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ゴウキ・ファミリー
セントラルギルドの変化 その5
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セントラルギルド貿易部に属する職員シィルは、ギルドの女性職員用の休憩室で煙草を吸いながら溜め息をついていた。
「ったく、やってらんないわ」
制服のボタンを外して胸元を開け、大股開きで椅子に腰かけている姿は、男性職員には到底見せられないあられもない姿である。
シィルはギルドでもトップクラスの美人であり、気立てが良く愛想も良いために男性職員からの人気も高い。ノーラが在籍していた頃は「彼女の次に人気がある」といった感じであったが、貿易部でもバリバリ仕事をこなす彼女は、まさにセントラルギルドでもアイドル的な存在だった。
もちろん、今休憩室で見せているような姿はおくびにも出すわけがない。
「ったく、どいつもこいつも情けないったらないわ」
そんなシィルはずっと煙草を吸いながら愚痴をこぼしている。
ここ最近、セントラルギルドの収益がパッとしないために、ギルドマスターのフミオンの機嫌が悪い。ギルドの雰囲気が悪くなるだけではなく、このままでは賞与にまで影響が出るというので、ここらで挽回しないといけないのである。
いくつかある白羽の矢の一本が立っているのが、貿易部で優秀な成績を収めているシィルであった。フミオンからプレッシャーをかけられ、情けない男性職員達の身勝手ながら期待の眼差しを浴びたシィルは、この後レジプスの商人との商談を控えていた。
レジプスとの貿易はセントラルギルドにとっては金の成る木と言えるもので、特にスライムジェルやポーションに関してはほぼセントラルの言い値で取引が出来る。今回とて普通に商談に臨めばいつも通りの成果が出せるはずであるが、フミオンの期待を背負っている以上、いつも以上の成果を出さないといけないのである。
取れるところから取る、今のセントラルギルドの常となっているやり方である。
「はぁ、情けない連中の尻ぬぐいのために私が苦労することになるなんてムカつくわ。賞与弾んでもらわないと割に合わないっての。あと男連中からもそれなりに貢いでもらいたいもんだわ」
シィルがぼやいていると、柱時計が鳴った。商談の時間が近づいている。
ぎゅっと灰皿に煙草を押し付け、シィルは素早く身支度を整える。ブレスケアも忘れない。
(ま、ちょっとふっかけてみて、それでも難しいようなら色仕掛けしてやればどうにかなるでしょ。最初は四割増しくらいで話してみようかしら)
休憩室で見せていたあられもない姿はどこへやら。身だしなみをきっちり整え、(ノーラの次に)セントラルギルドの女神とまで言われた美貌と色気を振りまき男職員達の羨望の眼差しを浴びながら、シィルは商談室へと歩いて行った。
(見てなさいよ。終わったら私に感謝して平伏しなさいよね)
シィルは自信満々で商談に臨んだ。
しかし言うに及ばずだが、彼女の思惑通りにはいかないのである。
「ったく、やってらんないわ」
制服のボタンを外して胸元を開け、大股開きで椅子に腰かけている姿は、男性職員には到底見せられないあられもない姿である。
シィルはギルドでもトップクラスの美人であり、気立てが良く愛想も良いために男性職員からの人気も高い。ノーラが在籍していた頃は「彼女の次に人気がある」といった感じであったが、貿易部でもバリバリ仕事をこなす彼女は、まさにセントラルギルドでもアイドル的な存在だった。
もちろん、今休憩室で見せているような姿はおくびにも出すわけがない。
「ったく、どいつもこいつも情けないったらないわ」
そんなシィルはずっと煙草を吸いながら愚痴をこぼしている。
ここ最近、セントラルギルドの収益がパッとしないために、ギルドマスターのフミオンの機嫌が悪い。ギルドの雰囲気が悪くなるだけではなく、このままでは賞与にまで影響が出るというので、ここらで挽回しないといけないのである。
いくつかある白羽の矢の一本が立っているのが、貿易部で優秀な成績を収めているシィルであった。フミオンからプレッシャーをかけられ、情けない男性職員達の身勝手ながら期待の眼差しを浴びたシィルは、この後レジプスの商人との商談を控えていた。
レジプスとの貿易はセントラルギルドにとっては金の成る木と言えるもので、特にスライムジェルやポーションに関してはほぼセントラルの言い値で取引が出来る。今回とて普通に商談に臨めばいつも通りの成果が出せるはずであるが、フミオンの期待を背負っている以上、いつも以上の成果を出さないといけないのである。
取れるところから取る、今のセントラルギルドの常となっているやり方である。
「はぁ、情けない連中の尻ぬぐいのために私が苦労することになるなんてムカつくわ。賞与弾んでもらわないと割に合わないっての。あと男連中からもそれなりに貢いでもらいたいもんだわ」
シィルがぼやいていると、柱時計が鳴った。商談の時間が近づいている。
ぎゅっと灰皿に煙草を押し付け、シィルは素早く身支度を整える。ブレスケアも忘れない。
(ま、ちょっとふっかけてみて、それでも難しいようなら色仕掛けしてやればどうにかなるでしょ。最初は四割増しくらいで話してみようかしら)
休憩室で見せていたあられもない姿はどこへやら。身だしなみをきっちり整え、(ノーラの次に)セントラルギルドの女神とまで言われた美貌と色気を振りまき男職員達の羨望の眼差しを浴びながら、シィルは商談室へと歩いて行った。
(見てなさいよ。終わったら私に感謝して平伏しなさいよね)
シィルは自信満々で商談に臨んだ。
しかし言うに及ばずだが、彼女の思惑通りにはいかないのである。
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