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ゴウキ・ファミリー
ミリアの異常
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「「・・・」」
クレア達は打ち上げ会を行うことなく、この日は一旦解散となった。とにかくいろいろあったことで全員が疲れ、とてもそういった雰囲気ではなかったからだ。
騒動を起こしたリフトとミリアはというと、解散した後も二人で並んで歩いていた。行き先はバークマン侯爵邸である。リフトはミリアを家まで送ることで婚約者としての役目を果たそうとしていたのもあるが、他にも用事があったからだ。
「「・・・」」
先ほどの衝突の気まずさからか、二人とも声を発することはない。
リフトはずっと考えていた。
(やはりおかしい・・・)
このような空気になっても、ミリアから謝ってはこない。それはあくまで自分が間違っていないと、今でも無言でもって訴えかけ続けているかのようにリフトには感じられた。
ミリアはこんな女性じゃなかった。リフトは身勝手ながらもそう考えている。
ーーーーー
結局リフト達は一言も言葉を交わすことのないまま、バークマン侯爵邸までたどり着いた。
「おぉ、ミリア帰ってきたか。リフト君も送ってくれて申し訳なかった」
ミリアの祖父であり、将来のリフトの家族となるバークマン侯爵は破顔してリフト達を迎える。
「・・・!」
が、リフト達の表情を見て何かを察したのか、一瞬だけ間を置くと
「ミリア。お前は疲れただろうから、もう休みなさい」
と言ってミリアに休むよう促した。
ミリアは実際に疲労困憊していたのもあり、家まで送ってくれたリフトに礼を言うと、そのまま自室へと向かっていく。
「それで・・・一体どうされたかな?もしやミリアに・・・?」
ミリアの姿が見えなくなってから、バークマン侯爵がリフトに訊ねる。
侯爵はある程度リフトの答えに予想がついているかのような態度だった。リフトは侯爵に対して頷いてから口を開いた。
「はい、どこか様子がおかしくなっています。いつものミリアではないようです」
「ふむ・・・やはり」
リフトの言葉に、侯爵は特に疑う様子もなく頷いて相槌を打つ。というよりむしろ予想していたのような態度にリフトは呆気に取られた。リフトにとっては天地がひっくり返るような衝撃だったというのに、侯爵にとっては予定調和だっと言わんばかりとはどういうことなのだと。
「あの、一体どういうことなのでしょう?ミリアに一体何があったのですか?」
リフトはたまらず侯爵に詰め寄るが、侯爵は微笑を浮かべて答えた。
「感情が少し不安定になっているようだ。少し長旅の疲れが出ているのだろう・・・責任を持ってこちらで休ませ、しっかりとリフレッシュをさせようと思う。休ませて落ち着けば、以前のミリアに戻っているはずだ」
「え・・・」
そんな理由?確かに情緒不安定なのかもしれないが・・・
微妙にリフトは釈然としなかったが、それでも侯爵は笑みをたたえたままだった。
「不肖の孫だが、どうか見捨てないでほしい」
侯爵にそう言われ、リフトは「とんでもない」と慌てて頷いた。
クレア達は打ち上げ会を行うことなく、この日は一旦解散となった。とにかくいろいろあったことで全員が疲れ、とてもそういった雰囲気ではなかったからだ。
騒動を起こしたリフトとミリアはというと、解散した後も二人で並んで歩いていた。行き先はバークマン侯爵邸である。リフトはミリアを家まで送ることで婚約者としての役目を果たそうとしていたのもあるが、他にも用事があったからだ。
「「・・・」」
先ほどの衝突の気まずさからか、二人とも声を発することはない。
リフトはずっと考えていた。
(やはりおかしい・・・)
このような空気になっても、ミリアから謝ってはこない。それはあくまで自分が間違っていないと、今でも無言でもって訴えかけ続けているかのようにリフトには感じられた。
ミリアはこんな女性じゃなかった。リフトは身勝手ながらもそう考えている。
ーーーーー
結局リフト達は一言も言葉を交わすことのないまま、バークマン侯爵邸までたどり着いた。
「おぉ、ミリア帰ってきたか。リフト君も送ってくれて申し訳なかった」
ミリアの祖父であり、将来のリフトの家族となるバークマン侯爵は破顔してリフト達を迎える。
「・・・!」
が、リフト達の表情を見て何かを察したのか、一瞬だけ間を置くと
「ミリア。お前は疲れただろうから、もう休みなさい」
と言ってミリアに休むよう促した。
ミリアは実際に疲労困憊していたのもあり、家まで送ってくれたリフトに礼を言うと、そのまま自室へと向かっていく。
「それで・・・一体どうされたかな?もしやミリアに・・・?」
ミリアの姿が見えなくなってから、バークマン侯爵がリフトに訊ねる。
侯爵はある程度リフトの答えに予想がついているかのような態度だった。リフトは侯爵に対して頷いてから口を開いた。
「はい、どこか様子がおかしくなっています。いつものミリアではないようです」
「ふむ・・・やはり」
リフトの言葉に、侯爵は特に疑う様子もなく頷いて相槌を打つ。というよりむしろ予想していたのような態度にリフトは呆気に取られた。リフトにとっては天地がひっくり返るような衝撃だったというのに、侯爵にとっては予定調和だっと言わんばかりとはどういうことなのだと。
「あの、一体どういうことなのでしょう?ミリアに一体何があったのですか?」
リフトはたまらず侯爵に詰め寄るが、侯爵は微笑を浮かべて答えた。
「感情が少し不安定になっているようだ。少し長旅の疲れが出ているのだろう・・・責任を持ってこちらで休ませ、しっかりとリフレッシュをさせようと思う。休ませて落ち着けば、以前のミリアに戻っているはずだ」
「え・・・」
そんな理由?確かに情緒不安定なのかもしれないが・・・
微妙にリフトは釈然としなかったが、それでも侯爵は笑みをたたえたままだった。
「不肖の孫だが、どうか見捨てないでほしい」
侯爵にそう言われ、リフトは「とんでもない」と慌てて頷いた。
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