『濁』なる俺は『清』なる幼馴染と決別する

はにわ

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忍者スミレ

忍者達と決着

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「おぅ何だぁ?女を一方的に痛めつけることは出来ても、自分が一方的に痛めつけられるのは嫌か?」


ゴウキが嘲る表情でそう言った。

プライドの高いサスケなら普段はこの言葉にいくらかでも反論しただろう。だが、既に恐怖に飲まれ、戦意を喪失したサスケにはただただ目の前に迫るゴウキという名の脅威そのものに対して怯えていることしか出来なった。


「おぅ・・・答えろよ」


ゴウキが睨みを利かすと、「ひいっ」と小さく悲鳴を上げ、サスケは首を横にぶんぶんと振った。
もはや問答する気力もないようだ。

サスケは忍者としての才能はあったし、苦痛に耐える訓練もこなした。
だが、ゴウキのような圧倒的な存在と対峙したことはなく、ましてここまで精神的にも肉体的にも追い詰められた経験など皆無だったサスケは、この予想だにしなかった異常事態に対して既に精神が限界に達してしまっていたのだ。


「許してください・・・国に帰ります。大人しくしてます。もう何もしませんお願いします」


両手を合わせて擦り合わせ、祈るようにしてひたすらサスケは懇願し続けた。
完全に弱い者いじめの形になり、なんだかバツが悪くなるゴウキ。はぁ、と溜め息をつき、少し視線を外したそのときだった。


「今だ!」


どこからか、叫ぶ男の声が聞こえた。


「あ?」


ゴウキが声のした方を向くと、そこには最初にゴウキが民家に突入するときに排除したと思っていた十勇士の一人が、重症ながらも起き上がってゴウキ達のほうを見ている。どうやら十勇士が叫んだようだが、何故叫んだのかゴウキには意味がわからない。


「な、何故だ・・・?おい、サスケ・・・」


十勇士は呆然としている。彼の視線の先には、完全に戦意喪失したサスケがいた。
どうやら十勇士はゴウキが余所見をした瞬間に、サスケに隙をついて奇襲させるつもりだったようだ。だが、心が折られたサスケは、ゴウキに隙があろうとなかろうと既に抵抗する気力を失っていたのだ。

もっとも今ゴウキに不意打ちをしたところで、仕留めることなく叩き潰されていたであろうが・・・



十勇士は次代の君主として認めていたサスケが、ゴウキによって完全に壊されてしまったことにショックを受けたのか、目を丸くして口を半開きにし、動けないでいるようであった。

現当主の意向に半ば逆らう形になりながらも支持したサスケは既に死んだも同然。
目の前が真っ暗になった十勇士のところへゴウキはゆっくりと近づいていった。


あいつサスケはもう駄目になっちまったみたいだからよ。ちょっとお前が代わりに殴られてみるか?元気そうだしな」


十勇士はゴウキによって死よりつらい地獄を見せられることになる。

この戦いによって、十勇士はほぼ全員が死亡。残る一人とサスケは廃人同然になった。
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