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ゴウキ・ファミリー
女の戦い その10
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「・・・っ!!」
スミレは不覚にもクレアの拳の一撃を食らうことになった。
ギリギリのタイミングで体を逸らしてダメージを軽減させたものの、スミレは一瞬意識を失いそうになる。
「ちっ!」
予期せぬタイミングで反撃を食らったことでスミレは僅かに取り乱してはいたが、それでもそれは一瞬のこと。すぐに冷静になり、クレアの次の動きに対応するために体勢を整える。
が、それは少し遅かった。
ダァン
スミレが体勢を整えた直後、クレアがスミレの首根っこを摑まえ、力いっぱい地面に叩きつけた。
「ぐっ・・・!」
ギリギリで受け身を取ったが、それでも激しい衝撃に襲われたことでスミレの体が硬直する。
そうしている間にクレアはスミレに馬乗りになった。
(やばい!)
スミレの脳内に危険信号が鳴り響く。
この状態ではクレアに一方的に殴られてしまうからだ。クレアの本気の拳なら10発受けずとも死んでしまう・・・それを先ほど実際に攻撃を受けてみたスミレは理解していた。
--油断していた。
クレアの実力を、そして異常なほどの執念を。
スミレはここに来て後悔したが、もう遅い。
「貴様らやめんか!!」
だが、そんなときだった。
あと一歩のところで、スミレに救いの手が差し伸べられたのだ。
「大人しくしろ!!」
そう叫び、どかどかと走り寄ってくるのは騎士団の連中だった。極力被害は出さないようにしていたとはいえ、騒ぎが起きていたので通報さて、駆けつけてきたのだ。
「あっ・・・」
クレアが騎士団を見て、我に返った一瞬・・・スミレはその隙をついて、クレアを跳ね除けた。
「あっ、待て貴様!」
スミレは騎士団の制止も聞かず、即座に跳躍して民家の屋根に飛び乗り、そのままその場から逃走していった。
ついでにリノアも魔法で目くらましをして逃走済み。
残ったのは放心したクレアだけだった。
「犯人確保!・・・いや、被害者?」
全身服がボロボロで怪我をし、血を流しているクレアを見て、拘束しようとした騎士達の動きが思わず止まった。
「勇者パーティーの・・・クレア様?一体何があったんだ・・・?」
この日、勇者パーティーのリーダーであるクレアは乱闘事件を起こしたとして拘束。
メンバーであるリフトやミリア、マリスも病院に運ばれて治療を受けることになった。
「・・・あれ?知らない天井ですね。・・・どうしてこんなところに」
そして我に返ったマリスだけが、この日起きた状況を理解しきれないでいた。
スミレは不覚にもクレアの拳の一撃を食らうことになった。
ギリギリのタイミングで体を逸らしてダメージを軽減させたものの、スミレは一瞬意識を失いそうになる。
「ちっ!」
予期せぬタイミングで反撃を食らったことでスミレは僅かに取り乱してはいたが、それでもそれは一瞬のこと。すぐに冷静になり、クレアの次の動きに対応するために体勢を整える。
が、それは少し遅かった。
ダァン
スミレが体勢を整えた直後、クレアがスミレの首根っこを摑まえ、力いっぱい地面に叩きつけた。
「ぐっ・・・!」
ギリギリで受け身を取ったが、それでも激しい衝撃に襲われたことでスミレの体が硬直する。
そうしている間にクレアはスミレに馬乗りになった。
(やばい!)
スミレの脳内に危険信号が鳴り響く。
この状態ではクレアに一方的に殴られてしまうからだ。クレアの本気の拳なら10発受けずとも死んでしまう・・・それを先ほど実際に攻撃を受けてみたスミレは理解していた。
--油断していた。
クレアの実力を、そして異常なほどの執念を。
スミレはここに来て後悔したが、もう遅い。
「貴様らやめんか!!」
だが、そんなときだった。
あと一歩のところで、スミレに救いの手が差し伸べられたのだ。
「大人しくしろ!!」
そう叫び、どかどかと走り寄ってくるのは騎士団の連中だった。極力被害は出さないようにしていたとはいえ、騒ぎが起きていたので通報さて、駆けつけてきたのだ。
「あっ・・・」
クレアが騎士団を見て、我に返った一瞬・・・スミレはその隙をついて、クレアを跳ね除けた。
「あっ、待て貴様!」
スミレは騎士団の制止も聞かず、即座に跳躍して民家の屋根に飛び乗り、そのままその場から逃走していった。
ついでにリノアも魔法で目くらましをして逃走済み。
残ったのは放心したクレアだけだった。
「犯人確保!・・・いや、被害者?」
全身服がボロボロで怪我をし、血を流しているクレアを見て、拘束しようとした騎士達の動きが思わず止まった。
「勇者パーティーの・・・クレア様?一体何があったんだ・・・?」
この日、勇者パーティーのリーダーであるクレアは乱闘事件を起こしたとして拘束。
メンバーであるリフトやミリア、マリスも病院に運ばれて治療を受けることになった。
「・・・あれ?知らない天井ですね。・・・どうしてこんなところに」
そして我に返ったマリスだけが、この日起きた状況を理解しきれないでいた。
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