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忍者スミレ
絶対なる恐怖
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ドゥンッ
ゴウキと睨みあっていたサスケは、手に持った小さなものを床に叩きつけた。
すると一瞬にして叩きつけた場所から大量の煙が噴出し、視界がゼロになるほど部屋が煙で満たされる。
煙玉という忍者が使う目晦ましの道具だった。
(まずは体勢を整える)
サスケはまず一旦部屋から出て、十分に力を発揮できる環境でゴウキと相対しようと考えていた。
狭い部屋では飛び道具など様々な戦闘スタイルを持つサスケにとっては、あまり有利とはいえない場所からだ。
部屋の出口はゴウキを背にしたところにある。
しかし部屋は煙で充満しているので、ゴウキは自分の姿を捉えることはできないだろうと考え、サスケは音もなくゴウキの背後に回り込むようにして動き出した。
が、
「ぐぅぅぅっ!?」
煙に紛れてゴウキの横を通り過ぎようとしたサスケに、その動きを察知したゴウキの振りかぶった剛腕が襲い掛かった。
予期せぬ一撃をくらい、サスケの体は派手に吹き飛んで部屋の壁をぶち破る。
結果としてサスケは外に出ることが出来たが、体は満足に動かぬほどの大ダメージを受けていた。
「は、はっ・・・な、なんなんだアイツは・・・ぐっ・・・」
激痛に悶えながら、サスケは後ずさってゴウキと距離を取ろうとする。
壊れた壁からゴウキが姿を現すと、サスケは小さく「ひっ」と悲鳴が口から洩れた。
悪鬼羅刹のような表情をしたゴウキ。
その視線に射貫かれるだけで、サスケは自分の体が震えて言うことを聞かなくなっていることを実感した。
忍者は感情のコントロールをするが必然であるが、中でも特に恐怖に震えるなど屈辱以外の何物でもない。サスケは恥辱の感情を抱くが、しかし今はそれどころではなかった。
死ぬ。
このままだと自分は目の前の男に殺される。
サスケはそう確信し、まずは自分の命を繋ごうと必死になった。
「ごくっ」
サスケは懐から丸薬を取り出し、それを飲み込む。
体を興奮状態にして痛覚と恐怖心を鈍らせるという即効性のある薬だった。
「はぁはぁ・・・はぁっ」
体中を走っていた痛覚が消え、サスケは体を無理矢理動かすことができるようになると、高く跳躍してこの場から離脱しようと考えた。
勝つことは考えない。まずは自分の命を繋ぎ、後でどうするかを考える。まずはそれだけだった。
しかし・・・
「あ・・・」
跳躍しようとしたとき、サスケは自分の体がよろめくばかりで跳躍できないことに気が付いた。そこで初めて彼は片足が折れていることも気付く。
「ああ・・・あ・・・」
ゴウキが迫る。
サスケは薬の効果を吹き飛ばすほどの恐怖で体を震わせ、失禁しながらただただ呆然と迫るゴウキを眺めていた。
ゴウキと睨みあっていたサスケは、手に持った小さなものを床に叩きつけた。
すると一瞬にして叩きつけた場所から大量の煙が噴出し、視界がゼロになるほど部屋が煙で満たされる。
煙玉という忍者が使う目晦ましの道具だった。
(まずは体勢を整える)
サスケはまず一旦部屋から出て、十分に力を発揮できる環境でゴウキと相対しようと考えていた。
狭い部屋では飛び道具など様々な戦闘スタイルを持つサスケにとっては、あまり有利とはいえない場所からだ。
部屋の出口はゴウキを背にしたところにある。
しかし部屋は煙で充満しているので、ゴウキは自分の姿を捉えることはできないだろうと考え、サスケは音もなくゴウキの背後に回り込むようにして動き出した。
が、
「ぐぅぅぅっ!?」
煙に紛れてゴウキの横を通り過ぎようとしたサスケに、その動きを察知したゴウキの振りかぶった剛腕が襲い掛かった。
予期せぬ一撃をくらい、サスケの体は派手に吹き飛んで部屋の壁をぶち破る。
結果としてサスケは外に出ることが出来たが、体は満足に動かぬほどの大ダメージを受けていた。
「は、はっ・・・な、なんなんだアイツは・・・ぐっ・・・」
激痛に悶えながら、サスケは後ずさってゴウキと距離を取ろうとする。
壊れた壁からゴウキが姿を現すと、サスケは小さく「ひっ」と悲鳴が口から洩れた。
悪鬼羅刹のような表情をしたゴウキ。
その視線に射貫かれるだけで、サスケは自分の体が震えて言うことを聞かなくなっていることを実感した。
忍者は感情のコントロールをするが必然であるが、中でも特に恐怖に震えるなど屈辱以外の何物でもない。サスケは恥辱の感情を抱くが、しかし今はそれどころではなかった。
死ぬ。
このままだと自分は目の前の男に殺される。
サスケはそう確信し、まずは自分の命を繋ごうと必死になった。
「ごくっ」
サスケは懐から丸薬を取り出し、それを飲み込む。
体を興奮状態にして痛覚と恐怖心を鈍らせるという即効性のある薬だった。
「はぁはぁ・・・はぁっ」
体中を走っていた痛覚が消え、サスケは体を無理矢理動かすことができるようになると、高く跳躍してこの場から離脱しようと考えた。
勝つことは考えない。まずは自分の命を繋ぎ、後でどうするかを考える。まずはそれだけだった。
しかし・・・
「あ・・・」
跳躍しようとしたとき、サスケは自分の体がよろめくばかりで跳躍できないことに気が付いた。そこで初めて彼は片足が折れていることも気付く。
「ああ・・・あ・・・」
ゴウキが迫る。
サスケは薬の効果を吹き飛ばすほどの恐怖で体を震わせ、失禁しながらただただ呆然と迫るゴウキを眺めていた。
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