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ゴウキ・ファミリー

何をするつもり?

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営業時間を終え、セシルとノーラを除いた職員が皆帰ったフォースギルドに、ゴウキ達と襲撃者達が集結した。
30を超える襲撃者達がそこにいたが、一応小さいながらもギルドではあるので、どうにかロビーに全員を収めることができた。ただし全員正座で。
その正座している襲撃者達を、ゴウキ、スミレ、セシル、ノーラの四人が見下ろす形になっていた。
ちなみにリノアは既に就寝中であり、デニスは所用で近くにいなかったのでここにはいない。


「・・・で、これからどうするつもりだ」


突然にスミレに「ちょっと場所借りるから」と言って大勢知らない人間を引き連れてこられてしまい、事情の知らないセシルは呆れ顔でそうゴウキ達に問うしかなかった。
スミレの頼みを何となく聞き入れてしまったが、総勢30を超える赤の他人をギルドにいきなり引き入れられて面を食らったセシルは、正座をさせられている彼らの何割かから視線を向けられて居心地が悪い。
とりあえず早く用事を済ませてもらって解散してもらいたい、そう思っていた。


「さ、さぁ・・・どうするつもりだ?」


ところが問うたゴウキから帰ってきた答えはなんとも要領を得ないので、セシルは眉を顰める。
ゴウキもこれからどうするのかわからないので、訝しんだ表情をスミレに向ける。

ゴウキはとりあえずスミレが「外は近所の迷惑になる」と言うので、言われるがままにフォースギルドまで来いと全員を連行してきただけだ。直前に散々ゴウキの恐ろしさを味わっていた襲撃者達は、もはやそれに逆らおうなどとせず大人しくギルドまでついてきた。

そんな彼らも、今後の展開のわからないセシルとノーラも、皆が一様に腰に手を当ててふんぞり返っている(ように見える)スミレに視線を集めた。



「・・・」


スミレはというと、どうも襲撃者一人一人の顔をじっくり見ているようで、中々口を開かない。
途中、目が合ったと思われる襲撃者は突然に目線をぶつけられてオロオロしたり、「あれ?自分?」とキョロキョロしたり、反応は様々だった。
「一体スミレは何をしているのか?」それがこの場にいるスミレ以外の人間の共通認識だったが、それでもスミレがあまりに集中している様子なので誰も口を開こうとはしなかった。

そして全員の顔を吟味し終えただろうスミレが、ここでようやく口を開いた。


「ゴウキ、コイツら全員舎弟にしよう」

と。
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