルド職員が勝ち誇った。
スライムはあくまで通路に居座ってを通路を塞ぐだけであり、ゴウキが身を引こうが何をしようがその場から動く様子がない。
つまりスライムを排除しなければゴウキはこの場を脱することが出来ないのだが、素手で戦うがスタイルのゴウキにはスライムを倒すことが出来なかった。
実質、依然としてゴウキは監禁状態にあるのである。
だが、ゴウキは攻撃を諦めなかった。
ゆっくりとスライムに近づき、なんと横薙ぎに引っかきだしたのだ。
バシャッ
スライムの一部が水滴となって周囲に飛散するが、スライムの体積からすれば大した量ではなかった。
しかも、飛散した水滴は少しの時間をおけば本体に戻っていくのである。傍から見れば全くの無駄な行為だった。
しかし・・・
バシャ
バシャバシャバシャッ
振り子のように、何度も何度も何度もゴウキはスライムを引っ搔きを続け、スライムの体は徐々にその形を変えていく。
再生するスピードより速く、ゴウキはスライムの体を削り続けているのだ。
鋼の肉体を持つゴウキの引っ搔きは、かぎ爪系の武器の攻撃に等しく、「ゴウキは素手でしか攻撃できない」というギルド職員の分析をある意味覆していた。
最も、爪系の武器を持った冒険者とて今のゴウキのような戦い方などはしないのだが。
「う、嘘だろ・・・?」
映像を見たギルド職員が戦慄する。
スタイルを崩したスライムは、やがて弱点であるコアにまで手が届くようになってしまった。
「滅殺ッ!!」
コアに手が届くようになった瞬間、ゴウキの拳がコアを粉砕した。
コアを破壊されたスライムは再生することなく、完全に沈黙しする。
「な・・・まさか、スライムが・・・」
「あれ、量産前のプロトタイプだろ・・・?損失が・・・」
ギルドの職員達は、あまりの展開に泡を吹いて倒れた。
通常のスライムと違い、かなり大型で再生力も高いものに品種改良されたスライムである。
ギルド秘匿の改造モンスターであった。
「どけぇ!!」
ゴウキはスライムを殴りつける。
ぽよん
が、ゴウキの拳はスライムを粉砕することなく、難なく衝撃を吸収されてしまう。
「ちっ!!」
二度目のゴウキの拳が炸裂するが、結果はほとんど同じだった。
通常、スライムを相手するのに打撃系の攻撃しか持たぬ冒険者は分が悪い。液体であるスライムに有効打を与えづらいからである。
魔法など火で蒸発させてしまうとか、槍など貫通力のあるもので心臓部であるコアを攻撃するとかが有効的な攻略法なのだが、今相手をしているスライムは大型であるためにコアへ素手での攻撃が届きにくく、体を削ったところで再生してしまうという、ゴウキにとって非常に相性の悪い相手だった。
「ど、どうだ!我がギルドが大金をかけて作ったセキリュティー用のスライムだ。あれを倒すことはできないだろう!!」
「魔法でフッ飛ばしても再生するくらいだからな。打撃系の攻撃じゃどうにもならないはずだ!」
映像越しにギルド職員が勝ち誇った。
スライムはあくまで通路に居座ってを通路を塞ぐだけであり、ゴウキが身を引こうが何をしようがその場から動く様子がない。
つまりスライムを排除しなければゴウキはこの場を脱することが出来ないのだが、素手で戦うがスタイルのゴウキにはスライムを倒すことが出来なかった。
実質、依然としてゴウキは監禁状態にあるのである。
だが、ゴウキは攻撃を諦めなかった。
ゆっくりとスライムに近づき、なんと横薙ぎに引っかきだしたのだ。
バシャッ
スライムの一部が水滴となって周囲に飛散するが、スライムの体積からすれば大した量ではなかった。
しかも、飛散した水滴は少しの時間をおけば本体に戻っていくのである。傍から見れば全くの無駄な行為だった。
しかし・・・
バシャ
バシャバシャバシャッ
振り子のように、何度も何度も何度もゴウキはスライムを引っ搔きを続け、スライムの体は徐々にその形を変えていく。
再生するスピードより速く、ゴウキはスライムの体を削り続けているのだ。
鋼の肉体を持つゴウキの引っ搔きは、かぎ爪系の武器の攻撃に等しく、「ゴウキは素手でしか攻撃できない」というギルド職員の分析をある意味覆していた。
最も、爪系の武器を持った冒険者とて今のゴウキのような戦い方などはしないのだが。
「う、嘘だろ・・・?」
映像を見たギルド職員が戦慄する。
スタイルを崩したスライムは、やがて弱点であるコアにまで手が届くようになってしまった。
「滅殺ッ!!」
コアに手が届くようになった瞬間、ゴウキの拳がコアを粉砕した。
コアを破壊されたスライムは再生することなく、完全に沈黙しする。
「な・・・まさか、スライムが・・・」
「あれ、量産前のプロトタイプだろ・・・?損失が・・・」
ギルドの職員達は、あまりの展開に泡を吹いて倒れた。
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