『濁』なる俺は『清』なる幼馴染と決別する

はにわ

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忍者スミレ

モチヅキの変革

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「お館様。それはあまりなお言葉。サスケは次世代を担うべくこれまで」


「黙れ」


サスケを擁護しようとすかさず助け船を出そうとした十勇士に対して、シンゾウは彼が発言を終える間もなく断ち切ってしまう。

これまでモチヅキの中でもハト派とされていたはずの当主シンゾウは、今ばかりはサスケと十勇士に対して明らかな怒り、侮蔑、そして敵意を持っていることが誰に目にも明らかだった。


「己が力量を見誤り、退き時を見失い、隊を全滅させるような者に当主など務まるはずもない」


「・・・!」


サスケはギリ・・・と、歯を食いしばった。
シンゾウの言っていることが深く刺さっているからだ。否定することなど出来なかった。


「それもこの期に及んでなお、そのゴウキという男に執着している。サスケ、お前は私怨のためにモチヅキを潰すつもりなのか?その力を目の当たりにし、しかもなおも底の知れていないとわかっている相手に」


ギクリとする。
サスケはこの数日でいくらか頭が冷え、心も自信を取り戻したかのように見えたが、ゴウキへの執着を見せるようになり、復讐に心を捉えられていた。
それはとても冷静さを大事とする忍者の長としてふさわしい姿ではない。

シンゾウに突きつけられたことで、サスケはそれを改めて認識させられた。


「スミレへもゴウキへも手出しは無用だ。そして、スミレとの縁談も白紙にさせてもらう」


「・・・!」


「我が家の十勇士を使い潰したのだ。当然だろう?それなりのケジメすら必要なくらいだ」


「~~~!」


将来を有望視され、既にモチヅキの家の長になるつもりでいたサスケは絶望し、言葉を発することが出来なかった。
反論しようにも事実としてサスケはモチヅキの家にこれ以上ないくらいの泥を塗り、損失を出したのだから。

そしてモチヅキ家の中で影響力を持つ十勇士を自らの失態で失ったことで、後ろ盾をも失ってしまったサスケにこれを力技で覆すことも出来なかった。

こうしてサスケはモチヅキとの縁が切れ、その野心は潰えることになる。
十勇士も当主の意に反してバルジ王国へ渡った上での失敗だったため、その座を追われることになった。

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