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ゴウキ・ファミリー
用心棒
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「大変ですっ!!冒険者らしき人が店で暴れてるんです!すぐに来てくださいっ!!」
セントラルギルドの職員ラッツが営業でもぎ取った巡回警備。その依頼を受けたのはB級冒険者のスコットであったが、そんな彼に元に依頼主の酒場から連絡が入った。
「はいはい、お任せっとぉ・・・」
巨漢のスコットはやや気だるげに自らの得物である斧を手に取ると、やってきた従業員の後を追って現場へと急行した。
B級冒険者といえばバルジ王国の基準でも一人前と言えるほどで、基本的には十分に食っていけるだけの収入が貰えるランクである。
だが、スコットはギャンブルと女で少しばかり借金があった。
またここ最近はギルドの買い取りが金を渋るようになったので、少しばかり首が回りづらい状況になっている。
そこでスコットが受けることにしたのが、どういうわけが普段の相場より割の良い報酬が出ることになっている巡回警備の依頼だった。
「はぁ~、まさかこの俺がな・・・」
もう数年しないうちに、A級冒険者も夢ではない・・・そう評されているほどの腕前を持つスコットだが、「食いつめ者がやる仕事」と言われている巡回警備の仕事をやらざるを得ない状況になっていることを嘆く。自業自得とはいえ、いまだ彼は納得できないでいた。
「ここです!」
従業員に促され、スコットは店内に入る。
「お~お~・・・」
机はひっくり返り、瓶は割れ、店は盛大に荒らされていた。
そして店の中央に立って一人の男を殴りつけている冒険者がいる。スコット以上の巨漢を誇る、筋量の凄まじい大男であった。どうやら酔った末の喧嘩らしく、殴られている冒険者は既に意識がない状態であるようだった。このままでは人死にが出てしまう。
「おぅ、あんたその辺でやめときな!」
自分よりも巨漢である大男に対して、スコットは怯むことなく声をかけた。
ダンジョンの奥の魔物は人間より大きいのがワラワラいる。多少自分より大きい人間がいたとて、なんとも思わないのがスコットのような中級以上の冒険者だ。
どぉぉぉん!
だが、そんなスコットが一瞬にして壁に叩きつけられる。
「なっ・・・!?」
一瞬、何が起こったのかわからなかったスコットは、飛びそうになる意識をどうにか保ち、得物を持って立ち上がった。
「!?」
次の瞬間、スコットの視界いっぱいに前蹴りを繰り出す大男の姿が入った。
「あだばっ!」
スコットはなすすべもなくフッ飛ばされ、ピンボールのように酒場の壁に弾かれて動かなくなった。
「なんだぁてめぇ?A級冒険者の俺にかなうと思ってんのかぁ!?」
酔っぱらった大男がやや呂律の回らない声で叫ぶ。
(A級冒険者!運がねぇ・・・まさか格上に当たるなんて・・・)
王都ではランクの高い冒険者が事件を起こすことは稀だ。
何しろ問題を起こせば即座にライセンスの剥奪、もしくは格下げがあるからだ。格が高くなればなるほど、事件を起こすような冒険者は少なくなる。
しかし、このときスコットが出会ったのは数少ない例外であった。
「ちっ・・・依頼失敗かよ・・・」
消え入りそうな意識をどうにか保つスコットだが、既に得物を持つ力も残ってなかった。
そんなときである。
「おぅ、もうその辺でやめとけよ」
大男の前に立ちはだかった男の姿がスコットの目に入った。
「あいつは・・・」
男のことはスコットも知っていた。
ある意味、今王都で最も有名な男・・・ゴウキがそこにいたのである。
セントラルギルドの職員ラッツが営業でもぎ取った巡回警備。その依頼を受けたのはB級冒険者のスコットであったが、そんな彼に元に依頼主の酒場から連絡が入った。
「はいはい、お任せっとぉ・・・」
巨漢のスコットはやや気だるげに自らの得物である斧を手に取ると、やってきた従業員の後を追って現場へと急行した。
B級冒険者といえばバルジ王国の基準でも一人前と言えるほどで、基本的には十分に食っていけるだけの収入が貰えるランクである。
だが、スコットはギャンブルと女で少しばかり借金があった。
またここ最近はギルドの買い取りが金を渋るようになったので、少しばかり首が回りづらい状況になっている。
そこでスコットが受けることにしたのが、どういうわけが普段の相場より割の良い報酬が出ることになっている巡回警備の依頼だった。
「はぁ~、まさかこの俺がな・・・」
もう数年しないうちに、A級冒険者も夢ではない・・・そう評されているほどの腕前を持つスコットだが、「食いつめ者がやる仕事」と言われている巡回警備の仕事をやらざるを得ない状況になっていることを嘆く。自業自得とはいえ、いまだ彼は納得できないでいた。
「ここです!」
従業員に促され、スコットは店内に入る。
「お~お~・・・」
机はひっくり返り、瓶は割れ、店は盛大に荒らされていた。
そして店の中央に立って一人の男を殴りつけている冒険者がいる。スコット以上の巨漢を誇る、筋量の凄まじい大男であった。どうやら酔った末の喧嘩らしく、殴られている冒険者は既に意識がない状態であるようだった。このままでは人死にが出てしまう。
「おぅ、あんたその辺でやめときな!」
自分よりも巨漢である大男に対して、スコットは怯むことなく声をかけた。
ダンジョンの奥の魔物は人間より大きいのがワラワラいる。多少自分より大きい人間がいたとて、なんとも思わないのがスコットのような中級以上の冒険者だ。
どぉぉぉん!
だが、そんなスコットが一瞬にして壁に叩きつけられる。
「なっ・・・!?」
一瞬、何が起こったのかわからなかったスコットは、飛びそうになる意識をどうにか保ち、得物を持って立ち上がった。
「!?」
次の瞬間、スコットの視界いっぱいに前蹴りを繰り出す大男の姿が入った。
「あだばっ!」
スコットはなすすべもなくフッ飛ばされ、ピンボールのように酒場の壁に弾かれて動かなくなった。
「なんだぁてめぇ?A級冒険者の俺にかなうと思ってんのかぁ!?」
酔っぱらった大男がやや呂律の回らない声で叫ぶ。
(A級冒険者!運がねぇ・・・まさか格上に当たるなんて・・・)
王都ではランクの高い冒険者が事件を起こすことは稀だ。
何しろ問題を起こせば即座にライセンスの剥奪、もしくは格下げがあるからだ。格が高くなればなるほど、事件を起こすような冒険者は少なくなる。
しかし、このときスコットが出会ったのは数少ない例外であった。
「ちっ・・・依頼失敗かよ・・・」
消え入りそうな意識をどうにか保つスコットだが、既に得物を持つ力も残ってなかった。
そんなときである。
「おぅ、もうその辺でやめとけよ」
大男の前に立ちはだかった男の姿がスコットの目に入った。
「あいつは・・・」
男のことはスコットも知っていた。
ある意味、今王都で最も有名な男・・・ゴウキがそこにいたのである。
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